カシミア山羊の産毛を手織りした「Tissage(ティサージ)」のストール
~sahanji+(サハンジプラス)より vol.9~
「ティサージ」のカシミアストールは、作り手である古川理咲子さんが、厳冬の地で暮らすカシミア山羊の産毛を、絶妙な加減で手織りすることで、一枚の呼吸する布へと仕立てたもの。織りあがったばかりの布はまだ産毛が寝ている状態ですが、使ってゆくにつれふわっとやわらかく、空気をまとってほわほわの肌触りに育ってゆきます。
一枚の手織りカシミアに包まれるあたたかさと安心感は格別です。首にぐるぐると巻いたり、広げて羽織ったり、ひざ掛けにしたり、時には外出先で寝てしまったわが子を包んだり。軽く、やわらかく、ストレスなく身体に沿ってあたためてくれるこの一枚は、冬の季節を越えて手放せません。この季節に届く、「ティサージ」の手織りカシミアを、私もお客さまも毎年楽しみにしています。
単調になりがちな冬の装いのアクセントとなるような、シックで深い色目のマフラー。Raspberry(ラズベリー)。
藍カシミアのストール。「ティサージ」と、神奈川県・藤沢に工房を構える藍のスペシャリスト「LITMUS(リトマス)」 との特別なコラボレーション。
“灰汁醗酵建て(あくはっこうだて)”という日本古来の藍染めの工程を経て、経験と勘と、気の遠くなるような手間から生み出される天然の藍染めの、美しいグラデーション。藍で染めることによって、カシミア本来のしなやかさを失うことなく、よりしっとりとした風合いに仕上がるよう、「ティサージ」と「LITMUS」 双方が、何度も綿密なやり取りをし実現した特別なコラボレーションです。
愛用している私物の3枚。最初に求めたのは“サブレ”(中央)、セカンド・ティサージとして藍カシミアを(下)、 3枚目はカシミア山羊の原毛そのままの色、ナチュラルホワイト(上)。ちなみに“サブレ= sable”とは、小麦とバターをすり混ぜて、砂のように、さっくりとした食感が生まれるサブレから名づけたそうです。
Milktea(ミルクティー)、rouille brown(ルイユブラウン)、cocoa brown(ココアブラウン)、june berry(ジューンベリー)、dry grass(ドライグラス)、 châtaigne(シャテ-ニュ/栗)、midnight(ミッドナイト)、ice fog(アイスフォグ)etc…。作品のひとつひとつに付けられたネーミング、そこからイメージされる情景に想いを巡らせるのもまた豊かな時間です。
去年より今年、今年より来年、と、年数を重ねるほどにより一層やわらかく、あたたかさと愛しさの増す「ティサージ」の手織りカシミア。秋冬の寒さ深まる季節だけでなく、少し暖かくなる春先にもコートのかわりにふわりと一枚、ふわふわの手織りカシミアのあまりの心地よさに、どこへゆくにもお伴させています。春、秋、冬、と、一年の内で仕舞い込む時期があまりないほどです。みなさまにも、古川さんの絶妙な加減で織られた一枚の手織りカシミアの心地よさを。
「Tissage(ティサージ)」
仏語の「tissage à la main=手織り」と沖縄の言葉「てぃーさじ=日々使う布」から響き合わせた屋号。
http://info.tissage.jp
2006年、お祖母様の暮らしていた一軒家を改装してオープン。器、道具、服など衣食住にまつわるものや、暮らしになじむオブジェなどが並ぶ。連載「今日のひとしな」の執筆は、店主の河村奈穂さん。
静岡県静岡市清水区堂林2-9-5
TEL:054-353-1155
営業時間:13:00~17:00
不定休
http://www4.tokai.or.jp/sahanji-plus/
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。