「完熟生せっけん」が生まれる里山とミツバチから教わったこと【一田憲子さんエッセイ#01】

sponsored【一田憲子さんエッセイ】
2026.09.07

山梨県への移住をきっかけに、自然との共生についてより深く考えるようになったという『暮らしのおへそ』編集ディレクターの一田憲子さん。

「完熟はちみつ *1」から作られるという天然由来成分100%の「完熟生せっけん」の存在を知り、その農園と工場を訪ねることに。

ミツバチたちから教えられたという大きな気づきと学びは、どのようなことだったのでしょう? 全3回に渡り、一田さんのエッセイをお届けします。

 



ひとつの石けんに導かれて
岡山県北部の「山田養蜂場」を
訪ねました



羽田空港から岡山空港に飛び、そこから車で1時間ほど。岡山県北部、鏡野町にある「山田養蜂場」が営む「山田みつばち農園」を訪ねました。

ハチミツやローヤルゼリー、プロポリスなどの健康食品、自然派化粧品などの販売を手がける農園です。

というのも、ハチミツから生まれたスキンケアがある……と教えてもらったから。
石けんやクレンジングオイルジェルなど。
ハチミツから作ると、どんないいことがあるのでしょう? 

「現地にはね、ミツバチの生態にくわしいミツバチ王子がいるんですよ」と聞いて興味津々! さっそく出かけていったというわけです。

 




巣箱を開けて、巣蜜を実際に見たのも初めて! 1滴1滴がミツバチたちの健気な働きの賜物。


「もし、地上からハチたちがいなくなったら、今当たり前に食べている野菜や果物が食べられなくなってしまうかもしれません」と聞いて驚きました。

え? ミツバチって、そんなに私たちの生命と関係あるの? 
どうして、生きることができなくなるの?
と、頭の中にはてなマークが飛びました。

実は私はつい最近、東京から山梨県の自然豊かな土地に引っ越したばかりです。
管理会社の人に言われたのは、「ハチが巣を作っていないかよく確認してください。巣を見つけたら、早いうちに撤去してくださいね」ということでした。

室内からすぐ外に出られるデッキに椅子を並べ、座ってコーヒーを飲んでいると、ブイ〜ンという羽音が……。

「あ、ハチ!」
私はハチをやっかいな敵だと思っていたのです。
なのに……。
ミツバチがいなくなったら人間が生きていけないなんて……。

 


 


黄金色に輝く美しい石けんをいただきました。
滑らかな石けんの上には、「apiterrapi」の文字。
「api」はミツバチ、「terra」は大地という意味なのだと言います。

アカシアやマヌカなどのハチミツ *1 を使った石けんやクレンジングオイルジェルを製造していたのが、この農園の近くにある工場でした。

これでメイクを落とし、顔を洗うということは、ミツバチたちが集めたハチミツを使うということ?
石けんの裏側には、どんな世界がつながっているのか……。
その秘密を探るため、お話を伺いました。



いちごひとつも、
人間だけが作っているわけじゃない。
ミツバチの力を知った日



「山田みつばち農園」で、いよいよ「ミツバチ王子」入口幸太郎さんとご対面!
養蜂の現場にご案内いただきました。

まず立ち寄ったのが、すでに収穫が終わったいちごのハウスでした。

「みなさんが普段食べているいちごも、ほとんどがミツバチのおかげで実っているんです。
いちごの花が咲き、その花の中心にある雌しべに花粉が届かなければ実はなりません。

ミツバチは花の蜜を集めるために、花の中へ入り、くるくると回りながら、まんべんなく花粉を運んでくれます。
これは人間にはできない仕事です。
だからミツバチがいなくなると、いちごはほとんど実らなくなるんです。

でもね、実はいちごの花には蜜は本当にちょっとしかないんです。
わずかな蜜を集めながら、ミツバチたちは働きますが、それだけでは十分な栄養を摂ることができないんですよ」

そんなお話を聞くと、ミツバチが健気で、なんだか胸が締め付けられます。



いちごの収穫が終わったばかりのハウス。取材の少し前には、たくさんの品種のいちごが実っていたそう。


続けてミツバチ王子はこんな話をしてくれました。

「地球上の作物の多くは、昆虫による受粉に支えられています。
特にミツバチは、その中でも非常に大きな役割を担っています。
『もしハチたちがいなくなれば、人類は数年で食糧不足になる』と聞いたことがあるかもしれません。
それほどまでに、ミツバチは私たちの暮らしを支えている存在なんです。

だから、私たちはいちごを育てているだけでなく、『食べ物は人間だけが作っているわけではない』ということを知っていただく場として、この施設を活用しています。
養蜂体験や採蜜体験、子ども向けのミツバチ教室なども、そのために行っています」

なるほど……と深く納得。
「食べ物は人間だけが作っているわけではない」
この言葉は、きっと農作物だけに限らないはず。
私たちは、いかに自分の力を磨き、それを生かし、成果を出すかにやっきになって、頑張れば頑張るほど「私がやったこと」を評価してほしいと望みます。
でも……。

もしかしたら、そんな私の力でやり遂げたことなんて、ほんのわずかなのかもしれない。
大きな自然の営みの中で、自分がいかにちっぽけかを知る……。
もしかしてそれを教えてくれているのが、あの健気な働きバチたちなのかもしれない、と思えてきました。


 

いよいよ養蜂場に。
巣箱の中に見たミツバチたちの社会


養蜂場には、巣箱がたくさん並んで。ひとつの箱にミツバチがなんと1万4千匹!


