【料理教室の季節の人気メニューから/7月 】ジューシーななすとみそ味の豚肉の組み合わせが最高。なすと豚肉のみそ春巻き

料理教室「さときっちん」の台所便り
2021.07.12

こんにちは。料理家の柚木さとみです。
ここ数年7月といえば真夏日も多く、すっかり暑い時期ですが、今年は梅雨入りが遅く、雨の多い日々ですね。アトリエは天井を抜いていることもあり、雨が降ると屋根にあたる雨音が室内に響いて、天窓には水が流れるのが見え、その様子がなんだかとても心地よいです。


最近ふと、料理を楽しみ始めたのはいつ頃だったかなと、これまでのことをふり返っていました。実家でたまに母の手伝いをしたり、学生時代に部活動の試合などがあれば簡単なお弁当を作ったり、アルバイト先のカフェでキッチンに入るくらいはしていたけれど、特別料理が好きだとか、日常的に料理をしていたということはありませんでした。

社会人になっても、カフェでスタッフの賄いを作ったり、ひとり暮らしをする中でごく簡単な自炊をすることもまれにはあったけれど、特に得意料理があるわけでもない。そもそも当時の私にとって、家は主に眠りに帰る場所で、たまの休みの日には外出をしてしまい、ゆっくり料理をして過ごす場所ではなかったように思います。

そんな私が日々料理をするようになったのは、それまで勤めていたカフェを退職してしばらくした頃。引っ越しもして、暮らし方そのものを見直そうと思った29歳ごろからでした。節約も兼ねた自炊生活で、始めはお店で食べておいしかった料理を思い出しながら再現してみよう、という遊びのようなことから始まりました。

おいしくできるとうれしくて、「料理っておもしろい!」と思うように。そのうちスーパーや八百屋さんでその日のお買い得品を買い、あるもので自由に作れるようになっていくと、さらにどんどん楽しくなっていきました。

飲食に関わる仕事にはずっと縁があったものの、そこから次第に料理の道を歩み、料理家になるまでにはいろいろな経緯があるのですが、それはまた別の機会にでもお話しさせていただきますね。

日々のごはん作りを楽しみながら、ジャンルは問わずいろいろ作っていく中、いつからか春巻きを作るのがとても好きになりました。定番の包み方のほかにも細長いスティック状や三角形など、形もいろいろ楽しめるし、おつまみから主菜、おやつまで、バリエーションは自由自在。

具材によりますが、揚げる以外にフライパンで焼いたり、オーブントースターで仕上げることもできるし、天ぷらやフライと違って衣づけがない手軽さも、すぐに作りたくなるポイントかも。気がつけば今では、冷蔵庫に春巻きの皮が常備されているくらい春巻きを作ることが多いです。

教室でもこれまでにいろいろな春巻きを紹介してきましたが、今月はその中から「なすと豚肉のみそ春巻き」をご紹介します。

なすと豚肉のみそ春巻き
ジューシーななすとみそ風味の豚肉が相性抜群の春巻きです。暑い季節の揚げものは避けている、という方もいらっしゃるかと思いますが、材料を炒めることもありませんし、本当に簡単なので、よかったらぜひお試しください。

【材料(10本分)】

なす…2本(1本約80g)
豚薄切り肉…6枚(200g)
A・みそ…大さじ2
 ・しょうゆ…大さじ1
青じそ…10枚
春巻きの皮…10枚
B・小麦粉…小さじ2
 ・水…小さじ2
揚げ油…適量
塩…少々(お好みで)

【作り方】
①   なす2本はヘタを除いて縦半分に切り、それぞれ縦に5等分して10切れにする(2本で20切れ)。豚肉は細切りにしてAであえ、10等分する。Bは混ぜておく。
  春巻きの皮を角を手前にしておき、手前側に青じそ1枚、なす2切れをのせ、豚肉を細長くのせる。手前からひと巻きして左右を折り込み、奥まで巻き進め、巻き終わりにBをつけてとめる。
③   揚げ油を中温(170℃)に熱し、をこんがりするまで揚げ、塩を添える。

【メモ】
・ なすは太さ、長さに応じて量を調整します。太さが上下で違う場合は、2切れを互い違いになるように並べると均等になります。
・ 豚肉は、薄切り肉を使用することで火通りがよくなります。
・ Aのみそを減らし、豆板醤やコチュジャンを加えてもおいしいです。
・ 味つけした豚肉に汁けはさほどありませんが、水分が気になる方は、白すりごままたは片栗粉を小さじ1程度加えると、よりパリッと揚げやすくなります。

★おまけ★
青じその保存は、軸の部分を水に浸すようにして、湿らせたペーパーをかぶせてラップをしておくと、2週間くらい元気です。葉の部分が水に浸っていると、そこから傷みやすくなるので、軸だけ水に浸かるようにするのがポイントです。これは、ちょうど料理を楽しみ始めた頃に手にした、高山なおみさんの料理本で学び、それ以来ずっとこうして保存しています。

 料理教室「さときっちん」の台所便り6月/干し大根と生ハムの和えもの】はこちら

 

 

 

Profile

柚木さとみ

SATOMI YUGI

料理家・フードコーディネーター ・カフェプランナー。1973年東京生まれ。5人姉妹の5女。ご主人とサビ猫姉妹(くう、ねる)との2人+2匹暮らし。大学卒業後、吉祥寺のカフェで店長を務めたのち独立。カフェのプランニングやプロデュース、メニュー開発、料理教室講師、ドラマの料理制作など、食と食空間に関わる仕事に携わる。2012年から、築65年の古い一軒家をリノベーションしたアトリエで料理教室「さときっちん」を主宰。旬の食材を生かした暮らしになじむレシピが人気。著書に『からだがよころぶ!菌活レシピ』(幻冬舎ルネッサンス)、『美人をつくる発酵食レシピ』(じゃこめてい出版)など。
https://yugisatomi.com
Instagram:yugisatomi

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

ページトップ