長く大事に着たい、お気に入りのコート

こんにちは。
福岡のセレクトショップ「YOCA（よか）」の茅島です。

11月16,17日の土日で、YOCAのある福岡市南区大楠では「大楠茶散歩」というエリアのお店を巡る街歩きのイベントが開催され、ふだんはのんびり、穏やかな空気の街がたくさんの方で賑わいました。
博多・天神など福岡市の中心地区から少し離れところなので、普段私もお店はのんびりと営業していることがほとんど。店内に人が5人もいればひしめき合っているように見えてしまう小ささもあり、店主が誰よりも慌てているという2日間を過ごして流石にどっと疲れてしまったのですが、たくさんのお客様とお話ができたこと、またこの連載をずっと見てくださっていて「前から来てみたかった！」というようなお声がけも頂いて、とっても嬉しく、楽しい時間を過ごさせてもらいました。
この「茶散歩」と銘打ったイベントは東京の西荻窪で始まり、現在全国4箇所（鳥取の米子・高知の佐川・福岡の大楠）で開催されていまして、お茶を振る舞ってお客様をお迎えすることにちなみ「やかん」がトレードマークになっています。ご興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね。

ということで、ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、今回ご紹介するのはなんだかんだで冬の着こなしの「顔」となるコート！私自身のことを言いますと、年齢を重ねるにつれて、流行にとらわれずに5年・10年・・・と長く大事に、そして自分らしい好きの尺度で身につけられるものをじっくりと選びたい気分になっていて、そんな思いも反映しつつ悩み抜いてセレクトしているコートとそれを使ったコーディネートをご紹介したいと思います。

展示会でこの上品なカラーに一目惚れをしてしまった’Honnete’のコート。毎年登場する定番のデザインですが今シーズンは毛足が長くふんわりとしたリサイクルウールシャギーが使われています。冬らしく厚みもある生地だし結構重たそうだなと思いながらハンガーにかけてあるものを手に取ったのですが、そうでもない。試しに身につけてみたら、さらにそうでもない。意外と軽いんだ！と驚きました。若いときには気にしたことがなかった服の「重さ」ですが、今では重要なポイントのひとつ。このギャップは嬉しかったです。

セレクトした理由となった色を存分に楽しめるよう、全身の色味を揃えたワントーンのコーディネートにトライ。トップスもパンツも同じウール素材ですが、ぼんやりしないように質感や色で微妙な変化を加えてみました。
高さのあるショールカラーは顔まわりを華やかに見せてくれるデザイン。前をあけてラフに羽織った雰囲気がとても素敵だなと思っているのですが、寒いときにはしっかりと上までボタンを閉じて。ボリュームある襟に顔を埋めるととてもあたたかくて、贅沢な気持ちになれる一着です。

2つ目は‘sugiwai’から届いたシンプルなテーラードカラーの一着。グリーン・ブラウン・ブラック・・いくつかの色が奥にひそむヘリンボーンの織り目と合わさり、奥行きを感じる色合いとして目に映る印象的な生地なのですが（写真で伝えるのがとても難しいです）、実は表に見えている方が生地の裏面なのだそう。sugiwaiのアイテムはこの連載の中で何度も紹介させていただいておりますが、たくさんの方の手が加わって一斉に出来上がる一般的な既成服とは異なり、ひとりの職人さんが裁断・縫製・仕上げを全て行い、1点ずつ作り上げられていくというオーダメイドに近いものづくりが最大の特徴。裏にくるりとひっくり返しても一切手抜きのない美しい仕上がりはぱっと見ただけではわかりにくいものですが、YOCAでsugiwaiを知って大好きになってくださったファンの皆さまには、その手間ひまが生み出す「違い」が確実に届いているようです。

「何色。」と決めつけられない、ニュアンスのあるカラーのコートはグレーと合わせてみたくなりました。シルエットがすっきりときれいなブラックのパンツでメンズっぽいコーディネートです。地味な感じになってしまいそうかなと思った顔まわりにはマフラーで明るさを足しつつアクセントに。こちらは前回の記事でもご紹介した’Suno&Morrison’のマフラーのBaby&Kids用。この子がわれわれ大人が使うにもなかなかいい仕事をしてくれる絶妙なサイズ感でして、店頭でもおすすめしております。

同じテーラードカラーでも、こちらは’CAERULA PER LIGHTS’から、軽くてあたたかいのが嬉しいパテッド（中綿入り）コート。中綿の膨らみはありつつもすっきりとしたシルエットでオン・オフ、シーンを選ばずにさまざまな場面で活用できそうですよね。
ツルツルしないマットなコットンナイロンは撥水・UVカットと機能性も備えていて、お家で丸洗いもOK！着用によるシワも気にならず、使い勝手の良さでもおすすめができる一着です。

