桐生編vol.1 森の中に静かに佇むカフェレストラン「NILS(ニルス)」
~「リップル洋品店」岩野久美子さん~
はじめまして。群馬県桐生市で服づくりをして「リップル洋品店」というブランドを運営しております岩野久美子です。わたしが生まれ育ち、今も暮らす街を8月の4週にわたって紹介させていただきます。
桐生市は織都と言われ、1300年の織物の歴史をもつ古い小さな街です。かつては大名行列があったほど織物で繁栄し、街が賑わっていた光景を歴史書で目にしたことがあります。その名残もあり、老舗のうなぎ屋や寿司屋、割烹、フランス料理店などが多く残り、今でも食通たちの舌を唸らせています。
そんな美味しいお店たちの中からまずは一軒。桐生市梅田町にあるカフェレストラン「NILS(ニルス)」。オープンから15年、市内はもちろん、市外県外からも足を運ぶ方たちで賑わう人気店です。
小さな里山と蛍が飛び交う清流に囲まれた静かな森に佇むその姿は、どこか異国の地を彷彿とさせる景観です。
洗練されたエントランスをくぐり抜けると、料理の美味しそうな香りで満たされる店内。窓からの美しい自然光が、より空間を引き立てます。美しい緑を眺めながらの食事は、とても有意義な時間です。
料理はこだわりぬいた食材を使い、丁寧に調理されテーブルに運ばれてきます。毎回、何を頼むか真剣に悩むほど、どれもとても美味しいのですが、季節の野菜を使ったパスタやその日のおすすめパスタなど、四季折々の旬を楽しむことができるメニューがあるのも「NILS」が長年愛され続ける理由だと思います。
ゆったりと座れる店内。事前予約でパーティなども開くことができます。きっとかけがえのない時間を過ごすことができますね。
そして、そして……本当は内緒にしておきたいのですが、おすすめはディナータイム。居心地のいいカフェとして知られる「NILS」ですが、夜の時間帯もとてもいいのです。より静かでおだやかな空気が流れ、家族の時間をゆっくり楽しむのにぴったり。
日常から解放され小旅行へ出かけたような、絵本の世界に入り込んだような……そんな時間が流れてゆきます。
「NILS」は姉弟家族で営んでいるレストラン。自然に調和する美しい佇まいの建物は、お祖母様の代まで使っていた織物工場を改装して作ったそうです。
家族が笑い合った記憶をたっぷりと吸い込んだスペースを再生し大切に使い、健やかに柔らかに繰り返される日常から料理が生み出される……いつもお店を後にする時に感じるこの幸せな感覚は、そんな家族の、日々を大切に想う気持ちのお裾分けなのかもしれませんね。
美味しい料理と、あたたかな時間をいただけるお店「NILS」。桐生へお越しの際は是非、訪ねてみてくださいね。
次週は酵母から手作りしている絶品パン屋さんと、パンを片手にフラリと寄りたいノスタルジックな遊園地をご紹介させていただきます!
→その他の【桐生編】はこちらから
←連載「地元おしゃれさんが 案内する 小さな旅」はこちらから
【神戸編】 【大阪編】 【京都編】 【名古屋編】 【弘前編】 【福岡編】 【愛媛編】 【那須編】 【香川編】 【熊本編】 【岡山編】 【高知編】 【倉敷編】 【沖縄編】 【徳島編】
MAP:Ⓐ
群馬県桐生市梅田町3-127
TEL:0277-32-0608
営業時間:11:30~16:00、18:00~21:00
定休日:火曜
http://www.nils-umeda.com/
Profile
岩野久美子
生まれ育った群馬県桐生市で「リップル洋品店」を営む。服はすべて草木染によるもので、1点ずつ色合いが違う。染色はご主人、自身はデザインを担当する。
https://www.ripple-garden.com/
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。