【日用としての装い#1】普段にもフォーマルにも「靴製造nakamura」のスリッポン
こんにちは。青森県弘前市にあります「THE STABLES(ステーブルズ)」です。以前「今日のひとしな」の連載を1か月間担当させていただいたご縁から、5日間特集にお声がけいただき、とても嬉しく思っています。
当店は、工芸と衣類をそれぞれ二つの部屋でわけてご紹介しており、装うことも生活の中の延長線上にあるものと考えてセレクトしています。ファッションとしての衣類というよりも、日用のものとして日々傍にあることで着ている自分自身が心地よくいられるようなもの、誰かの手が動いた跡を感じるようなもの。いつまでも変わらずに繰り返し身に着けていたくなるようなものを長く続けてご紹介したいなと思っています。
私自身、気に入ったものがあるとそればかり繰り返し着ていたいタイプの人間で、例えば気に入ったパンツがあったら、シーズンごとに色や素材を変えて買い足していることがほとんどです。お店にいらっしゃるお客様の中にも、自分の定番が生まれて、ここに来れば安心してお買い物が出来る。そんな存在になれたらいいなと思いながらいつもセレクトしています。
この5日間では、そんなお店の中になくてはならない当店の定番ともいえるものと、その着こなしを「日用としての装い」としてご紹介していきたいと思います。
今日ご紹介するのは東京・江北にてご夫婦で靴を作り続けている「靴製造nakamura(ナカムラ)」のスリッポン。
「THE STABLES」を始めて数年は、お店のお客様に合う靴がどんなものなのか手探りの状況でした。そんな中、お付き合いのある取引先の方がよく履いていて目にとまったのが、このスリッポンです。まずは自分で試してみないとお客様に提案するのが難しいので、中村さんに相談して一足作っていただきました。
革の素材感を感じるシンプルですっきりとした形は服を選ばず、普段の装いにもフォーマルな場面でも、服を邪魔せずスマートでとてもいいなと感じました。革靴のきちんとした感じもありつつ、普段の装いにもすんなりなじむような気軽さもある。日々考えていることではあるのですが、なるべく晴れの日もケの日もわけるとことなく履けるものをと考えていたので、このスリッポンをお店に置かせていただくことにしました。
内側がサイドゴアになっているので、着脱がしやすく、足首の動きが自由で、歩いているときの足の動きがスムーズです。靴の内側という目立たない部分にあることで、靴のデザインは殺さず、というところがとてもよく考えられているなと思います。
革はキップレザーと呼ばれる、柔らかく伸びのいいものを選んでいます。はじめて中村さんに靴づくりをお願いしたときにおススメされた革の種類です。革靴の最初固くて育てていく感じも、もちろん良いのですが、なれるまでに時間がかかるものよりは、最初からストレスなく履いていただけるほうがいいなと思い、お店の靴はいつもこの革をベースにお願いしています。中村さんご夫婦は、いつも当店にいらっしゃるお客様のことを想像しながら、靴の形や革の種類などを一緒に考えてくださるので安心して相談しています。
「chiclin」ベスブラウス
「ゴーシュ」リアクティブデニムテーパードパンツ
このスリッポンを、細身のデニムパンツと白いリネンのブラウスに合わせてみました。すっきりとした全体のバランスと靴の相性もよい感じです。
「maku」藍染クレープコットンワンピース
やさしい雰囲気の服と合わせると、黒のスリッポンが足元をきりりと引き締めてくれます。藍染の色合いが涼やかなロングドレスは、インドのコルカタで二人の男性が営む「maku textiles」のもの。
主張しすぎず、どんなコーディネートも自然に引き立ててくれるスッとした形。足を入れたときに感じる革の柔らかな感触。履いている人がリラックスしつつ、きれいに見えるバランスのよさが「靴製造nakamura」のスリッポンの魅力です。
青森県弘前市代官町14-2
TEL:0172-33-9225
営業時間:11:00~18:00
定休日:火曜・水曜(祝日の場合は営業、展示設営日は休業)
https://thestables.jp/
Instagram:@thestables_jp
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。