こだわりの冬素材物語「YARN」編

ナチュリラ
2021.02.25

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厳選した極上メリノウールを
スマートな大人のインナーウェアに

メリノウールの着心地のよさと暖かさを、たくさんの人に実感してほしい――。そんな願いが込められた「ヤーン」のインナーは、冬おしゃれの名脇役です。


何かとお役立ちの黒インナーバリエ
ストレッチが効いたリブ編みの〝トゥイ″シリーズは、ほどよく細身で女性らしいラインを意識したデザイン。動きやすい伸縮性と、着ていることを思わず忘れるほどの軽さが魅力。使いやすい黒インナーは、3 型すべて揃えても。

上から時計まわりに、クルーネックカットソー¥16,000、レギンス¥17,000、タートルネックカットソー¥16,000/すべてヤーン

 


淡色から濃色まで選べるレギンス
天竺編みの〝ロビン″シリーズは、ツルッとした肌ざわり。レギンスは体を暖めることを特に意識して、ウエストと足首が太めのリブ編み仕様に。どちらもゴムなしだから締めつけ感がなく、風を通さずしっかり防寒してくれる。

レギンス 各¥17,000/すべてヤーン

 


上質なメリノウールは広大な自然のニュージーランドから

10年前に家族でニュージーランドに移住した下山さん。そこで出会ったのが、メリノウールでした。

「当時、子どもがまだ2歳だったのですが、ベビー用下着売り場に行ったらメリノウールの肌着が置いてあって驚きました。そのころは、下着にウール素材のものを選ぶというイメージがなかったこともあり『そもそも普通のウールとどう違うの?』と興味が湧いたんです」

調べてみると、牧羊産業が盛んなニュージーランドでは、羊毛は種類によってさまざまに用途が分けられているのを知ることに。なかでもメリノウールは、繊維が細くてやわらかく、保温性が高いことから、古くからインナーウェアの素材として用いられていました。

「アウトドアブランドでは機能性インナーの素材として使われていることは知っていましたが、デイリーに着るウールのインナーウェアは、日本ではあまりないのでは? と、自分で作ってみたいと思うようになったんです」

そしてもうひとつ、下山さんがメリノウールという素材に惹かれた理由は、ニュージーランドのサスティナブルな意識の高さにあります。地球の環境保全や動物愛護の観点から、メリノウールの素材は生産農家のどこのファームで育てられた羊のものかだけでなく、どんな環境で育てられているかを示す認定システムが確立されているのだそう。

「たとえば野菜や果物だったら、産直やオーガニックのお店に行けば生産者の名前入りで売られていますが、洋服の素材でそこまでわかるシステムはなかなかないですよね? でも、それがわかることによって着る側も安心だし、作る側も自信を持って届けることができる。そのシステムを知って、この素材を扱ってみたいという思いを、より強くしました。特にインナーは、直接肌に触れるもの。素材を信頼して身につけてもらえることは、作り手の喜びにもつながります」


(写真提供 : YARN)

 

そうして生まれたブランドが「ヤーン」。ストレスフリーな環境で育った羊から採れる、良質なメリノウールだけを使用した生地を使って、デザインから縫製、生産管理まで日本で行います。

「日本で作る理由は、信頼できるデザイナーがいることと、縫製技術の高さ。ニュージーランドのメリノウールのよさを最大限に引き出すためにも、日本のすぐれた技術を用いて、しっかりしたものづくりがしたい。そして、このすばらしい素材を通してニュージーランドと日本をつなぐことができたらと」

機能性や暖かさはもちろん、デザインにもこだわりたいという下山さん。日本にいるデザイナーとオンラインで入念な打ち合わせをします。

「シンプルで洗練された、大人が着て満足できるデザインが理想。サイズ感やフィット感にはミリ単位でこだわり、フィットしすぎず、かといってダボつくこともない、細心のバランスに仕上げます」

デザインが決まれば、次はどの生地が最適かを何度も試作を重ねて。洗濯を繰り返しても、よれたり型くずれしたりしない強度を持ち合わせつつも、しなやかで肌あたりのいい生地の風合いを両立させます。カラーリングもすべてオリジナル。ホワイト、ブラックといったベーシックなカラーに加えて、少しニュアンスのあるチャコールグレーや、清涼感のあるアイスブルーなどもラインナップ。

「重ね着してチラリとのぞいても肌着っぽく見えないように。クルーネックやハイネックのカットソーなら、一枚で着たときもさまになる色を意識しています」

そうしてできあがる、大人のための上質なインナーウェアのかずかず。ブランド名は製品の要である″糸〟。ニュージーランドの広大な自然の中で生まれた最高級のメリノウールと日本の確かな技術、そして何より素材に惚れ込んだ下山さんの情熱が融合したものづくりが、極上の着心地を実現しているのです。


生地にする羊毛は採取された後、熟練のプロの手によってしっかり選別されていく。(写真提供 : YARN)

 


メリノウールに使用される毛は、人間の髪の毛の約2 分の1の細さ。(写真提供 : YARN)

 

photo:回里純子 text:坂本祥子
『ナチュリラvol.52 冬号』より

 

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Profile

下山陽子

Yoko Shimoyama

「ヤーン」代表。手がけるアイテムにも脈打つ"シンプルで自然で心地いい暮らし"についてもブログなどを通じて発信している。
https://www.yarn-nz.com

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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