歳をとることは、努力をするということ 川邉サチコさん Vol.2

大人になったら、着たい服
2020.09.15

ヘアメイクアップアーティストとして、世界の一流デザイナーとともに働いてきた川邉さん。仕事はいつも「初めて」の繰り返し。興味があればなんでもやってみたい! そんな思いが、いつしか実力となって蓄えられました。頭で考えるより、やってみて、知らなかったことを知っていく過程が楽しい! 「歳をとって、怠け者になっちゃダメ」と川邉さんはいいます。いつも、自分の心がドキドキとときめくように……。そんなおしゃれの更新の仕方をうかがいました。

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実は、川邉さんは76歳のときに、ガラリと装いのスタイルを変えたそうです。そのきっかけが、髪をブラウンに染めていたのをやめ、ホワイトブロンドに変えたこと。

「髪色が明るくなって、毛の流れが美しく出るようになったので、ロングヘアが楽しめるようになったんです。そして、赤い口紅を差すように。女性らしい洋服もきれいな色も着られるようになりましたね」

いつものヘアスタイルは、ホットカーラーで巻いて、ざっくりと手でまとめ、アップにしてバレッタで留めるだけ。

「ラクに髪の毛をまとめるためには、つややかで健康な髪でないとダメなんです。だから普段のケアが大切ですね。自分に合うシャンプーを選んだり、頭皮をしっかり洗ったり」

ケアをしているのは、髪の毛だけではありません。洗顔は、ぬるま湯と冷たい水を交互に使った「温冷洗顔」を。健康を維持するために、水泳に通い、時間がある日には、ウォーキングに出かけます。


いつ見ても優雅で華やかで。そんな川邉さんの姿の裏側には、こうした日々の努力がつながっていました。

「周りの人に自分の存在感を認めてもらうって、大事なことだと思うんです。ほめてもらうことや、認められることって、明日のエネルギーになりますから。それは、大げさなことじゃなくてもいいの。買い物に行くときにも、人に見られているという意識を持てば、おしゃれが自ずと変わってきますよね」

髪のボリューム感にこだわったり、リップラインの引き方を工夫したり。川邉さんは自分の見せ方を常にアップデートしています。

何歳になっても「こうしてみたらどうだろう?」と新たな可能性を探す……。まだ見ぬ自分を発見し続ける喜びが、いつもキラキラとした目で生きる力を生み出すのだと教えていただきました。

photo:回里純子 text:一田憲子


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Profile

川邉サチコ

Sachiko Kawabe

1938年生まれ。女子美術大学卒業。23歳で渡仏し、パリのメイクアップスクールで学ぶ。1960年代、「クリスチャン・ディオール」のオートクチュールコレクション、三宅一生氏、芦田淳氏などのコレクションのヘアメイクを担当。1970年代から広告、テレビ、雑誌などで女優、タレント、モデル、またデヴィッド・ボウイなど海外アーティストのイメージメイキングを手がける。1994年、大人のトータルビューティサロン「川邉サチコ美容研究所」(現「KAWABE LAB」)を開設。現在は娘で美容家の美木ちがやさんとともに同サロンを運営。9月11日に待望の新刊『あの人が着ると、パーカーがなぜおしゃれに見えるのか』(主婦と生活社)が発売されたばかり。

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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