さあ、いよいよ巣箱を見せていただくことになりました。
燻煙器の中で麻布を燃やし、その煙を巣箱の中へ。

「ミツバチは、もともと森の中で暮らしていた生き物です。
煙を感じると、『山火事かもしれない』と思うんですね。
そして、巣を出て避難しなければと考え、ハチミツを食べるので動きが鈍くなるのです」
と教えてくださいました。


燻煙器で煙をやさしくかけ、ミツバチたちがおとなしくなるのを待つ。


こうして、巣箱のミツバチが落ち着いたら、ゆっくりと巣箱の蓋を開けます。
中には、ミツバチたちがぎっしり!

「この巣箱には、およそ1万4千匹のミツバチがいます。
その中で女王バチはたった1匹です。そして1日1500〜2000個の卵を産みます。
そのほかの働きバチは、みんな同じ女王バチから生まれたんですよ。
女王バチの寿命は3〜5年。長いものでは8年ほど生きることもあります。
一方働きバチの寿命は約40日。その間、女王バチとその子供のために蜜を集め続けます。

でも、実はミツバチが一生かけて集めて作られるハチミツは、1匹あたり約4グラム、ティースプーン1杯ぐらいと言われています。
この巣箱の中の巣蜜は約2キログラムありますから、本当にたくさんのミツバチたちが集めた命の結晶です。そう考えると1滴も無駄にはできませんよね」


ミツバチがぎっしりの巣を手渡されて恐々!



ひゃ〜、こわい〜と言いながら、なんだか嬉しい体験。



白い蜜ぶたをナイフで削り取ると、とろ〜りとハチミツが流れ出る。


そう言いながら、ミツバチ王子は、蜜の上を覆っていた白い蜜ぶたを大きなナイフで切り取って、黄金色の巣蜜を見せてくれました。

「ミツバチは花から蜜を集めると、一度体内に取り込みます。
巣へ戻ると、仲間のミツバチへ口移しで蜜を受け渡します。
若い働きバチは、巣の中で子育てや掃除などを担当し、成長すると外へ飛び立ち、蜜や花粉を集める役目を担います。

実は、集めてきた蜜は、最初は糖度が30~40%ほどしかありません。
そこでミツバチは羽を動かし続け、風を送り、水分を少しずつ飛ばします。
時間をかけて糖度を高め、80%になったら最後に蜜ぶたをして保存します。
この蜜ぶたがされた状態こそが『完熟はちみつ』です。

手軽な値段を求めて、完熟していないハチミツを人工的に加熱処理し水分を飛ばしたり、安価なシュガーシロップにハチミツを混ぜたものが市場に出回る問題も起きています。
でも、それでは香りや風味、ビタミン、ミネラルなど、本来の魅力が失われてしまうんです。

山田養蜂場では、ミツバチたちが一生懸命作ってくれた『完熟はちみつ』を、自然のまま、その栄養価を活かすために厳格な温度管理もしています」


この日、女王バチの交代のために分蜂を始めたミツバチたちを目撃。


集めた蜜を、自身の羽ばたきでパタパタとあおぎ、水分を飛ばして……。
今、私の目の前にある黄金色のとろりとしたハチミツになるまで、いったいどれほどの時間がかかったのでしょう!
その果てしなさを想像して、ため息が出ました。

しかも、1匹の働きバチが一生の間に生み出せるハチミツの量はたったティースプーン1杯だなんて。
ミツバチの世界で起こっていたことは、タイパやコスパなんていう言葉が吹き飛んでしまうほどの時間と手間をかけた作業でした。

私が毎日を過ごしている同じ時間に、わずかな蜜を巣箱まで持ち帰るミツバチがいる。
そして、羽根を使って一生懸命水分を飛ばしているミツバチがいる。
そんな事実を知ってから、黄金色の巣蜜を見つめると、地球上のとてつもない宝物を見せてもらった気がしました。



今まで知らなかった
地球のこと、自然のことを学びに


「山田みつばち農園」には、養蜂場のほかに、ヤギや羊、うさぎなどを飼っている動物エリア、ブルーベリーやいちごなどの農園エリア、お花畑、ショップやセミナールームなどがあります。

今度はこの農園の外に出て、周りに広がる里山を歩きながら、「地球」というもうひとまわり大きな視野でお話を伺う「自然塾」にも参加させていただきました。



「自然塾」で地球の物語をドラマチックに語ってくれたインストラクターの樋上進さん。


実は、私は学生の頃から「生物」や「地理」が苦手でした。
本が好きで、物語が好きで、ページを繰りながら妄想を膨らませ、インテリアが好きで、自宅のキッチンや食卓やリビングを整えることにしか興味がありませんでした。

でも……。
今回、青い空の下、風を感じ、草の匂いを嗅ぎ、五感で自然を感じながら、ドラマチックな地球や生物の誕生について話を聞くツアーの楽しかったこと!

