【料理教室の季節の人気メニューから/10月】蒸籠(せいろ)から立ちのぼる湯気もまたごちそう〜白身魚の豆豉(トウチ)蒸し
こんにちは、料理家の柚木さとみです。
少しずつ空気もカラリとしてきて、気持ちのよい季節になりました。秋はとても好きな季節。金木犀の香りや、これから少しずつ色づいてゆく紅葉も楽しみです。
秋口になると、蒸籠(せいろ)の使用頻度がぐっと上がります。茶碗蒸しなどの蒸し料理に限らず、わが家ではじゃがいもの加熱は、ゆでるよりも蒸すほうが日常的なので、コロッケやポテトサラダの下ごしらえは鍋よりも蒸籠が活躍。
丸ごとのじゃがいもに火が通るのも早く、ほくほくしっとりとして、ゆでるよりもさらにおいしく感じます。蒸すだけで本当においしいので、蒸し野菜も寒い季節の定番の副菜です。教室でも、蒸籠は毎年登場する調理道具です。
蒸した料理を蒸籠ごとテーブルに運ぶと、立ちのぼる湯気とともにごちそう感が増してワクワクします。
教室のレシピから、今月ご紹介するのは「白身魚の豆豉(トウチ)蒸し」です。回鍋肉でおなじみの豆豉醤(トウチジャン)に、ピリリと辛い豆板醤(トウバンジャン)を合わせたたれをかけて蒸した魚料理です。包みごとお皿に盛り、食卓で開いて香菜をのせていただきます。
白身魚の豆豉蒸し
【材料(2人分)】
白身魚(たら、鯛など)…2切れ
まいたけ…1/2パック(50g)
えのきだけ…1/4袋(25g)
長ねぎ…1/2本
しょうが…1かけ
香菜…適量
[豆豉だれ]
豆豉…小さじ1
豆豉醤…小さじ2
豆板醤…小さじ1/2
紹興酒…小さじ1
【作り方】
① 鍋にたっぷりの湯を沸かす。白身魚はペーパーで水けをふく。まいたけは手で大きめにほぐし、えのきは石づきを除いて食べやすくほぐす。長ねぎは白い部分はせん切り(芯は薄切り)、青い部分は斜め細切りにする。しょうがはせん切り、香菜は3〜4cm長さに切る。
② 豆豉は細かく刻み、その他の[豆豉だれ]の材料とともにボウルに入れ、よく混ぜる。オーブンシート(30×40cm)を2枚広げ、それぞれの中央に長ねぎの青い部分を敷く。その上にまいたけ、えのき、白身魚を並べ、白身魚に[豆豉だれ]をかけ、しょうが、長ねぎの白い部分をのせて包み、蒸籠に並べる。
③ 十分に湯が沸騰した鍋にふたをした蒸籠をのせ、強火で8〜10分蒸す。仕上げに香菜をのせる。
【メモ】
・白身魚はたら、鯛などお好みのもので。きのこは、しめじやしいたけなどもおすすめです。
・ペーパーで包む際には、上下のペーパーを上に持ち上げて重ね、口を閉じるように2〜3回折り込んでから、左右をキャンディ包みのようにねじります。ねじる時には下のほうではなく、少し上のほうでねじると、水分が漏れません。
・蒸籠の蒸気は100℃を超えているので、蒸気でやけどしないように、ふたの開け閉めなどには十分注意してください。
・豆豉(トウチ)は、黒豆に塩や麹を加えて発酵させた食品。豆の形が残っています。
・豆豉醤(トウチジャン)は、豆豉をペースト状にして唐辛子やにんにくなどを加えたもの。
・豆板醤は、そら豆に唐辛子と麹を加えて発酵させ、ペースト状にしたもの。
これからの季節、温かな湯気も一緒に、ぜひ楽しんでください。
愛用している蒸籠は、2サイズ。直径18cmと30cmで、それぞれ2段です。おなじみの「照宝」さんの蒸籠や蒸し鍋、蒸し板を愛用しています。暮らしに蒸籠を取り入れてみたいけれど、果たしてそんなに使うかな?と迷われる方は、100円ショップのものから試してみるのもいいと思います。鍋は蒸籠に火が直接当たらないよう、サイズに合ったものを使用します。
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Profile
柚木さとみ
料理家・フードコーディネーター ・カフェプランナー。1973年東京生まれ。5人姉妹の5女。ご主人とサビ猫姉妹(くう、ねる)との2人+2匹暮らし。大学卒業後、吉祥寺のカフェで店長を務めたのち独立。カフェのプランニングやプロデュース、メニュー開発、料理教室講師、ドラマの料理制作など、食と食空間に関わる仕事に携わる。2012年から、築65年の古い一軒家をリノベーションしたアトリエで料理教室「さときっちん」を主宰。旬の食材を生かした暮らしになじむレシピが人気。著書に『からだがよころぶ!菌活レシピ』(幻冬舎ルネッサンス)、『美人をつくる発酵食レシピ』(じゃこめてい出版)など。
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