ビニールの風呂敷のようなカードケース「フロシキシキ」
~ HOEK(フーク)より vol.13 ~
本日の「今日のひとしな」は、“時々登場”の店主・大井智史が担当します。よろしくお願いします。
さて、それは前職で「ミナ ペルホネン」の皆さんと、とあるプロジェクトでお仕事をご一緒させていただいた時のことでした。複数のスタッフさんとの「はじめまして」の名刺交換の際、次々に色のついた透明なケースから名刺が出てきたのです。
柔らかいビニール素材でできているそのケースは、蛍光ピンクや蛍光イエロー、透き通ったブルーにグリーンとそれぞれに持っている色も様々。ある意味チープな素材ですが、シンプルにビニール素材だけで作られたそのケースに、非常に興味が湧きました。
その名は「フロシキシキ」。日本の風呂敷からきているネーミングで、その名の通り、ビニールの中央に名刺を置き、ただ折って包む仕様です。ビニールとビニールを合わせたときにくっつく性質を生かしたプロダクト。枚数(厚さ)に合わせて折ることができるので、少量から結構な量までジャストに収納が可能です。中身に合わせて包むという所作は、まさに風呂敷と同じですね。
汚れたらささっと水洗いもできるので、気兼ねなく使えますし、洗うことでビニールの粘着性も復活します。
ここで、我が家のカード入れ事情の小話です。
カードケースというと、レザーの商品が多いですよね。高級感もありますし、どんどんと味わいが増していくよさもあります。当店でも、レザー素材のものもご紹介させていただいておりますが、ただ、レザーだとカードを入れすぎると伸びてしまうという欠点が。ビニール素材に比べると、傷も付きやすいですし、価格も高価ですから丁寧に扱わなければなりません。
私たち夫婦は現在、どちらもレザー素材のお財布を使っていますが、妻はそこにカードをどんどん差し込み使っていました。会員カードやクレジットカード、ポイントカードに病院の診察券。そうすると、当たり前ですが革だと伸びてしまうんですね。一旦そうなってしまうと、その後整理して少なくしたところで、今度はカードが落ちやすくなってしまうんです。私は、その財布を見るたびに、「カード減らしたら……」と言っていましたが、妻曰く、カード詰め詰めだった時の丸々としたフォルムに愛着を持っているらしく(笑)、結局それはそれでいいとのこと。
ただ、この「フロシキシキ」を知ってからは、そこに入れなくてもいい二軍のカード類をまとめたり、名刺入れに便利だと気に入って使っているようです。
私は仕事柄、パソコンや充電器、カメラなどバッグの中に入れる荷物が多いほうなのですが、レザー素材のケースをそのまま入れていると傷がつきやすいのに対して、こちらのビニール素材はラフに使っても全く問題ないのもいいところです。
使い勝手もよく、ラフに使えて中身もしっかり保護されるこの「フロシキシキ」。カラーリングも綺麗ですし、中身が透けて見えるのも便利な要素です。素材使いの意外性と、無駄なデザインがされていないミニマルデザインも素敵です。その上、ビニールですから価格もプチプライスなんですね。総合的にとてもよい商品だと思います。
デザインはオランダの「サミラ・ブーン」。アムステルダムと東京を拠点にし、「Enjoy the unexpectedness of life!(人生の意外性を楽しむ!)」をテーマに、使うことが楽しくなるモノづくりを目指しているデザイナーであり、建築家です。
素材を活かした利便性とデザイン性が両立した驚きのつまったこのカードケース。今では、この通り。夫婦ともに、名刺入れとして使ったり、財布に入りきれないカード類を入れるのに使ったりと、大活躍です。これでカードが増えても安心です。
ヴィンテージ、プロダクトデザイン、ハンドクラフトなど様々な分野から、食器、インテリア雑貨、日用品、オブジェ、キッズアイテム、ファッションなどジャンルレスに紹介。「今日のひとしな」の執筆は、主に大井美代さん。ときどき大井智史さんも登場。
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定休日:水、木曜
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