京都編 vol.1 さりげないのに遊び心を感じる目利きの雑貨店「Kit」 ~京都在住ライター・増田知沙さん
地元おしゃれさんが自分の住む街の、とっておきのお店を案内してくれる連載「地元のおしゃれさんが案内する小さな旅」企画。5月は京都編です。 ナビゲーターは、京都を中心に編集・ライターとして活躍、かわいいもの・おしゃれなものにアンテナを張りめぐらせる増田知沙さん。こだわりある京都人をもうならせる、とっておきのショップをご紹介してくれます。
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photo&text:増田知沙
こんにちは。京都を拠点にカフェや雑貨店、名所など、あちこちを取材し歩いている編集・ライターの増田知沙です。緑と風が心地よい5月。京都散策がてらに立ち寄りたくなる、素敵なお店をご紹介していきます。
今回ご紹介するのは、緑豊かな鴨川や京都御苑からもほど近い路地にある雑貨店「Kit(キット)」。2012年にオープンするやいなや、モノ選びにうるさい京都人はもちろん、京都以外から訪ねてくる人のハートをもがっちり掴み、一度訪れると通い詰める人の多い雑貨店です。
お店は住宅街の一角にある建物の2階に。軒先には、金工作家の秋野ちひろさんによる三角形のオブジェがぶら下がっています。さりげないのに、ちょっと遊びを感じる……。それがこちらのお店の面白いところです。
店主の椹木知佳子さんは、雑貨店で8年間バイヤーとして活躍したのち、日用品や古道具、作家ものを扱う「Kit」 をオープンしました。カラフルな色と肌触りのよい韓国布団“イブル”をはじめ、新潟を拠点に日本の職人さんらとタッグを組んでものづくりを進める「エフスタイル」の製品や薪窯の野趣あふれる中本純也さんの器などが常設の品です。
それらに交じって、韓国で買いつけてくるという古道具やヨーロッパの器なども並びます。古いものと新しいものが入り混じるセンスには訪れるたびに発見があります。
いつもとりわけ目を奪われるのは、椹木さんの独特のディスプレーやラッピングのセンス。思いがけないところにビビットなピンクを配してみたり、なんでもないビニールの紐を組み合わせてみたり……。それだけで日用品も新鮮な表情に見えてくるから不思議。「こんな使い方、飾り方があるんだ!」と発見し、予定にはなかった買い物をしてしまうこともしばしばです(笑)。
と、ここまでは2階の様子。普段は2階のみのオープンですが、展示やイベントに合わせて1階も不定期でオープン。キッチンも備えてある1階では、毎週金曜~月曜日には喫茶が、時には料理やお菓子のイベントなどが行われることも。
モノの出自やコンセプトに縛られない独自のミクスチャー感覚と、ウィットに富んだディスプレーセンス、そして衣食住をマルチに楽しめる空間。それが、「Kit」の大きな魅力かもしれません。
5月9︎日までは「koton haru natsu 2016」の展示を、5月27日〜29日はスタッフや作家による蚤の市「放るもん市」を開催。鴨川沿いのお散歩も気持ちよい季節、ぜひお出かけしてみてくださいね。
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