素敵な器を使った朝ごはんコラム、10月担当は「matka(まとか)」の吉井美晴さん
酷暑がようやく終わって、秋めいてきましたね。
少しずつ食欲が戻ってきた! という方も、夏バテ知らずで食欲なんて落ちなかったけど? という方も“食欲の秋”の到来です!
おいしい朝ごはんを素敵な器でさらにパワーアップ。
10月は群馬県高崎市で人気のお店「matka(まとか)」の吉井美晴さんが担当してくださいます。
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photo:吉井淳一 text:吉井美晴
こんにちは。群馬県高崎市で「matka(まとか)」という作家ものの器を扱うお店を、夫と二人で主宰しております吉井美晴です。
10月の朝ごはんを担当させていただく事になりました。我が家の朝ごはんと、その器づかいを少しずづご紹介させていただきますので、お付き合いいただけますと嬉しいです。
はじめましてのご挨拶に、今日はお店のご紹介を少しだけ。「matka(まとか)」、は作家ものの器を扱うギャラリーです。
私達夫婦は、夫が建築設計とデザインを、私が料理教室とアロマセラピーサロンをと、もともと二足のワラジを履いており、その中から二人で共通して提案できるものは何か、と考えた末にできたお店、ギャラリーです。
「matka」はチェコ語で「母」。家の中心に居心地のいいキッチンがあり、お母さんがそこに立ち、微笑む。多くの女性にそんな小さな喜びを与え続けられる場になりたいと決めた名前です。どうやら色々な国の言語にも「matka」という言葉があるようで、「旅」「女性」「子宮」……と、どれを持ってきても何だか私達の思いが繋がっているようで嬉しいです。
ギャラリースペースの他に、事務所、教室、サロン、のスペースがギュッと詰まっていたのですが、ギャラリースペースが広がってゆくにつれ当初のカタチとは空間の使い方が少しずつ変わってきています。
当初は私がマクロビオティックの料理教室で使えるように、と用意したキッチンスタジオスペース。現在、レッスンはお休みさせていただいているのですが、作家さんの展覧会時のお食事会や、気まぐれのカフェ営業、スタイリングのお仕事の時に、なくてはならないキッチンスタジオです。
「matka(まとか)」が入っている建物は、江戸時代から続いていた酒蔵の商店部分で、長くシャッターが閉まったままでした。そんな経緯もあって、少し和な雰囲気が漂っています。旧中山道に面した入り口は、昔ながらの木枠に囲まれた大きなガラスの引き戸が特徴。このガラス戸のおかげで、入り口側は明るい陽が眩しいほどに入り、奥に進むにつれ仄暗く、店内の陰影を印象的につくってくれています。均一な光ではないからこそ生まれる、居心地のよさ。ガラス戸の外は大通りなのに、ゆっくりと過ごしてくださるお客様が多いのはこのおかげなのかなと思っています。
器を手にしてくださった方が永く愛着を持っていただけるよう、作家さんお一人お一人に直接お会いしてご挨拶をさせていただき、工房へも伺い、その方の暮らしぶりを拝見させていただいています。作った方の人柄に触れ、温かみのあるエピソードとともにお客様に手渡していきたいから。手に取ってくださったどの方の暮らしの中にも、静かに存在感を持って居続けてくれそうな器をご紹介しております。
次回からはいよいよ我が家の朝ごはんのご紹介がはじまります。10月の毎週日曜日更新ですので、よろしくお願いいたします。
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