お店closedの間、毎日お散歩しながら「好き」について考えていました

おしゃれさんコーディネート
2025.02.12


皆さまこんにちは、「futana(フタナ)」の土井菜子です。


昨年、京都・西陣の実店舗closedのお話をさせていただいてからあっという間に時が過ぎ、あれよあれよという間に2月も半ば! 今年はきゅっと寒い日が多い冬ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。お体お変わりありませんでしょうか。


土井はと申しますと、お店をclosedしてから、荷物を片付けたり、恒例の山口に行ったり、のんびりお正月を過ごしたり。


そうしてその合間に、御所、鴨川、はたまた実家のある白川など、少しでも時間が出来ると散歩に出かけるという日々を過ごしておりました。なんということはない、本当にただのお散歩。


ただのお散歩。すこぶる満ち足りた、ただのお散歩。好きな食べ物 、好きな場所、大切な人、聞こえる音、見える色、歩く先、しあわせな糧、今の自分……。


いつだったか、「歩いている時に何を考えているのですか」と聞かれたことがあったのですが、この2か月間は、自分の好きなもの、あらためて大切にしたいものについてばかり考えておりました。

ただひたすらに歩く時間。とても贅沢な時間でした。今日は、その散歩の中で、ぽこぽこと頭に浮かんだ事柄についてお話させていただきたいと思います。皆さま、ほっと一息、お茶時間のお供にお読みいただけましたら幸いです。

 


 


お散歩中、「好き」について考えていましたが、今日お伝えするのは「洋服の好き」。


あらためて。
私は洋服が好きです。
厳密にいうと、“洋服にまつわる仕事”が大好きです。



手にしたり、口にしたり、目にしたり耳にしたり、日々触れるもの全て、いろいろな人の手を経てここにきていると思うのですが、洋服もまた、様々な行程を経て皆さんの元へとたどり着いています。


植物から、動物から、工業物質から、糸を撚って、糸を染めて、糸を織って、糸を編んで、生地を染めて、生地を切って、生地を縫って、編みを縫って、着る人を想像して、かたちを決めて、設計図を書いて、生地を選んで、色を抜いて、ひっかいて、たたいて、漬けて、洗って、テストして、書き直して、テストして、抜けをチェックして、ゆがみをチェックして、針をチェックして……。まだまだ書ききれない、私が知らない山ほどの工程を経てきています。

……これらは、洋服が出来る前段階。私は前段階に触れることは日常ではないけれど、そのエピソードを見聞きする度にワクワクします。とても好きです。



そうして洋服が出来上がったあと、その洋服を着る場面を想像して、洋服を着る皆さんを想像して、組み合わせて、画面の中や実在する空間 皆さんに洋服を手に取っていただく場所を作って、洋服を皆さんの手の内へ。

……これらは、洋服が出来上がってからの後段階。ここが私の毎日です。私の仕事。私のやりたいことであり、高揚する事柄です。



この2か月。毎日のように歩く中で、携わりたい事柄は何かと自問すると自然と出てくるのは洋服のことでした。何をしてでも生きてゆけるけれど、洋服を通して皆さんと繋がらせていただくのが一番自然な私だと感じます。



ワンピースを探していたあの方に、これはどうだろう。
歳を重ねてきた私たちには、このパンツがきっとしっくりくる。
この一枚、あの方にぴったりだわん。

まだまだ十分とは言えないけれど、それでも何が出来るかと言われたら洋服のこと。洋服の引き出ししか持ちあわせていない私。だから、洋服にまつわるあれこれを通して皆さんと言葉を交わして、そうすることで自分の内側を少し広げさせていただいている、そう思います。




とてもありがたいことだなぁと、歩きながらフクフクと思いました。昨年のコラムにも書かせていただきましたが、大好きなブランド「Vlas Blomme」さんのお手伝いをさせていただくことになったのも、とてもありがたく光栄なことだと歩きながら思っておりました。


「futana」は今、パーソナルなものとなっていて、実店舗があった時に来ていただいたり繋がりがあって既に存じあげたりしている皆さんとのあれこれに注力させていただいていて、「Vlas Blomme」さんでの時間はこれから新たにいただく繋がり、少し開かれた場所、というイメージが私の中に膨らんでいます。

とても近しい「futana」の時間と、開かれた外の時間。どちらも大切にしてゆきたい事柄。実店舗を閉じ、開かれた場所を一旦手離した私にとって、「Vlas Blomme」さんは新たにいただいた、皆さんとの繋がりをいただける場所だと感じています。

「futanaが閉じたあと、どこに行ったらよいの?」というお客様に、「これからは、futanaがあった場所にできるVlas Blomme KYOTOへ!」と言えるのがうれしい。

実店舗を閉じる少し前、「いつでも、ここに来れば相談出来るという場所がないのが心細い」と言っていただいたのがとても強く残っていて、「ここにくれば」の場所があることの意味を改めて感じております。これからは、何かありましたら「Vlas Blomme KYOTO」へお越しください。そうして、もしよろしければ「Vlas Blomme」の土井としての中から、「futana」を引き出していただけましたら一層うれしいです。

えへへ

土井を既に知ってくださっている皆さまは勿論、まだお会いしたことの無い沢山の皆さまにもお目にかかれるのを楽しみにしております。


と! いつものように取り留めのない私の頭の中。皆さま、今日もお読みいただき本当にありがとうございました。光栄です。明日は、これからお手伝いさせていただくことになった「Vlas Blomme」さんの春のひとまくを、「futana」目線でご紹介させていただきたいと思います。

明日も同じ時間に皆さまにお会い出来ることを、楽しみにしております。

 

futana

 

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