【ひとり暮らしリノベvol.1】自宅で過ごす何気ない時間が、贅沢に感じる住まい

大人の住まい替え
2019.09.23

連載「大人の住まい替え」では、これからの暮らしを見つめ直した先輩方の住まいをご紹介します。今週お届けするテーマは「大人のひとり暮らし」。今回登場する先輩方の多くが「リノベーションが本当に楽しかったので、また挑戦したいくらい!」と口を揃えます。リノベーションをするに至ったそれぞれの方の物語や、賃貸では叶えられなかったこだわりを実現させた住まいをたっぷりとご紹介しますよ。

*************************************************

都内在住Eさんの場合

m0015
今回は、昔からインテリアや暮らしに関することが大好きなEさんが手に入れた「自宅で過ごす何気ない時間が、贅沢に感じる住まい」を紹介します。ひとり暮らしでのマンション購入は考えていなかったにも関わらず、「いつかじゃなくて今、買いたい」と思うようになった気持ちの変化には、どういうきっかけがあったのでしょうか。そして、たくさんのこだわりが詰まった部屋が完成するまでにはどのような物語があったのでしょうか。

マンションを買おうと思ったワケは……

m0016
もともと住まいに対するこだわりは強く、将来的には自分の家がほしいと思っていたEさん。たまたま見つけたWebサイトの中に、一人暮らしの人たちが中古マンションをリノベーションした事例があり、それらを見ていくうちに「マンションを買うことは遠い話ではなく、私にもできるかも」と思えてきたそう。そうして、時間を見つけては物件や資金について調べるうちに、今まで漠然と思い描いていたこれからの自分の住まいについて、より具体的に考えるようになりました。

「マンションを買うといっても、終の住処にするつもりはありません。これまでずっと賃貸で、どこか仮住まいのような感覚もあったので、ひとまずの落ち着き場所ができたと思っています。これから結婚などライフスタイルの変化があった時には、他の人に売ったり貸したりする可能性も視野に入れて、都心の便利な場所を選びたいと思いました。そうすると新築マンションは予算的に難しく、中古マンションを買ってリノベーションをするというのは自分に合った選択でした」

コンセプトは「緩む贅沢」

m0017
セミナーに参加し、そこで知った物件購入からサポートをしてくれるリノベーション会社へ依頼をして、Eさんのリノベーションはスタートしました。当初の希望は「白でプレーンな雰囲気」としか考えていなかったそうですが、設計担当者と打ち合わせを重ね、完成したコンセプトは「緩む贅沢」。

「仕事と趣味のアウトドアや旅行で日々忙しくしているので、家ではゆっくりお酒を飲んでリフレッシュし、ぐっすり眠ってリラックスしたいと思っていたので、〝緩む贅沢“というコンセプトはぴったりでした」

色数が少なく、スッキリしたインテリア

m0018
この引っ越しをきっかけに、ほとんどの家具を買い揃え、スッキリした統一感のあるお部屋になりました。これまでも雑貨や家電は好きなものをそろえていましたが、家具は好みじゃないけれど捨てる理由がなく、使い続けていたアイテムばかりだったそうで、「部屋の全てに自分の好みを反映できてうれしかった」とEさんは話します。

m0019
部屋の中央に位置する丸いテーブルは、マルニ木工のダイニングチェアに合わせて、設計担当者がデザインしたもの。「部屋の間取り的に四角いテーブルだとスペースに余裕がなくなるので、丸がおすすめだと言われたのですが、既製品だと直径が大きいものばかりで、理想のサイズが見つかりませんでした。お願いしてつくってもらったおかげで、部屋にぴったり合い、本当に嬉しいです」

寝室とキッチンをつなげ、広々した印象のリビング

m0020
元々の間取りは寝室とキッチンが仕切られていたのですが、リノベーションであえて独立をさせずリビングとつなげ、広々とした印象のワンルームとなりました。キッチンは白で統一し、収納スペースをたっぷり設け、ごちゃごちゃしないように。IKEAのシステムキッチンは浅い引き出しが二段あり、とても使いやすいそう。

m0021
ワンルームながら、玄関から室内が丸見えにならないつくりとなっています。部屋に遊びに来るのは親しい人ばかりだそうなので、本来あまり見せたくないプライベートな空間であっても気にせず広さを優先しました。


m0010
寝室は少し視線を下げるイメージで、木製のルーバーをベッドの上に設けています。これはキッチンの排気ダクトを隠す役割の他に、ハンガーを掛け洗濯物を一時的に干すこともでき、視覚効果だけでなく実用性も兼ね備えています。寝室部分の床はサイザル麻のカーペットで、夏は素足で歩くと心地よく、友人たちからも「気持ちいい!」と大好評だそう。


木材と色味の使い分けで、やわらかい印象に

m0011
部屋全体のアクセントになるように、リビングの床はオークを使ったヘリンボーンのフローリングに。石けんを使い、木本来の美しさが味わえる表面に仕上げるソープフィニッシュで、質感はマットに、自然でやさしい雰囲気の床となりました。

「私がピカピカしたテイストよりも、マットな質感やシンプルでさっぱりしたものが好きなので、設計担当の方がそうした好みを理解した上でこの仕上げを提案してくださったのだと思います。時間が経つと風合いが出てくるそうなので、今から楽しみです」


m0012
造作の棚とベッドルームの壁はタモ材を使っています。木材としてはフローリングでも使用しているオークが好みでしたが、他の人の事例を見ている時にタモ材もおもしろいかもと思ったそう。

「タモ材はメープルのような明るいトーンではなく、チェリーやチークの落ち着いたトーンでもない、少しやわらかい雰囲気が気に入っています。床、テーブル、ダイニングチェア以外も全てオークでそろえていたら、きっと印象が強くなりすぎていたと思うので、タモ材でほどよくやさしさをプラスしたことで、バランスが良くなりました」

リノベーションを終えてみて……

m0013
リノベーションを終え、新たな暮らしをスタートさせたEさんは、生活が激変したというより、あらゆる部分で少しずつ満足度が上がったと感じているそうです。キッチンの収納が便利で使い勝手がよくなったり、蔵書がすべて見えるようになったことで本を読み返す機会が増えたり。毎日の小さな喜びや楽しみが増えたことがいちばんの変化かもしれません。

「前の家では自宅でくつろげる場所が限られていたのですが、今はダイニングチェアに座ってパソコン作業をしたり、ベッドで読書をしたり、広い浴槽でゆっくり入浴しながら防水タブレットで使ったりなど、くつろぐ場所の選択肢が増えました」

仕事も遊びも充実しているからこそ、自宅で過ごす何気ない時間もまた贅沢なひとときになるのかもしれません。自分らしくいられる時間の使い方や、本当に心地よく感じるものが集められた空間は、Eさんがいつも輝き続けるパワーの源になっているようでした。


■間取り図

m0014

居住者構成:ひとり暮らし
面積:40~60㎡


→その他の「大人の住まい替え」の記事はこちらから

*************************************************
お問い合わせ先:『EcoDeco』
https://www.ecodeco.biz/
不動産物件探しから設計まで一貫したサービスを提供し、リノベーションのトータルコーディネートを行う会社。

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

ページトップ