なんだかすごく欲しい(odnu)
〜「en-shouten」より〜 vol.28
20代の頃から、手編みのセーターに憧れがありました。
ひとつひとつ手で編まれたニットの、素朴な表情や温かみ。いつか自分のものとして迎えたいと思いながらも、決して気軽に買えるものではなく、なかなか手にする機会がありませんでした。

もともとベーシックな服が好きで、流行に左右されず、長く着られるものを選びたいと思っています。だからこそ、長く着たいと思うものほど、慎重に選びたい。
一見シンプルなセーターでも、身幅や着丈、袖のボリュームといった細かな違いで、着たときの印象は大きく変わります。飽きずに長く着られる一枚を見つけるのは、思っている以上に難しいものです。

そんな中、展示会で出会ったのが〈odnu〉のセーターでした。月のはじめにご紹介したCUPLAと同じ、佐藤奈央さんのブランドです。
過度な装飾はなく、ベーシックな佇まい。包み込むような柔らかなシルエット。それでいて、切り返しやリブなど細部へのこだわりがアクセントになっています。

何より、一目見たときに伝わってきたのが手編みならではの美しさでした。
編み目のわずかな揺れや、糸の太さが生み出す表情。均一に整えられたものとは違う、手仕事ならではの素朴さがあります。
odnuのニットは、主にネパールとインドの女性たちによって編まれています。日本では衰退しつつある手編みという仕事が、ヒマラヤ山脈の麓の寒さ厳しい土地では、今も受け継がれているのだそう。1枚を編むのに、約2週間かかるのだといいます。

お店でも、ニットそのものの魅力に見入ってくださる方が少なくありません。
以前、よく来てくださる40代の男性のお客様が、セーターを眺めながら「これがすごくきれいで、いいものだっていうのはわかる。俺はサイズ的にも着られないけど、なんだかすごく欲しい」とおっしゃっていました。その言葉が、今でも印象に残っています。

わたしも一昨年、遂にodnuのセーターを手に入れました。
実際に日々着てみると、思っていた以上に暖かく、つい手が伸びてしまいます。手編みは機械編みよりも空気を含むため暖かいと聞いていましたが、着てみてそのことを実感しました。
子育て中はどうしても服が汚れやすいので、あまり着る機会がないのでは……と心配していたのですが、今では思っていた以上に日常の中で活躍しています。
ときどきブラシをかける手入れの時間も楽しみになるくらい、愛着のある一枚。泥汚れがつきそうなときはさすがに避けますが、必要以上に気負わずに着るようにしています。お洗濯は中性洗剤で優しく押し洗いをするか、ドライクリーニングで。手入れをしながら、穴が空いたらダーニングをして。これからも日常の衣類として、大切に着ていきたいと思っています。

2023年からお取り扱いしている〈odnu〉。今季の入荷からも、少しご紹介させてください。
odnuには珍しく模様の入ったニット。荷解きしながら、かわいい!と声が出ました。シンプルなワンピースにも合いそうだし、重ね着してもよさそう。去年人気だったバッグも新作が入荷しました。モノトーンの格子柄が目を惹く巾着バッグや、ひとつずつ表情の違うキーチャーム。シンプルながら洗練された雰囲気のニット帽は男女問わずおすすめです。
衣類はウール100%のものが中心。手作業でつくられているため、サイズや形は1枚ずつ少しずつ異なります。

長く着たいと思えるベーシックさと、手仕事だからこそ生まれる、ほかにはない表情。手編みならではの豊かな質感を、ぜひ実際に手に取ってご覧いただけたらと思います。
(文・井尾)
odnu | en-shouten ONLINE
長野県木曽郡木曽町福島8101
TEL : 0264-24-0875
営業日/時間:Instagramを確認
https://en-shouten.com
Instagram : @en_shouten
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