「TEMPO DROP(テンポドロップ)」で、日常にささやかな癒しを
~ HOEK(フーク)より vol.6 ~
そのドロップ型の美しいガラスに閉じ込められた無色透明の液体は、天候の変化に応じて様々な表情の結晶を生み出します。見ているものの心を癒すその幻想的な様子は、静寂な時をも感じさせてくれます。
この「Perrocaliente(ペロカリエンテ)」の「TEMPO DROP(テンポドロップ)」というオブジェは、19世紀にヨーロッパの航海士などの間で天候を予測することに利用されていた、“ストームグラス(天気管)”というものが原型になっています。
中身は樟脳(クスノキのエキス)や硝酸カリウム、エタノールなどを溶かした液体。その液体が天候により様々な結晶を生み出すことで、当時は天候を予知したり、雷雨がやってくる方向を読み取ることができると考えられていました。
進化論を唱えたチャールズ・ダーウィンが乗船したビーグル号や、ジュール・ヴェルヌの小説「海底二万里」に登場する潜水艦ノーチラス号にも搭載されていたのだそうです。
しかしながら、結晶化現象については謎が多いのも事実。大気の温度や湿度、気圧、大気電気学的な影響等によって、溶解度や結晶形状が変化するためと考えられていますが、根本的な原因は未だに研究途上だといいます。なんだかミステリアスですよね。
というわけで、現在では予測器としての実用は難しいようですが、季節によって景色が変わるように、日々変化する結晶の様子を楽しめるオブジェとして親しまれているのです。結晶が成長したり、崩壊したり、浮遊したり。日々変化するその自然現象は、まるでアートのよう。
サイズは2種類。大きいサイズのオブジェは底が球体になっており、自立するための木製の台が付属します。ミニサイズのオブジェはガラスの底がフラットで、そのまま自立するデザインになっています(ミニサイズには台は付属しません)。大きいほうは窓辺やキッチンカウンター、玄関に、小さいほうはデスクや枕元のキャビネットなどに、と幅広く取り込めるのも嬉しいところです。
「テンポドロップ」の結晶は、天候や季節により以下のように表情が変化します。
晴れ:中の固形物が完全に沈み、液体が澄み切ります。
雨:透明の液体の中に、たくさんの小さな星のような結晶が浮遊します。
嵐:高い位置まで、大きな葉のような結晶が現れます。
夏、天気がよく暑くなる時:沈殿物は低い位置で留まり、液体が澄み切ります。
冬、降雪で寒くなる時:液体が白濁し、高い位置まで沈殿物が積もり、小さな星のような結晶が浮遊します。
風や嵐が接近している時:接近してくる方向の反対側の面に沈殿ができます。
自然の摂理によって生み出される様々な美しい結晶現象。ご紹介したこの「ペロカリエンテ」の「テンポドロップ」は、シンプルで無駄のないデザインですので、インテリアのテイストも選びません。
日頃から、ふとした瞬間に眺めることができ、変化を楽しむことのできるオブジェって素敵じゃないですか? 息が詰まったり、ちょっと疲れたりしたりした時も、ふと眺めるだけで不思議に気持ちをほぐしてくれますよ。
寒い冬の朝に窓辺に置いた「テンポドロップ」はまた格別で、ガラスいっぱいに浮遊する結晶に光が差し込み、美しい姿を見せてくれます。静かな音楽、暖かい白湯、心地よいアロマの香りなど、是非ご自身のお好きなスタイルと合わせてこの癒しのアートを楽しんでいただければと思います。心が洗われるひとときを日常に。お薦めです。
また、説明書も付属していますので、どんな物なのかが分かりやすく、ボックスも素敵なので、結婚祝いや引越祝い、誕生日プレゼントなどにもとてもおすすめです。
ヴィンテージ、プロダクトデザイン、ハンドクラフトなど様々な分野から、食器、インテリア雑貨、日用品、オブジェ、キッズアイテム、ファッションなどジャンルレスに紹介。「今日のひとしな」の執筆は、主に大井美代さん。ときどき大井智史さんも登場。
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