【料理本製作の裏側〜よもやま話〜⑤】ほんとうに作りやすい焼き菓子レシピ/2回目

2021.04.02

こんにちは、編集部の足立です。料理編集者歴10ン年となる私、今まで作らせていただいた本の製作にまつわる裏話をご紹介させていただいております。よろしくお願いいたします。

前回の【料理本製作の裏話〜よもやま話④】ほんとうに作りやすい焼き菓子レシピ/1回目 はこちら


さて、私が料理編集部に来て初めて作らせていただいた焼き菓子の本、稲田多佳子さんの『ほんとうに作りやすい焼き菓子レシピ』(2004年発行)。ようやく会社の企画会議を通過し、いよいよ次は、本作りにおいて何より大事なスタッフ決め作業となりました。

  
京都在住のたかこさん、お菓子の撮影は京都もしくは関西在住のカメラマンさんにお願いしようと、当初はたかこさんに関西にある出版社さんを教えていただいたりしていたのです。

ところが!私の頭をちらっとかすめたのは、たかこさんのホームページのあの独特な世界観。果たしてあのテイストが、他のカメラマンさんが撮影した写真で出せるのだろうか…。あれは、たかこさんが自分のお菓子のいちばんかわいらしい表情がわかっているからこそ、たかこさんが自分で写真を撮っているからこそ、出せるものではないのかしら。。

そう思った私は印刷所に相談し、果たして一般的なデジカメで撮影した写真が、本の印刷に耐えうるかどうか調べてもらい、「解像度はこのくらい必要」「保存形式はTIFFで」…と、機械音痴の私のもっとも不得意とする分野のことを調査。

とりあえず、試しにたかこさんに写真を何枚か送っていただき、テストで印刷所に入稿して紙に刷ってみてもらったら…。おおっ、いい感じ! 結果、「たかこさんの写真でいけるんじゃないの!?いってみよう!」という結論に至り、まずカメラマンはたかこさんご自身に決定。
今思えば、なかなか勇気のある決断(若気の至りともいう…)。当時はまだプロのカメラマンさんが撮影した料理本しかなく、著者が自分で撮影した写真で本を作るなんてこと、誰もしていなかったのです。。


この独特なやさしい雰囲気も、たかこさん撮影の写真があってこそ!

その次に決めなければならなかったのは、最も重要とも言える本のテイストの根幹となる部分を作っていただくデザイナーさん。
当時、料理の編集部に来てまだ1〜2冊しか本を作っていなかった私。圧倒的な経験不足ではありましたが、料理の本は好きで買い集めていたものもあり、そんな中で猛烈に憧れていたデザイナーさんがレスパースの若山嘉代子さん! 
若山さんだったら、どんな風にまとめてくださるかなあ。たかこさんのやさしいお菓子と、雰囲気はばっちり合いそうだなあ(うっとり…)。そんな妄想をしていました。


こちらが、レスパースさんデザインの私の大好きな料理本たち


その前に!お菓子の「お」の字も知らなかった私は、構成および原稿執筆面では強力なライターさんにお力をお借りしようと、かつて愛読していた料理雑誌のクレジットでお名前を拝見していたベテラン料理ライター・相沢ひろみさんにお声がけすることにしました。

幸運にも社内に相沢さんと名刺交換したことがあるという人がいたので、その人を介して顔合わせをさせていただき、企画の内容を伝えると…まあ、それはびっくりしますよね。。でも、さすがベテランライターの相沢さん。いろんな修羅場をくぐっていらした(?)とあって、快くお引き受けくださることになったのです(ななななんておやさしい!)

さてさて、再びデザイナーさんです。あれこれ本を見て悩み、考えを巡らしてみても、どうしても他のデザイナーさんの候補が思い浮かばず…。でも、人一倍人見知りで小心者、緊張しいの私。あの、あの憧れのレスパースさんにお仕事を依頼するなんて…!!!と思う気持ちが半分、でも絶対にレスパースさんにお願いしたいという気持ちが半分…。
それでも、たかこさんのあの世界観をかわいくまとめてほしい!という気持ちが勝ち、口から心臓が飛び出そうになりながら、意を決してレスパースさんの事務所にお電話をかけました。

あまりの緊張でややしどろもどろになりながらも、お仕事をお願いしたい旨を若山さんに申し出ると、「初めての人とのお仕事はちょっとむずかしい…」とのお返事(がーーーん!!)。
確かにそうですよね。著者も編集担当者も(カメラマンも)、すべて初めての知らない人ばかり。一体どんな本を目指しているのか、全く見当がつかないお仕事を引き受けるのは、むずかしいとおっしゃるのもごもっともだと思います。

ですが!そこで諦めたらおしまいです。こんなすてきな著者で、初めての試みではあるけれどどうしてもお仕事をお願いしたくて、最後の最後にライターとして相沢さんが入ってくださっていることをお伝えしたら…「あら、相沢さんなの」と! 
相沢さんとは面識がおありとのことで、そこでぐっと信頼感を得ることができ、最終的には無事にお引き受けいただけることとなったのです(ここでもまた、相沢さんに心より感謝です…涙)。

  
レスパースさんによるアイデアで、こんなにかわいいもくじに!


さて、これで無事にスタッフも決まり、実際の製作作業に入ることになったのですが、お菓子製作=たかこさん、スタリング&撮影=たかこさん、原稿執筆=たかこさんという、製作⇒オールたかこさんという本のため、まずはスケジュールを立てて、たかこさんに写真と原稿を順番に仕上げていただくこととなりました。

  
プレーンなクッキーがずら〜っと並んだカバー&カバーソデも、なんて愛らしい!

当時はまだGigaFile便やfirestorageなどのファイル転送サービスはなく、写真のデータのやりとりはMO(CDやDVDでもなく…おわかりになりますか?)を使って。これがまた、私にとっては初めてづくしの四苦八苦の始まりだったのです…。

 

【次回に続きます】

 

 

 

 

 

 

 

 

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