栄養とおいしさを引き出した「たこのごまあえ」
浜内千波さん「浜内千波 調理の新常識」よりVol.5
夏らしい日が続いていますね。すでに夏バテ気味の人や、暑さでキッチンに立つのも辛いという人も多いのではないでしょうか? そんな中、せっかく作った料理が実は、栄養がほとんど抜けてしまっているとしたら? 手間を省いて、もっと美味しく作れるとしたら? ちょっとびっくりしてしまいますよね。
今回、ご登場いただくのは、テレビ番組やCM、雑誌でも活躍中の料理研究家・浜内千波さん。メーカーへのレシピ提供や商品開発、さらに受講3年待ちという人気の料理教室を主宰しています。
40年にわたり、家庭料理を研究してきた浜内さんが提案してくれたのは、いままで常識と思われてきた調理の工程を覆した〝新常識〟です。
「私はもともと研究することが大好きで、当たり前とされてきたことが、本当のところどうなのかしら、と思い始めたらじっとしていられず、徹底的に調べてみたり、実験を繰り返してみたり……。そうするうちに、調理科学の進歩や流通している食材の変化から、いままで常識と思われてきたことにも、誤りがあることがわかってきました。そして、常識にとらわれていたら、体にいいもの、美味しいものを捨てることになってしまうことに気づきました。といっても、難しい工程はひとつもありません。むしろ手間が省けることばかり。ぜひ、日々の食事作りにお役立てください。」
5回目の今日は、ごまにまつわる新常識です。
ごまはすらねば吸収できない!
栄養豊富なごまは、毎日の食事にたっぷりと取り入れたい食材のひとつ。しかし、そのまま食べるだけでは、そのパワーを得ることはできません。ごまは皮が硬く、消化吸収が難しいというのがその理由。つまり、ごまを食べるなら、皮ごとすりつぶした「すりごま」にすることが大切なのです。
すりごまとして売っているものを使えば手軽ですが、ごまは脂肪が主成分なので、酸化しやすいのがたまにキズ。香りもどんどん落ちていきます。なるべく使う分だけそのつどすって使うのが一番。栄養はバッチリ、風味も香りも抜群、と一石二鳥です。
たこのごまあえ
【材料 (2人分)】
ゆでだこの足…50g
きゅうり…1本
塩…少々
A・白すりごま…大さじ2
・みそ…大さじ1/2
・砂糖・酢…各小さじ1
【作り方】
1 きゅうりは薄い小口切りにして塩をまぶし、しんなりしたら水けを絞る。たこはそぎ切りにする。Aは合わせておく。
2 1のきゅうりとたこをAであえる。
いかがでしたか? 調理の新常識にまつわる特集は今日で最終回です。今回紹介したもののほかにも、ハンバーグを極ウマジューシーに仕上げるコツや、冷凍肉をおいしく解凍するワザなど、目からウロコの新常識がたくさん。気になる方はぜひ、書籍を手に取ってみてくださいね。
PHOTO:廣瀬靖士
Profile
浜内千波(料理研究家)
ファミリークッキングスクールを主宰。和風から洋風・中華・エスニック・お菓子までこなすアイデア豊富な料理研究家。特に、基本を押さえつつ、料理をもっと手軽においしく作るワザには定評がある。雑誌や書籍のほか、講演、企業のメニュー開発などで多忙の日々。著書に『二菜ごはん』『生クリームだからおいしい! ふんわり、しっとりケーキ』(ともに主婦と生活社)、『朝に効くスープ 夜に効くスープ』(日本文芸社)など多数。
http://www.chinamisan.com/
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