石垣島編vol.4 素敵な空間で絶品フレンチとワインを楽しめる「rokusyo.」
沖縄県本島から南西へ約410km(那覇空港から飛行機で1時間)に位置する石垣島。沖縄本島、西表島に次ぎ、県内で3番目に大きな島で、1年を通して多くの観光客が訪れます。島の北西部にある川平(かびら)湾は、澄んだブルーの海と白い砂浜、緑豊かな小島が美しく景勝地として有名です。
そんな石垣島で自家焙煎珈琲とお菓子のお店を夫婦で営んでいる白上桃子さんに、ガイドブックには載っていない石垣島の楽しみ方やおすすめのお店を教えていただきました。是非旅の計画を立ててみてくださいね。
石垣島に旅に来た感覚で楽しんでいただけるように、わたしのお気に入りをご紹介しているこの連載。滞在中、ちょっと特別な夜に行きたいお店。それが最後にご紹介するビストロ「rokusyo.(ロクショウ)」です。
石垣島の中心地にありますが看板などは出ておらず、扉の横に小さく店名が書かれているのみ。建物の二階にあることもあり、まるで隠れ家のようで階段を上っていくだけでワクワクしてきます。
大きな扉を開けると洗練された空間と心地よいジャズが耳に流れてきて、席に着く頃にはこの非日常の空間に、ここが石垣島であることを一瞬忘れてしまいそうになります。
石垣島は飲食店が多く様々なお店があります。ローカルな雰囲気の居酒屋さんも沖縄らしくて大好きですが、滞在中1日くらいはちょっとお洒落をして、ゆっくりお料理やワインを飲みながら語らい合う日があるのも、素敵な思い出になるのではないかと思います。
丁寧につくられたフレンチとナチュラルワインが楽しめながらも、カジュアルな雰囲気のある「rokusyo.」。
店主である倉島恵悟さんは東京で和食や洋食など様々なジャンルのお店で働きながら経験を積み、大好きな石垣島で「rokusyo.」の看板を上げられました。恵悟さんのつくられる料理は「できるだけ島のものを」という言葉の通り、地元の野菜はもちろん、石垣島のお肉や近海魚を使用した料理が多いです。
また、組み合わせも面白く、季節の果物を使用したタルティーヌは毎回どんな味がするのだろうと心が躍ります。そして毎回想像以上の美味しさに感動するのです。料理の美味しさは、フランス生まれの歴史あるレストランガイド「ゴ・エ・ミヨ」に掲載されるほどの実力です。
「美味しいものを食べながら話に花を咲かすだけでガヤガヤ楽しい気持ちになるでしょ?そういう酒場みたいな場所でありたい。だからこそコース料理もしないし、接客もかしこまりすぎないようにしている」と恵悟さん。
たしかに「rokusyo.」はお洒落な雰囲気のお店でありながらも良い意味で敷居が低く、フレンチやワインのことに詳しくなくても誰でもウェルカムな入り口の広さを感じます。
きっと恵悟さんは、やろうと思えば厳かな雰囲気のフレンチレストランもつくれます。けれど敢えてそれをしないということに恵悟さんの大切にしたいものが伝わってきます。
私たちはいつも遠方から家族や友人が来てくれたときに、3歳の娘も一緒に「rokusyo.」へ連れて行きます。それができるのも、恵悟さんをはじめとするスタッフの方々の接客や醸し出す雰囲気、子供用の椅子が用意されていること、予約するときの電話での対応など、細かなところまで恵悟さんが意識してつくりあげている居心地の良さがあってのことなのだと改めて感じました。
恵悟さんは多くは語りませんが、人が楽しく過ごせる場所をつくりたいという思いに芯があり、その思いがお料理や店内の内装や流れる音楽すべてに表されているように感じます。
カウンターの奥でいつも忙しそうにお料理をつくりながらも、娘と目が合えばにっこり手を振ってくれるお人柄。こういう温かさをみんなも分かっているから、「rokusyo.」はいつもお客様でいっぱいなのだと感じました。
「料理ができる人がいるならその人に任せていい。つくれる人が自分しかいないからつくっているだけだよ」と笑って話す恵悟さん。いやいや、みんなまだまだ恵悟さんのつくるお料理を食べたいですよ。
店名は銅にできるさびの緑青からとったもの。経年変化のなかで刻々と味のある変化を遂げていく緑青のように、これからも益々素敵で深みを増していく「rokusyo.」に、また大切な人と一緒に行こうと思います。
沖縄県石垣市大川289
TEL:0980-87-7777
営業時間:18:00〜22:30
定休日:日曜日プラス月2日ほど不定休
Instagram:@rokusyo.ishigaki
MAP:C
日本、〒907-0014 沖縄県石垣市新栄町10−3
日本、〒907-0013 沖縄県石垣市浜崎町2丁目3−8
日本、〒907-0022 沖縄県石垣市大川289
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