山中漆器の老舗「喜八工房」のお椀
~niguramu(にぐらむ)より vol.23~
明治15年創業、山中漆器の老舗である「喜八工房」さん。その歴史に裏打ちされたデザイン力と、国産にこだわったものづくりが魅力です。
当店で取り扱っているなかでも特に人気なのが、「樫椀(かしわん)ナチュラル」。独特の虎斑が味わい深い樫材は、その強い個性ゆえ、器の材としてはあまり用いられていませんが、特徴をあえて前面に押し出し、ウレタンクリア塗装で仕上げられています。
塗装といっても本当に自然で、つやつやテカテカしている訳ではありません。無色で、見た目や触り心地など、まるで素の木地そのものといった感じ。ですが、やはり食器なので、色や臭い移りを防いで長持ちさせるための必要な仕上げとなっています。
G型、U型、Y型とアルファベットの形をイメージしたフォルムとナチュラルな色味で、和洋を問わず、また汁椀以外の使い方も広がりそうな可能性を感じるお椀。
そんなカジュアルな樫椀も素敵だけれど、喜八工房さんといえば「拭き漆」仕上げが魅力。
クリア塗装と同様に、木目が透けて見える拭き漆仕上げは、朱や黒の漆に比べ、手間が掛からないように思われがちですが、ロクロで挽き上げたフォルム・木地がそのまま見える綺麗なお椀を作るには、伝統工芸・山中漆器の高い木地加工の技術があってこそなんです。
どうしても拭き漆タイプがほしいとお願いをしたところ、樫材はやや拭き漆仕上げとの相性がよろしくない(漆が定着しにくい)という事で、欅(ケヤキ)材での拭き漆タイプを作っていただく事になりました。こちらは「niguramu限定」ですので、ぜひ手に取っていただけると嬉しいです。ナチュラルタイプと同じ形で展開していますので、機会があれば違いを比べてみてください。
喜八工房
樫椀 ナチュラル G型,U型,Y型 各¥4,320(税込)
欅椀 拭き漆 G型,U型,Y型(niguramu限定) 各¥4,320(税込)
text:宮嶋ヒロコ
日本各地から日用品、雑貨、器、アクセサリーをセレクト。連載コラムの執筆は、店主の辻 喜代司さんと宮嶋ヒロコさん。
石川県金沢市高岡町18-13
営業時間:11:00~19:00
定休日:木曜
TEL:076-255-2695
https://www.niguramu.jp
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