【料理教室の季節の人気メニューから/8月】梅干しの酸味と塩けがポイント!麺なしで汁ものにしても。トマトのすり流しそうめん
こんにちは、料理家の柚木さとみです。
立秋を迎え、既にピークは過ぎたように感じますが、残暑が厳しい毎日ですね。わが家のサビ猫姉妹くうとねる(通称“くうねる”)はベランダがとても好きで、一日に何度かパトロールに出るのだけれど、さすがに日中は控えて、少しでも涼しい早朝や夕方にしています。いや本当に暑い…!
私が生まれ育った東京・青梅市は都心部よりも涼しく、子どもの頃は夏といっても、平均して25度くらいでした。今のように当たり前に30度を超えるような暑さは、なかなか体験したことがなかったように思うけれど、ここ数年の夏の暑さはとても厳しくて、室内にいても水分補給など気をつけないと本当に危険。夏は好きだけれど、あまりに暑い日が続くと、さっぱりしたものが食べたくなります。
さて、今回はそんな暑い日にぴったりの、トマトを使ったそうめんレシピをご紹介します。教室ではあじの南蛮漬けや焼きなす、手作りわらび餅などと一緒にご紹介しました。梅干しの酸味と塩けがポイントのこのすり流しは、そうめんを入れずに、冷製の汁ものとしていただくのもおすすめです。
トマトのすり流しそうめん
【材料(2人分)】
そうめん…2〜3束(100〜150g)
トマト…2個(約300g)
青じそ…2枚
みょうが…1個
梅干し…2個
白だし…大さじ2
白いりごま…少々
【作り方】
① トマトはおろし金で皮ごとすりおろす。端の部分はヘタを除き、角切りにしてよけておく。
② 青じそはせん切りにする。みょうがは縦半分に切ってから薄切りにし、さっと水にさらす。梅干しは種を除き、包丁でたたいておく。
③ すりおろしたトマトに白だしを加えてよく混ぜ、冷蔵室で30分ほど冷やす。
④ 鍋にたっぷりの湯を沸かしてそうめんをゆで、ざるに上げて流水ですすぎ、粗熱をとる。十分にすすいだら、氷水に入れてしばらく冷やす。
⑤ 器に❸を入れ、水けを切った❹を中央に盛る。角切りにしたトマトと❷をのせ、白ごまをふる。混ぜながら食べる。
【メモ】
・トマトは皮ごとおろし金ですりおろすと、ミキサーにかけるよりもほどよい食感が残ります。
ところで、トマトというと小学生の頃、夏になると父が運転するキャンピングカーで、家族7人旅に出た時のことを思い出します。出発は早朝。クーラーボックスに、トマトときゅうりを入れて出かけるのです。旅の前半に食べるおやつはこのトマトときゅうりで、みんなで丸ごとのまま塩をつけてかぶりつきました。
幼かった私の記憶は曖昧で断片的で、どの年にどこに行ったのかなど、実はよく覚えていません。ぼんやりと思い出せるのは、どこかの森の中なのか、飲み込まれそうなほどたくさんの星が輝く夜空や、まだ薄暗い早朝の、霧がかった港(果たして港だったのかは不明…)とか、眠い目をこすりながらキャンピングカーの窓から見た美しい朝焼けなど。
父が目指した旅の目的地よりも、そのときどきで切り取られた風景だったりします。そして旅の途中に口にしたもののなかで、いちばんに思い出すのは、クーラーボックスに入れて持って行ったトマトときゅうりなのです。どちらもとてもおいしかったな。
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Profile
柚木さとみ
料理家・フードコーディネーター ・カフェプランナー。1973年東京生まれ。5人姉妹の5女。ご主人とサビ猫姉妹(くう、ねる)との2人+2匹暮らし。大学卒業後、吉祥寺のカフェで店長を務めたのち独立。カフェのプランニングやプロデュース、メニュー開発、料理教室講師、ドラマの料理制作など、食と食空間に関わる仕事に携わる。2012年から、築65年の古い一軒家をリノベーションしたアトリエで料理教室「さときっちん」を主宰。旬の食材を生かした暮らしになじむレシピが人気。著書に『からだがよころぶ!菌活レシピ』(幻冬舎ルネッサンス)、『美人をつくる発酵食レシピ』(じゃこめてい出版)など。
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