結局落ち着く、和な朝ごはん。
「褻mono(けもの)」鈴木一真さん vol.4
こんにちは。器店主の朝ごはん、7月度を担当させて頂きます「褻mono」店主の鈴木です。コラムの担当も今回で最終回となります。
この日は鶏手羽と大根の煮物、付け合わせにゆで卵と春菊のナムル。小皿はお漬物と佃煮、小鉢は玉ねぎとベビーチーズのポン酢あえ。といったメニューでした。
ポン酢を入れてさっぱり仕上げる鶏手羽と大根の煮物。簡単なのでよくつくります。春菊も見かけるとつい手が伸びてしまう野菜のひとつです。
盛り付けたうつわは、瀬戸本業窯の馬の目皿。鉄と呉須。民藝の精神を今に伝えながらものづくりを続ける、愛知県瀬戸市を代表する窯元です。
思い切りの良いぐるぐる模様が眺めていて気持ちが良く、和洋問わず、お料理やケーキを盛り付けても受け入れてくれる懐の深いうつわです。
飲み物は狭山茶。埼玉県民の必然。日高市内にもお茶農家さんを含め、お茶屋さんが数件営業をされているのでいつも地元のお気に入りのお店で茶葉を購入しています。
湯呑は愛知県瀬戸市の河合さゆみさん。先に紹介した瀬戸本業窯でつくり手として働きながら、個人でも活動されている作家さんです。
使う人に寄り添うように手になじむかたち、貫入に色がじっくりと入り育っていく様子が愉しめるうつわです。
(当店での販売はこちら)
小鉢には新玉ねぎにベビーチーズとポン酢を和えたもの。おつまみにもいけちゃうお手軽レパートリーのひとつです。
使用したのは寺田鉄平さんの輪花鉢。鈍い色味が格好よく、小さくても存在感のあるうつわです。
私はお漬物や佃煮の類が食卓に並ぶと、それだけでテンションが上向く人種です。この日はくるみちりめんの佃煮と、秩父市の特産品「しゃくし菜漬け」を添えて。
こちらの小皿は骨董の陶磁器屋さんで見つけたもの。年代も産地もわかりませんが、小鳥が並んで羽ばたく愛らしさが気に入って使っています。
もう片方は工房kuromiyaさんのクマの小皿。可愛らしさの中にどこか懐かしさを感じるのは、こっくりとした飴色のおかげでしょうか。
(当店での販売はこちら)
ご飯茶碗は栃木県益子町の鈴木稔さん、茨城県のCRAFT BORO×BOROさんのもの。どちらもうつわ屋を始める以前に買ったものだったと思います。作家もののうつわの魅力を教えてくれたうつわとも言えるかもしれません。
お箸はクラフトフェアにて津軽塗の作家さんである三上優司・岸田奈津希さんのブースで出会ったもの。シンプルで繊細な模様と掴みやすい細さが魅力です。
意図せず和な雰囲気の食卓となった日の朝ごはんでした。結局のところ和食が落ち着くのかもしれません。
というわけで1ヵ月間、お付き合いくださいましてありがとうございました。
コラム参加のお誘いを頂いたときは「私なんかに務まるのか…!?」と恐れ多すぎて悩みましたが振り返ってみれば今の自分なりに愉しみながら取り組めたかな、と思います。
拙い料理や写真で本当にお恥ずかしい限りですが、読んでくださった方々に少しでも表情豊かなうつわと暮らす愉しみが伝われば幸いです。
こんな小さなお店を見つけて、素敵なご縁をくださったご担当者様には深く感謝申し上げます。ここまでお読みくださり、どうもありがとうございました。
褻mono店主
埼玉県日高市高萩43-7
営業日:各月第2・第4週の月~日曜日
営業時間:10:00~16:00
オンラインショップ:https://kemono.base.shop/
Instagram:@kemono_insta
X:@kemono_tw
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