一田憲子さん×伊藤まさこさんトークショー~親の人生の最終コーナーを娘の私たちは、いかに伴走する?~
元気だった親が歳を重ねて老いていく。できないことが増えていく。それを目の当たりにするのは寂しいし、怖い。そんな葛藤を綴った一田憲子さんの書籍『父のコートと母の杖』。発売以来、多くの方から「私の親も同じような年齢です」「自分と重なるところがあって何度も頷きながら読みました」など、共感の声をいただいています。
広島、大阪での発売記念トークショーやInstagram LIVEを行った後、「東京でも開催してください!」という熱いリクエストをいただいていましたが、去る2月4日、ようやく東京でも、発売イベントを開くことができました!
トークのゲストはスタイリストの伊藤まさこさん。20年来のお付き合いがある一田さんと伊藤さんが「歳を重ねた親との付き合い方」についてご自身の経験を基に語ってくださいました。
会場は、青山ブックセンター本店。100名も収容できる広い会場があっという間に満席に。当日は入場待ちの列が出るほど、熱心なファンの方が集ってくださいました。
平日夜の開催にも関わらず、あっというまに「満員御礼」に。
トークの内容については、一田さんもブログで振り返り記事を書かれているので、ぜひご覧ください。なにかと「心配」が先に立つ一田さんと、「歳をとるのは当たり前のこと」と受け止める伊藤さん。対照的なお二人だからこそ、いろいろな視点でのお話を聞くことができました。
一田さんからは、「介護認定を受けるときに限って、父が張り切って『何でもできます!』と言うから認定が下りない」という、”介護あるある“エピソードが飛び出し、大盛り上がり。笑
今回のトークもそうですが、書籍『父のコートと母の杖』でも、「親の老い」という重い話だけでなく、ちょっぴりクスっと笑えたり、肩の力が抜ける、家族の物語もぜひ、読んでいただきたいポイントです。
トーク後のサイン会にも、たくさんの方がご参加くださいました。私は伊藤さんの列でお手伝いをしていたのですが、近刊だけでなく、10年以上前のご著書を「ずっと大切にしています」と見せてくださるファンの方が何人もいらっしゃいました。移ろいやすい世の中ですが、伊藤さんの本は人々の「心のお守り」のような存在になっているんですね。
『父のコートと母の杖』には、こんな一節があります。
「ひとりひとりの人間は、それぞれの時代で新たな世界の扉を開け、自分の価値観をアップデートする。家族は、長い年月を共にするからこそ、その変化を「線」で観察しあう唯一の関係性の中にいるのだと思う。」(家族の力関係)
長い年月を共にする家族だからこそ、意見してしまったり、踏み込んでしまったり、適切な距離を保つのが難しい場面ってありますよね。そして、その距離感は家庭ごとに違うし、同じ家族の中でも兄弟姉妹、ひとりひとりの価値観によって違う。それがときに「モヤモヤ」を生む原因になったりします。
そんなときはぜひ、『父のコートと母の杖』を開いてみてください。ひとりひとり状況は違っても、「あぁ、一田さんも悩みながら、迷いながら『親の人生の最終コーナーを、懸命に伴走しているんだなぁ』と思えたら、少し肩の荷が下りるはず。この本が皆さまにとっての「心のお守り」になったら、編集担当として、こんなに嬉しいことはありません。
イベントに参加くださった皆さま、青山ブックセンターさま、そして繊細な家族のお話を率直に語ってくださった伊藤さん、一田さん、ありがとうございました!
よろしければ、「#父のコートと母の杖 」のタグをつけて、感想などご共有ください。皆さまの家族の物語を拝見できるのを楽しみにしております。
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Profile
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一田憲子
1964年生まれ。編集者・ライター。OLを経て編集プロダクションに転職後フリーライターとして女性誌、単行本の執筆などを手がける。企画から編集、執筆までを手がける『暮らしのおへそ』『大人になったら、着たい服』( ともに主婦と生活社)を立ち上げ、取材やイベントなどで、全国を飛び回る日々。『すべて話し方次第』(KADOKAWA )、『歳をとるのはこわいこと?』( 文藝春秋)ほか著書多数。暮らしのヒント、生きる知恵を綴るサイト「外の音、内の香」主宰。ポッドキャスト番組「暮らしのおへそラジオ」を配信中。http: //ichidanoriko.com
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。