50代のブラウンメイクは危険!「炊き込みごはん顔」を防ぐ5つのルール(前編)

小さなヘアメイク相談室
2025.04.28


こんにちは、藤岡ちせです。40代まで東京やN.Y.でヘアメイクアーティストとして活動していましたが、50代で地元の高知にアトリエを開き、マンツーマンのヘアメイクレッスンを行っています。この連載では、お肌の曲がり角を何度も曲がってきた方々にはきっと、お役に立つであろうお話をしていけたらと思っています!



さて、先日アトリエのヘアメイクレッスンにやってきたのは、日々バリバリお仕事をしている50代のワーキングウーマン。営業職なので、お客様に好印象なメイクを一日キープしたいけれど、忙しさもあってメイク直しはお昼休みにちょこっとするくらい。夕方には顔全体がくすんできて、「炊き込みごはんみたいな顔」になってしまうのだそうで……。

なるほど、わかります、炊き込みごはん!! それって、

●肌のくすみ=茶色いごはん
●色素沈着=油揚げ
●シミ=椎茸
●チークやリップ=にんじん

に見えるってことですよね? 上手い! 座布団3枚!

なぜ「炊き込みごはんみたいな顔」になってしまうのか。実はその原因、彼女のブラウンメイクにあるのです。

年齢を重ねると肌のターンオーバーが遅くなって角質が蓄積することでくすみ、色素沈着したりシミが増えたりして、顔全体がブラウンになります。同様にまぶたも、透明感が失われてくすんできます。そのまぶたにブラウンのアイシャドウをのせると、影をつくってドーンと暗くなるのです。それが、くすみや色素沈着やシミのブラウンを助長させ、顔が炊き込みごはんになるというわけです。

では、どうすればいいか。炊き込みごはん解消の答えはズバリ、「ベース」をしっかり整え、色で「メリハリ」をつけること! その方法を、順を追って説明していきますね。



01
夜にしっかり保湿

まずは、なにはともあれ保湿です。しっかり保湿することで肌に艶が出て光が反射し、くすみとシミが目立ちにくくなります。ただ、メイク直前に保湿をしすぎるとメイク崩れの原因になるので、保湿ケアは夜が効果的です。

また、そもそものくすみの原因である、角質を蓄積させないことも大事。日々の食事や生活習慣を見直して、肌のターンオーバーを促しましょう。

 



02
ベースメイクで
色むらをカバー


ファンデーションの前にコントロールカラー(化粧下地)を仕込むと、くすみが軽減します。

●顔全体のくすみにはイエロー系かラベンダー系
●トーンアップと血色をよくするにはピンク系
●黄ぐすみや赤味がある場合はラベンダー系かブルー系

を使うと透明感がアップ。ただし、使う量はほんの少しにしてくださいね。でないと、白浮きしたりメイク崩れの原因になったり。少量でもちゃんと効果は出るのでご安心を。



03
コンシーラーで
シミをカバー


シミには、ファンデーションを塗ったあとにコンシーラーを使うのが効果的。コンシーラーの使い方は無数にあるのですが、今回はそのうちの一つをご紹介しますね。

まず、くっきりしたスタンプ状のシミに対しては、コンシーラーをブラシにとって、シミからはみ出さないよう丁寧に塗ります。


ブラウンのシミを周りの肌色に近づけるのが目的なので、コンシーラーがはみ出るとその部分の肌色のトーンが上がってしまい、シミと周りの肌色の差が縮まりません。塗り絵の要領で丁寧に塗ってシミの輪郭を消しましょう。これは目の錯覚ですが、輪郭がボヤけるとシミと肌色の分断がなくなり、シミの存在が消えたように見えるマジックです。

ちなみにコンシーラーは油分が多いので、ブラシは天然毛ではなく、手入れのしやすいナイロン毛のものがおすすめです。シミの大きさに合う太さを選んでくださいね。

次に、まぶたや頬に広がる薄いシミやソバカスには、自分の肌色に近い色のコンシーラーを使います(慣れないうちはファンデーションの重ね塗りでもOK。そのほうが色ムラになりにくいです)。コンシーラーをスポンジやブラシに少量とり、皮膚を引っ張ったりせずに軽くポンポンとのせていきます。目の周りはよく動くところなので、つけすぎるとヨレる原因に。「薄~く薄~く」がポイントです。



04
仕上げは
フェイスパウダーで

最後にフェイスパウダーで仕上げると、コンシーラーの定着が格段によくなり、肌に自然に馴染んでくれます。パウダーを太めのブラシに少量とって、ティッシュか手の甲でよく馴染ませてから、シミの上に軽くポンポンをのせていってください。パウダーはノーカラーの超微粒子のものが崩れにくくておすすめ。ブラシはハリのあるものだと跡がついてしまうので、柔らかいブラシを使ってくださいね。

そしてこのとき注意したいのは、コンシーラーを塗ったあとすぐにパウダーをのせないこと。1分ほど待って、コンシーラーをきちんと乾かすことが大事です。乾きがムラになっているところにパウダーをのせると、乾いてないところに多く付着して、仕上がりにもムラができてしまうのです(砂絵を思い出してください)。あと、乾いたかどうかを指で確認するのも禁物。指紋がついてしまいますよ。これはフェイスパウダーだけでなく、アイシャドウやチークを使う前にも同じことがいえるのでご注意を!


 

illustration:大賀美穂
photo:藤岡ちせ

 

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Profile

藤岡ちせ

Chise Fujioka

ヘア&メイクアップアーティスト。テレビ、CM、広告、雑誌、ミュージックビデオを中心に活躍し、1998年から3年間、ニューヨークでも活動。美への探求心からハワイのボディトリートメントロミロミとフェイシャルを学び、自宅サロンを開くなど活動の分野を広げる。東京、鎌倉と移り住み、2019年に故郷の高知へ。住宅街の一角に、ヘアメイク、写真、オーガニックコスメなどを楽しめるアトリエ「APARTMENT102.」をオープン。
https://www.apartment102.net/
Instagram:@apartment_102_

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