むら染めの糸から生まれる「KIKKOU(キッコウ)」のアクセサリー
~ HOEK(フーク)より vol.17 ~
今日のひとしなは、繊細でありながら独創的な世界観が広がる「KIKKOU」のアクセサリーです。
このフォルム、初めて目にした時から引き込まれるものがありました。くるりと、なんだか気の抜けたフォルムは愛らしく、一目惚れに近い感覚でした。
色も絶妙な加減のものばかり。よく見ると、細かな糸が整然と細い金属に巻かれています。全体的に和の空気を感じつつ、それに留まらない不思議な世界観。妖艶でもあり、ノスタルジックでもあり、その空気感は独特です。
「KIKKOU」は、デザイナーの亀甲有美さんが糸と金属を使い、1つ1つ手で作り出すアクセサリーブランドです。使用されているこの不思議な糸の色、一体どうやって生まれているのかというと、染色工場の職人のおじいちゃんが、仕事とは別に個人的にリボンをむら染めしているのだそうです。だから染まり具合も色加減も一つ一つに表情があり、どれも特徴的。もしかすると、そのおじいちゃんの気分も反映されているのかもしれませんね(笑)。そんな素敵なむら染めリボンを、亀甲さんが丁寧に一つ一つ解き、その細かな繊維を使って様々なフォルムの金属に巻きつけて制作しているんです。
その偶然に出来た色のグラデーションや模様を、アクセサリーに落とし込むその技術は素晴らしいものです。本当に丁寧に美しく巻かれているので、こういう作品を見るたびに職人さんの技術と才能に感動を覚えます。
色々な天然石や淡水パールが組み合わせられているものもあり、レパートリーがとにかく豊富です。グラデーションがきれいなものから、深い色合いが素敵なもの、絶妙なカラーリングのものまで一点ものに近いアクセサリーです。使われている天然石の種類や糸色によって印象がガラリと変わるので、どれにしようかと本気で迷ってしまいます。
「HOEK」では、「KIKKOU」のアクセサリーは昨年末より、まずは「ひねりピアス」から取り扱いを開始させていただいておりますが、その他のラインナップもどれも素敵です。徐々にラインナップを増やしていきたいなぁと考えています。
また、ピアスではなくイアリングとしても制作可能なので、イアリング希望の方はご相談いただければと思います。
「KIKKOU」のアクセサリーは一見、コーディネートが難しそうにも見えますが、そんなことはないんです。個性的ながら、上品な色合いと繊細なその風貌は、意外にもコーディネートを選びません。丁寧に作られた繊細さのあるアクセサリーなので、デザイナーの亀甲さんは特別な日に大切に使ってもらいたいとおっしゃっていますが、丁寧に大事に扱えば、普段使いとしてカジュアルにも合わせやすいと思うのです。
「HOEK」では、気がつけば糸にまつわるアクセサリーの取り扱いが増えていました。先日ご紹介した「Amito(アミト)」、今回の「KIKKOU」。他にもコロンとした小さな粒が可愛らしいピアスを展開している「ciito(しいと)」に、落ち綿を固めて作った、まるで大理石の表情を思わせる「suno&Morrison(スノ&モリソン)」。どれも作家さんのセンスと思いの詰まった素敵なアクセサリーです。
糸はご縁を思わせる言葉でもあります。そんな素敵な糸から生み出されるアクセサリーをどうぞ感じてみてください。
ヴィンテージ、プロダクトデザイン、ハンドクラフトなど様々な分野から、食器、インテリア雑貨、日用品、オブジェ、キッズアイテム、ファッションなどジャンルレスに紹介。「今日のひとしな」の執筆は、主に大井美代さん。ときどき大井智史さんも登場。
東京都渋谷区神宮前2-33-16 チサンマンション原宿502
TEL:03-6805-0146
営業時間:12:00~19:00
定休日:水、木曜
http://www.hoek.jp
Instagram「@hoek_shop」
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