セレモニーに何着ていこう?Vol.2 ルノンキュル 木村牧子さん
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黒は本当に似合ってる?
慶弔兼用できるということで、黒を推す人もいますが、これは少し考えていただきたいと思います。一般的に思われているほど、黒が似合う人は多くありません。全身黒では華やかさや喜びの表現には限りがあります。慶弔を分けて、セレモニー用には似合う色を持っておくことをお勧めします。
ベージュやパステルカラーもいいでしょう。TPO、年齢、パーソナルカラータイプを選ばない点ではネイビーが一番。ネイビーで華やかさが足りないなと思ったら、コサージュ、アクセサリー、ボタンカバーなどをプラスしてください。
そもそもフォーマルが苦手
セレモニースーツに苦手感のある人は、そもそものお話ですがフォーマル全般が苦手ということが多いです。ジャケットやスーツが堅苦しく見える、またはおばさん臭く見えるという人。これは骨格タイプ、体格、顔立ちによります。
骨格タイプで言うと、基本的にナチュラルタイプの人はフォーマルなジャケットやスーツが苦手です。奥様風・お嬢様風も苦手。
ちなみに、ストレート・・・テーラードジャケットは得意だけれど、ノーカラージャケット、ボレロは苦手。ウェーブ・・・ストレートの真逆。このような傾向になります。
ルール上礼服をカジュアルの方向に寄せるということはできません。ではフォーマルが似合わないタイプの人はどうしたらいいのでしょうか?
すごく似合う礼服は見つからないかもしれません。でも諦めるのではなく、基本的に似合わないことを理解した上で、せめて甘-辛度合いや生地やデザインは自分の得意ジャンルに寄せる。これが正解。
ちょっとのディテールで苦手を緩和する方法はいくらでもあります。パイピングやぺプラム、袖の丈や折り返し、襟の形状、生地の種類や柄、ボタンやベルトなどの付属品などなど、デザイン要素が加わるとベーシックさが和らいだり、自分のイメージに寄せたりできます。似合わないときこそ、細部を吟味することが大事。
売り場でセレモニースーツの海原を眼の前にすると、途方に暮れてしまいます。こういう買い物のときこそ、飲まれることなく自分の基準をしっかり持って、凛と挑みましょう。
Profile
木村牧子
「ルノンキュル」主催。関西学院大学卒業後、全日本空輸㈱で国際線CAとして勤務。退職後に転身し、子供の頃から夢だったデザインの道に進む。10数年間グラフィックデザイナー、テキスタイルデザイナーとして色や素材に関わる中で、「装い」や「色」が人の生きるパワーや自信と深く関わることに強く興味を引かれる。色彩学、心理学を学ぶうちに、「見た目」を通して人の内面、生き方を前向きに元気にさせる仕事をしたいと思うようになり、パーソナルスタイリング、イメージコンサルティング、パーソナルプロデュースの仕事を開始。現在は平日はデザイナー、週末はイメージコンサルタントとして活躍中。http://www.renoncule.net
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