襟が大きめで顔が小さく見える（気がする）テーラードカラーのVの開きに組み合わせたくなったのはベーシックな白のシャツ。ビッグシルエットが多い最近では珍しい身幅・肩幅・袖もすっきりなサイジングなのですが、着丈だけが長くてそのバランスがじわじわと心に響いています。ボトムはイージー＆リラックスなシルエットに面白さがあり、肌触り最高なウールニットのパンツ。こちらにも先ほど登場したSuno&Morrisonのミニマフラー、今度は赤をチョイスして可愛げを足してみました。

最後は届いたばかり、この秋冬シーズン最後の入荷となった’CHEVAL plus’らしさが満載のキルティングジャケット。ダウンと同等の保温性と通気性をもった中綿を表面がほんのりと起毛したピーチタフタでキルティングし、きちんと感をもって身につけることができるデザインに落とし込んであるのが何より魅力的。袖と身頃が繋がったラグランの袖など体の動かしやすさとシルエットの良さが両立しているパターンメイキングやディティールのバランスにはいつもさすがだなぁと感じます。

コーディネートしたのは白のトップスと白のパンツ。寒い季節に重ねる白には特別な憧れを持っています。マリーンのユニフォームをイメージしたようなデザインがハンサムなプルオーバーは肌に触れても気持ちよく、見た目にも上質さが伝わるウール素材。あえてゆったり目なsize44をチョイスしています。

もひとつ最後に、CHEVALplusのウールコートにチェンジしてみても良い雰囲気。ネイビーと白で清潔感あふれる冬スタイルですね。今年の2月、初めての記事でご紹介したのが ’CHEVAL plus’のコートでしたので、最後にもこうしてご紹介でき、とてもよい締めくくりが迎えられました！

冬の主役「コート」をテーマにお届けした今回の記事、いかがでしたでしょうか？
1回1回の記事をまとめている最中には途方もなく長く感じていた1年16回。息も絶え絶えといった具合で取り組んでいたのですが、実際に最後を迎えてみるととてもあっという間で、終わってしまうのかという寂しさも感じています。
記事を通じてたくさんの方の目に触れられたこと、そして実際お店に足を運んでもらえたり、全国各地からオンラインショップやインスタグラムを通じてお買い物をしてもらえたり、小さかった世界がぐんとおおきく広がった一年となりました。記事をご覧いただいた皆さま、得難い経験の場を与えてくださった「暮らしとおしゃれの編集室」の皆さま、そして最後にいつも応援してくれた家族や友人に。本当にありがとうございました！
またいつか、どこかでお会いできますことを心から楽しみにしています。

残り1ヶ月となった2024年、心も体もあたたかに、たくさんの笑顔でお過ごしいただけますように！

コーディネート その1
コート　Honnete / Shawl Collar Coat ¥59,400
トップス　ALWEL / TURTLE NECK TOP ¥25,300
パンツ　sugiwai / ドローストリングパンツ ¥34,100
靴　BEAUTIFUL SHOES / BRITISH SIDEGORE　¥74,800

コーディネート その2
コート sugiwai / テーラードカラーコート ¥62,700
トップス　ALWEL / DOUBLE FRONT TOPS ¥27,500
パンツ　LuvourDays / SUPER100’sビーバー TRUCK PANTS ¥25,300
マフラー　Suno&Morrison / Gara-Bou Baby&Kids Muffler ¥5,940
靴　BEAUTIFUL SHOES / ONE PIECE SNEAKERS ¥39,600

コーディネート その3
コート　CAERULA PER LIGHTS / CN weather padded coat ¥46,200
シャツ　CAERULA PER LIGHTS / 50 type writer cloth laps shirts ¥16,500
パンツ　1dozen / ファインラムフェルトニットパンツ ¥27,500
マフラー・靴　コーディネート　その2と同じ

コーディネート その4
コート　CHEVAL plus / キルトのドルマンJK　¥41,800
トップス　CHEVAL plus / フレンチなスタンドPO ¥25,300
インナー　1dozen / OCシフォン ハイネックロングスリーブT ¥15,400
パンツ　TRAVAIL MANUEL / クラシックウェポン ベースパンツ ¥17,600
靴　コーディネート　その1と同じ
最後に着たコート　CHEVAL plus / トリミングカラーのコート ¥72,600

＊記載のないものはすべて私物です。

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