「プレコート」~おしゃれ暦vol.43霜月
『ナチュリラ』本誌でも、季節ごとのリアルクローズとそのおしゃれな着こなし方を提案してくださっている人気セレクトショップ「アナベル」。店主の伊佐さんによる、季節のおしゃれエッセイ、第43回目です。いよいよ11月に入って今年もあと2か月! 確実に秋は深まっているけれど、日中はまだ暖かい日も多いので、コートを着るか着ないか迷う日も多いのがこの時季。まずはトップスをあったか素材に変えてみて、寒くなったらはおったり巻けたりするストールをバッグにしのばせて。そうして、ショーウィンドウや街行く人を見ながら、もうすぐまとうコートに思いを馳せるのも楽しいものです。
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photo:川本浩太 text:伊佐洋平 model:伊佐奈々
先月末、通年よりかなり遅れて富士山の初冠雪が告げられた。
何となく、秋の温かさを引きずったままの立冬です。
気温によっては、ウールのコートに手が伸びそうですが、
まだ何か「もったいない」という、変な感情が働くのも正直なところ。
白いパンツで明るさを出しながら、
ヤクの暖かさに身を包み、その上から羊の毛を羽織る。
まだコートを必要としない日も多いのがこの季節。
いつも悩ましい声をいただく季節。
季節感を意識するという意味で、
よほどの暑がりサンは別にして、コットンを遠ざけて、
毛のものをまずは着てみるといい。
軽いヤクのセーターは、タンクトップの上からでも心地いい。
日が暮れて、空っ風が吹いてくる。
急に冬らしさが顔を見せる。
手で持てるような少し厚地のショールを持ち歩いてもいい季節。
体を覆い隠したり、軽く羽織ったり、使い方で印象も変わる。
布の重なりが見えて、なんだかおしゃれにも見えて好都合。
スタイリングで最も重要なのは、実は色合わせでも
バランスでもなく、シルエットでもない。と、僕は考える。
視覚的に表現するのは難しいけれど、
どう着たいかのイメージを作る練習が必要なのだと思う。
今回はヒールを履いているけれど、人によっては“ビルケン”の
サンダルが合わせたい!そういう人もいるでしょう。
では、洋服はそのままで、ニット帽をかぶって、
ショールをざっくりチェック柄に変えて、
カバンは布のショルダーにしてみては?
イメージがあることで、モノを見る目が変わってくるから面白い。
逆に、イメージと違う見せ方をしているけど、「これは私ならこう着る。」
そんな風に考えるのも面白い。
20年くらい前、僕は常に雑誌をそういう目で見ていたような気がする。
コートを着る少し前の季節。
そんなことを考えながら秋の雑誌を見るのも面白い。
イメージによって、欲しいコートは少し変わってくるかもしれない。
プレコートの今の時期、冬支度には重要な季節だったりする。
パンツ:TRAVAIL MANUELコットンパンツ ¥13,000+tax
セーター:FACTORY ヤクVネック ¥16,000+tax
カーディガン:evam eva ¥25,000+tax
靴:AUTTAA 私物 ※来春2月より取扱予定
カバン:sono ヨコ型 ¥12,000+tax ※12月ごろ再入荷予定
ショール:ARTEPOVERA ¥14,000+tax
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