「生理&骨盤底筋トレーニング」で、明るく体と向き合うvol.3 ~今月の先生・関口満紀枝さん
さらに普段の生活では、「立ち姿をいちばん気にしている」と関口さん。台所で料理をしているときも、子どもの世話をしているときも、きちんと立てているかどうかが、骨盤底筋には非常に重要なのだとか。その「立ち姿」を確認するには、以下のような動作を行います。
まずは足を肩幅くらいに開き、股の間に上半身をだら~んと下げるようにしゃがみます。
足裏で地球をしっかり踏みしめるような感じで立ち、そのまま足の裏で押すような感じで少しずつ身体を起こします。頭はまだ、下のまま。膝を伸ばしきるちょっと前の、その安定した下半身に、ひょいっと上体をのっけます。
そこでつま先のほうに少し重心を傾けると、骨盤底筋や丹田(おへその下に位置する、東洋医学における生命エネルギーをコントロールする場所)あたりを意識せざるをえません。ここからかかとをおろし、外に向かっている脚の筋肉を内側に寄せると、足から骨盤底筋が一直線になります。太ももの内側の筋肉(内転筋)にしっかり力が入ると、自然と骨盤底筋が締まり、背筋も伸び、お腹もひっこんで姿勢もよくなるのです。
また、尿道、膣、肛門の位置が分かりにくい人は、両手を前につき、膝を床につけて、猫が立っているようなポーズで開け閉めをすると、位置が意識しやすいそう。
骨盤底筋というと、現在40代の私にとっては、生理がいちばん結びつけやすい関心事ですが、やがて閉経を迎えると、膣脱、子宮脱、尿漏れなどの問題に関わってきます。いつまでも若々しく、元気でいるためには普段から意識的に鍛えていくことが、さらに必要となってくるのです。
さらには、子宮を温めるのに効果的な、「本気の深呼吸」を教わりました。横になり、膝を立て、鼠蹊部(脚の付け根)に手を当て、この鼠蹊部までが肺だと思って、そこまで空気を入れるイメージで、深呼吸を50回行います。そうやって、子宮に酸素を送り込むのです。夜寝る前などにやるのがおすすめだとか。
「これは生理に悩む人はもちろん、出産時期を過ぎた方や、閉経してしまった女性にもぜひ行ってほしい体操です。活躍の時期を終えた子宮は、どことなくポツンとしてしまうんですね。酸欠にもなりやすい。けれど臓器は死んでしまっているわけではないので、深呼吸をすることで、大切にしているという思いを子宮に届けるというか。女性にとって子宮は特別な存在。もちろん何かしらの病気で切除する場合は仕方がないことですけど、子宮を大切にし続けることは、自分の身体を大切にすることにも、つながっていくと思うんです」
関口さんの言う“ハッピーな生理”を迎えるためには、骨盤底筋を鍛える以外にも、基礎体温を上げること、栄養状態をよくすること、夜早く寝て朝早く置きることで自律神経を整えることなどが必要ですが、それと同時に、つい笑顔になってしまうような、楽しいこと、ワクワクすることを欠かさないことも、ものすごく大切なことなのです。
最後に関口さんの愛読書を見せてもらいました。ベストセラー作家でもある海堂尊氏が、現代医師の立場から、“カラダの取り扱い説明書”を記した本。イラストレーターのヨシタケシンスケ氏が挿画を担当し、内臓の位置や大きさ、かたちや役割などを、ワクワクしながら楽しく学べるような一冊になっています。
「私がこんな風に身体について探求するようになったのも、結局全部『身体って面白いな!』という思いがスタート。知れば知るほど、面白い。そして健康には、楽しい、面白いという感情が不可欠だと思っているんです。私が舞台の上で、笑いやしあわせな気持ちを伝えていきたいと思うことも、女性の身体についてメッセージを伝えていくことも、根っこの部分では、まったく同じでしっかりと結びついているんです」。
photo:砂原 文 text:田中のり子
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Profile
関口満紀枝
オリオンズベルト所属。女優芸人・ダンサー 歌手。カラダオーケストラ®ワークショップ発案者。日本ホメオパシー医学協会認定プロフェッショナルホメオパス。日本おまたぢから協会認定講師。二人の男児の母。多摩美術大学演劇コース在学中からダンスシアターカンパニーパパタラフマラに所属、メインパフォーマーとして世界各国公演に出演。2000年より作家近藤ともこと共に一人芝居「月刊関口満紀枝」を開始、主演・演出・振付を手掛ける。表現スキルのオリジナルトレーニング・ノウハウを伝える学校「オリオンズベルトアカデミー」副校長。現在はCMやドラマ など、メディアでも活躍中。
田中のり子
衣食住、暮らしまわりをテーマに、雑誌のライターや書籍の編集を行う。『ナチュリラ』(主婦と生活社)は創刊当初からのスタッフ。構成・執筆をした『これからの暮らし方2』(エクスナレッジ)が好評発売中。
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。