世界でも類いまれなニットテキスタイルの開発技術を持つ創業73 年のニットメーカー「米富繊維」へ【金子敦子さんと探す、ニッポンのイイモノ Vol.9 後編】
この連載では、日本のさまざまな産地で職人さんによって丁寧に実直に作られてきた素敵なモノを知ってほしい! 高い品質の伝統生地や工芸品の素晴らしさや作り手のことを、もっと皆さんにお伝えしたい! そんな金子さんの熱い思いを、発売中の『新 大人の普段着<春夏編>金子敦子さんが愛用しているニッポンのイイモノ』と『新 大人の普段着<秋冬編>金子敦子さんが愛用しているウールのイイモノ』より一部抜粋してお届けします。
“21世紀最高のアランセーター”を
現代に合わせて復刻

アイルランドの西にあるアラン諸島発祥のアランセーター。母親が12歳を祝って息子の晴れ着として編んだのが始まりで、アラン島では100年以上たった今も編み続けられています。「セーターとは何か?」を問い直し、世代や性別を超えて愛される普遍的なセーターを作る「THISISASWEATER.」。第一弾となった“究極の「ふつうの」セーター”に続く第二弾はアランセーター。「アラン諸島最高のハンドニッター」と呼ばれるモーリン・ニ・ドゥンネルさんが遺した“21世紀最高のアランセーター”がもとと聞いて、興味をかき立てられました。
監修を担当したのは日本にアランセーターを広めた第一人者である野沢弥一郎さん。モーリンさんが持てる技と情熱を注ぎ込み、野沢さんに贈った特別な一枚を見本にしてアランセーターづくりがスタート。左右非対称、20種類の異なる編み柄で構成されたハンドニット。機械での再現は想像以上に困難で、職人の平澤さんが試行錯誤を重ね、完成までに1年以上かかったそう。機械でも、普通のニットは1時間弱かかるところ、アランセーターは8時間と聞いてびっくり。

社長の大江さんが重視したのは、近年の暖冬に合うように「半袖Tシャツの上に着てもチクチクしないこと」。糸は英国羊毛にふくらみのある太さ違いの2種のウルグアイウールをブレンド。伝統的な手編みのアランニット特有の粗野な風合いを持ちつつ、今の生活に調和する一枚に。
立体感のある美しい編み柄と本場に引けを取らない迫力。以前、着ていた古着のアランセーターとは段違いのやわらかさ。その成り立ちを思い、関わった方たちがつないできた愛を感じて、胸がいっぱいになりました。

「COOHEM」の裏テーマが“ふつうのセーターを作らない=ディスイズノットアセーター”。「THISISASWEATER.」は対照的なブランドとしてスタート。上は第一弾の天竺編みのセーター。

「THISISASWEATER.」は1年に1型ずつ発売し、廃番になることなく展開が続く。次回は2026年春にコットンニットを発売予定。
photo:黒川ひろみ
text:増田綾子
新 大人の普段着<秋冬編>
金子敦子さんが愛用している
ウールのイイモノ
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新 大人の普段着<春夏編>
金子敦子さんが愛用している
ニッポンのイイモノ

山形県東村山郡山辺町大字山辺1136
TEL:023-664-8165
https://www.yonetomistore.jp/
Profile
金子敦子
夫と娘と3人暮らしの主婦。50 歳を過ぎてから、ブログ「命短し恋せよ乙女★ 50 代の毎日コーデ」で着こなしを紹介すると、あっこたんの愛称で親しまれる人気ブロガーに。インスタグラム(@55akotan)で発信する日々の着こなしや暮らし方が人気を集め、ブランドとのコラボ服制作も手がける。『新 大人の普段着〈春夏編〉金子敦子さんが愛用しているニッポンのイイモノ』(主婦と生活社) など普段着のおしゃれを提案する著書多数。
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。
































