大自然の中でしっくりと溶け込む雄大さと優美さが持ち味の「foot of the mountain」

～「les trois entrepots（レ・トロワ・アントゥルプ）」より vol.2 ～

“foot of the mountain” = 「山の麓」という意味です。立山連峰を望む富山で木工製作をしている中西健太さんの取っ手付きボウルをご紹介します。

登山が趣味という中西さん。登山の時に使うものが欲しいと、取っ手付きのボウルを作ったのが作家になるきっかけとなったそうです。取っ手の先にあるホールにロープを通してザック（登山用のリュックサック）に留めて使うのですが、そのシェイプと細工の仕上げが美しいボウルはエレガンスな印象さえあります。木のあたたかみとディテールの優美さが中西さんの個性となっています。

黒いボウルは山桜に黒漆を塗ってあり、生成りのボウルは楓の素地を活かしたナチュラルな色味です。ボウルは、フルーツやサラダ、シリアル、またはスープ、小どんぶりやポトフなどの煮込み料理を入れても……アイデア次第で幅広く使えるアイテムです。

カトラリーはバターナイフ、フォーク、スプーンがあります。ナチュラルは楓を使用しています。

黒はケヤキ、ナラ、桜に黒漆を塗っています。同じ黒でも木肌が見えるもの、マットなものがあり、持ち手の尾の部分の意匠もひとつひとつ違うので、選ぶ楽しみもあります。

趣味の登山に役立つ器を……と他の作家さんにはないユニークな発想で作品づくりを行う中西さん。登山やアウトドアでは軽くて使い勝手のよさは重宝することに間違いありません。また普段のキッチン周りでも引っ掛けたり重ねたりできるので、アウトドア、インドアで活躍するはずです。お店でもお問い合わせの多い中西さん。少し先になりますが、来年5月に田中直純さんとの二人展を予定しています。田中さんも登山が好きだそうで、お二人によるコラボレーションが生まれるかもしれません。楽しみしていてください。

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写真：太田昌宏

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