インストラクターの方のお話が素晴らしく上手で、思わず引き込まれて聞き入ってしまいました。
そして、これまであまり興味がなかった「地球」や「自然」のことを、じっくり考える入り口を教えてもらった気がします。

それはこんなお話でした。

「地球が誕生したのは今から46億年前です。
大規模な火山活動で、大量の火山灰が地球全体を覆い、太陽光が届かなくなって、植物が枯れてしまった時期もありました。
植物が枯れると酸素も減少し、多くの生物が絶滅しました。
それでも生き残った生き物たちが新たな環境に適応し、再び命をつないできました。
今日、これほど多くの生き物が地球上に暮らしているのは、その長い歴史の積み重ねがあったからです。

ひとつの生き物だけでは生態系は成り立ちません。
植物があり、昆虫がいて、鳥や動物がいて、微生物がいる。
それぞれが役割を持ち、お互いにつながりながら生きています。
私たち人間も、その大きなつながりの中の一員です。

ミツバチも、その大切な仲間のひとつです。
だからこそ、ミツバチだけを守ればいいのではなく、生き物全体が暮らせる環境を守ることが重要です。
それが『生物多様性』という考え方です。
私たちの暮らしは、多くの命に支えられています。
今日、養蜂場をご覧いただいたことをきっかけに、そのことを少しでも感じていただけたら嬉しいです」



生きものはみんな、
互いに生かし合っている


この中で心に響いたのが、
「私たちも、その大きなつながりの一員です」
という言葉でした。

植物、昆虫、鳥、動物、微生物……。
私って、そんな地球の一員なんだ……。
当たり前のことなのに、それを改めて教えてもらった時、なんだかとても幸せな気持ちになりました。

普段、暮らしていると、私たちは「人間界」でのメガネでしか世界を見ないけれど、「地球」という視野で見つめてみた時、すぐそばに生えている木も、足元の草花も、そしてミツバチもみんなが仲間になる……。

生態学の言葉で、異なる生き物同士が互いに利益をもたらし合い、ともに豊かに生きる関係を「相利共生」ということも教えていただきました。

いつもの毎日に、この「相利共生」という視点を加えてみれば、もしかしたら明日からのものの見方が変わるかもしれない……。
新たにまったく新しいモノサシを手に入れたようで、ワクワクと嬉しくなったのでした。



この日、柵を飛び越えて脱走したヤギに遭遇。



「山田みつばち農園」のショップ内では、ハチミツやお菓子を購入できる。



スキンケアで、
「自然の一部」に仲間入り


そして、ミツバチたちが羽根でパタパタとあおいで作ったあの「完熟はちみつ *1」から生まれたのが、「apiterrapi(アピテラピ)」のスキンケアでした。

「自然によいことは人にもよいこと」をコンセプトに作られた、完熟生せっけん、クレンジングオイルジェル、ピュアオイルセラムの3点。

 


左から「クレンジングオイルジェル」4,180円、「完熟生せっけん」3,630円、「オイルセラム<25mL>」6,930円


「落とす」「素に戻す」「補完する」という循環を作り、肌が本来もっている、自らの力で潤いが巡るすこやかな肌をキープできるのだとか。

外から不自然なものを「与える」ことで過度にケアするのではなく、不要なものだけを取り除き、本来の力をサポートしてくれます。

普段、私たちが使うものを選ぶ時にも、「自然の一部」であることを思い出したいもの。
石けんを泡立てて顔にのせれば、あのミツバチの羽音が聞こえてきそうです。

 


 

さて、このお話の続きは、来月お届けする予定です。
今回の取材で「自分たちも自然の一部」になれることを知り、心打たれた一田さん。このあと、農園と同じ町内にある工場で、「完熟はちみつ *1」を原料とした「完熟生せっけん」の製造工程を見学させていただくことに。そこでも気づきや感動がたくさん。公開まで楽しみにお待ちくださいね。
この取材の様子は、『暮らしのおへそ』vol.42 でもご紹介しています。

 

*1  保湿成分


text:一田憲子 photo:中川正子

お問い合わせ

公式サイト:apiterrapi(アピテラピ)
Instagram:@apiterrapi

 

 

*初めてご購入の方には、クレンジングオイルと完熟生せっけんのお得なキットも発売中。

【ご購入はこちらから】

Profile

一田憲子

Noriko Ichida

編集プロダクションを経てフリーライターに。2006年、企画から編集、執筆までを手がける『暮らしのおへそ』を、2011年『大人になったら、着たい服』(ともに主婦と生活社)を立ち上げる。2016年からは自身のWEBサイト「外の音、内の香」を運営。
Instagram:@ichidanoriko2024

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『暮らしのおへそ』『大人になったら、着たい服』などのムックや書籍を制作する編集部が運営しています。

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