目指せ、左右対称のキレイ顔！40代でもメイクと表情筋トレーニングで作れます（前編）【小さなヘアメイク相談室】

こんにちは、藤岡ちせです。40代まで東京やN.Y.でヘアメイクアーティストとして活動していましたが、50代で地元の高知にアトリエを開き、マンツーマンのヘアメイクレッスンを行っています。この連載では、お肌の曲がり角を何度も曲がってきた方々にはきっと、お役に立つであろうお話をしていけたらと思っています！

さて、今回、私のアトリエのヘアメイクレッスンにいらした40代のお客様のお悩みは、顔のパーツが左右非対称なこと。「メイクで左右差を目立たなくできますか？」というご相談です。

さっそくお顔を確認してみると、ふむふむ、確かに右側の眉、目、耳が、左側よりも高い位置にある。さらに、頭自体も左側に傾いていている（本人は、まっすぐのつもり）。これは確かに気になる！

実はこれ、ほとんどの人が同じ問題を抱えています（自覚ない人も多いです。いや、むしろ自覚ない人のほうが多い気が……）。顔のパーツの位置や形って、自力では何ともならないですしね。そこでヘアメイクが一役買ってくれるというわけです。なんといっても、ヘアメイクの目的のひとつは、顔を左右対称に見せることですから。

知っていますか？ 美人って限りなく左右対称なんです。話すときも笑うときも、左右対称に動くとキレイに見えます。顔を動かしたときの左右差はメイクではカバーできないので、表情筋を意識したトレーニングが必要です。その方法は、この記事の最後にお伝えしますね。

では、メイクで顔を左右対称に見せるにはどうすればいいか。最初にするべきは、「自分の顔を知る」ことです。左右の違いや表情のクセなどを把握し、それを踏まえてヘアメイクをしていきましょう。

01
菜箸を使い
平面の左右差をCheck！

まず、顔の左右差を確認してみましょう。はい、皆さん、キッチンに行って菜箸を持ってきてくださーい。次に、頭から肩までが写る鏡の前に、足を揃えてまっすぐ立つか座ります。そして、ターバンなどで髪が顔にかからないようにして、顔を丸出しにします。

このとき大事なのは、顔全体に均一に光が当たるようにすること。影ができたり光がムラになったりしていると、正確に判断できません。顔に当たる光が、左右同じになるようにしてくださいね。

準備ができたら、1本の菜箸を縦にして、顔の中央に当ててみましょう。そして、眉毛、目、鼻、口、耳などのパーツの高さを左右で見比べます。どうですか？ けっこう左右差ありませんか？

パーツだけでなく、顔の輪郭も見比べてみてください。頬の横幅や面積が違ったり、目尻から輪郭までの長さや、あごのラインに左右差があったりしませんか？

次に、菜箸の位置を少し下げて、左右を見比べてみましょう。肩の高さが違っていませんか？

そして最後に、菜箸をもう１本横に足してクロスにしてみると、各パーツの違いがさらによくわかりますよ。

02
立体的な左右差も
菜箸でCheck！

平面（2D）で左右を見比べ終わったら、次は立体（3D）で確認してみましょう。菜箸を当てたまま、頭蓋骨の形を意識しながら、鏡に対して角度をつけるように顔を上下左右に動かしてチェックしてみてください。額や頬など、右半分と左半分で丸みの傾斜が違いませんか？ 片方は平らに近いけれど、片方はきゅーとカーブがきつかったりしていませんか？

このとき、鏡を見ながらあごを上げたり下げたりすると、頬骨の出っ張りや肉の付き具合、眉骨の出具合、鼻の歪み、あごの形などの左右差がわかりやすいので、3Dでよーく観察してみましょう。三面鏡があるなら横顔の左右差も観察すると、あなたの知らないあなたが見えてきます。他人はいろんな角度からあなたを見ているので、他人の視点を意識して確認すると、気をつけるポイントがわかってきますよ。

03
表情による左右差は
オンライントークでCheck！

さて、ここまでは静止状態での確認でしたが、次は、動いている自分の顔を観察します。そうです、表情によって表れる左右差を見つけるのです。

一番わかりやすい方法は、話している様子を動画に撮ること。えっ？ 自分を動画で？ 写真ならまだしもってアンタ正気か？ と、今思いました？ そんなのヤダ～！ という方、あなたの可能性はそこまでです（スパッ！）。現実を見るのを避けていては、伸びしろもそこで消えちゃいます。さあ、皆さん、勇気を出すのですっ！

気軽なのは、スマホの動画モードで自撮りする方法ですが、表情による左右差をより見つけやすいのは、Zoomなどのツールを使ったオンライントーク。LINEのビデオ通話でもいいと思います。友人や家族と会話している自分の顔を、パソコンやタブレット、スマホの画面で改めて見てみると、いつもどんな表情で話しているかがよ～くわかります。

今回、アトリエにヘアメイクレッスンにいらしたお客様にも、ここまでの内容をお伝えしたうえで、「私とオンライントークをしてみましょう」とお誘いしました。そんな経験のないお客様は相当葛藤していましたが、最終的には渋々トライしてくださることに（けして無理強いはしてません）。そうすると、無理強いしたおかげで（うそです、してません）、次々と新しい発見がありました。


しゃべると右の眉が上がりやすい、口が曲がる、眉間にシワを寄せるクセがある……と自分で想像していた表情とはかなり違っていて、びっくりした様子。筋肉は、年々怠けてラクをしようとします。重力に逆らってリフトアップさせないと、どんどん動きが小さくなり、動かしやすいほうだけを使ったりして歪みが生じるのです。

04
表情筋トレーニングで
左右差をなくす

「左右で違っているな」とか「嫌だな」と感じた顔の動きやクセは、表情筋トレーニングをするとだんだん左右差がなくなってきます（私調べ）。表情筋トレーニングの方法はいたって簡単。鏡を見ながら「なりたい顔」「左右対称の顔」を作って数秒間キープ、これを数回繰り返すだけです。

体の動きは脳と深い関係があり、脳に「私の口角はここまで上がるぞ」「目はこんだけ開くぞ」「ほっぺはここまで持ち上がるぞ」と認識させることが大切。理想の顔を脳にインプットさせるというわけです。お友達とオンライントークをしながら、映った自分の顔を見て表情筋トレーニングをするのもおすすめですよ。

自分の顔って結構長く見ていると思いますが、きちんと把握してない人が意外と多いんです。改めて向き合うと、面白い発見と衝撃の現実で複雑な気持ちにはなりますが、コンプレックス解消のためにはきっと必要な好転ショックなので、皆さん、勇気を出して自分を知る旅に出ましょう！

明日公開の【後編】では、菜箸や動画で見つけた顔の左右差を、メイクとヘアスタイルでカバーする方法をお伝えしますね。

illustration：大賀美穂
photo：藤岡ちせ

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