50代になったら3つの鏡を使い分けるべし!(後編)【小さなヘアメイク相談室】

小さなヘアメイク相談室
2024.09.21


こんにちは、藤岡ちせです。40代まで東京やN.Y.でヘアメイクアーティストとして活動していましたが、50代で地元の高知にアトリエを開き、マンツーマンのヘアメイクレッスンを行っています。この連載では、お肌の曲がり角を何度も曲がってきた方々にはきっと、お役に立つであろうお話をしていけたらと思っています!



さて今回は、ヘアメイクには欠かせない「鏡」についてのお話です。まず用意していただきたい鏡がこちらの3種類。

①拡大鏡(手鏡や卓上ミラー)
②胸まで映る鏡(洗面所やドレッサー)
③全身が映る姿見

【前編】では、①拡大鏡②胸まで映る鏡を交互に見ながらメイクする方法をお届けしましたが、今日の【後編】では③全身が写る姿見で仕上げることの大切さをお伝えしたいと思います。



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全身が映る姿見で
バランスを確認


実は最も大事なのが、全身をチェックする姿見。メイクがバッチリきまっても、ヘアスタイル、服、体型などとのバランスがチグハグでは元も子もありません。すべてのバランスが整ってはじめて「おしゃれさん」なんです。

皆さんは、朝、メイクを仕上げて「よしっ! 私、完璧!」と思って外出したのに、ふと街中のショーウィンドウに映る自分の姿を見て、見なかったことにしたことないですか? 「ん? 私、4頭身でした?」ってなったことないですか?

私はあります。あれは20代前半、まだピチピチだった頃、人気モデルのはなさんがアフロヘアにしていてそれがとびっきり可愛くて、私も彼女のヘアスタイルを真似したんです。けっこう気に入っていて、5年くらいはしていたと思います。あだ名も「はなちゃん」なんて呼ばれて、相当いい気になっていました。


はい、お察しの通り。ショーウィンドウの話はマイストーリーです。ある日、ガラスに映った4頭身の自分の姿を、まさかの思いでスローモーションで二度見。そして5年間のアフロ時代を深く後悔し、その翌日にはストレートパーマをあてるというトホホな経験をしました。長年、全身を姿見で見ることも写真に撮られることも避けていたツケが回ってきたというわけです。

ちなみに、はなさんは身長170cm、私はこの前の健康診断で2cm縮んでいたので152cmです(涙)。それ以来、自分はもちろん、アトリエにいらっしゃるお客様にも必ず姿見でバランスを見ていただいております。お客様は皆さん、小顔メイクをしたがりますが、メイクだけでは小顔になりません。ヘアスタイルにも注目してください! ヘアも含めた頭部全体を小さく作るのがポイントなんです。

姿見で全身を映し、身長や肩幅、襟元のデザイン(Vネック・タートル・襟つきなど、デコルテの露出具合で印象が随分変わります)、服のボリュームとバランスをとりながら、前髪の分け目、サイドとトップのボリューム比(サイドを耳に掛けるとか)、アップスタイルなど、ヘアスタイルを色々変えてみてください。その中できっと、小顔に見えるちょうどいいバランスが見つかると思います。あ、その時、靴まで合わせておくと、なお良し。ほんの少しのことでスタイルがよく見えますよ。



さて、いかがでしたでしょうか? 3つの鏡を使ったほうがいい理由、ご納得していただけましたでしょうか?

「細部と顔全体を交互に確認しながらメイク→全身のバランスを確認」という流れで仕上げることによって、メイクもヘアも、そして全身も、きちんとバランスをとることができるというわけです。近くが見えにくくなってきたり、引きの視点を忘れがちな私たち世代にとっては特に、鏡の使い分けは重要。まずは拡大鏡を手に入れることから始めてみてはいかがでしょう?

 

illustration:大賀美穂
photo:藤岡ちせ
撮影協力:戸梶建設

 

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Profile

藤岡ちせ

Chise Fujioka

ヘア&メイクアップアーティスト。テレビ、CM、広告、雑誌、ミュージックビデオを中心に活躍し、1998年から3年間、ニューヨークでも活動。美への探求心からハワイのボディトリートメントロミロミとフェイシャルを学び、自宅サロンを開くなど活動の分野を広げる。東京、鎌倉と移り住み、2019年に故郷の高知へ。住宅街の一角に、ヘアメイク、写真、オーガニックコスメなどを楽しめるアトリエ「APARTMENT102.」をオープン。
https://www.apartment102.net/
Instagram:@apartment_102_

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