自然素材で丁寧に縫われた「nagibotan(ナギボタン)」の服
~sahanji+(サハンジプラス)より vol.17~
前回に引き続き、今日は「nagibotan」阿久津清子さんのもの作りをご紹介します。
現在のギャラリー「nagi」と隣接する一軒家の母屋で暮らす清子さんは、今はご自宅として暮らしている棟の一階と二階を使って、初代「nagi」をはじめられた方。その初代「nagi」の二階には小部屋があって、ハシゴのような階段を登ると、そこは屋根裏部屋。その場所が大好きで、時間が許す限りゆっくりさせて頂いたのが懐かしいです。小さな天窓から優しい陽が入り、子どもの時に憧れた自分だけの基地のような落ち着く空間でした。
息子の真希さんが結婚されたのを機に、お嫁さんのめぐみさんがギャラリーのお手伝いをはじめ、数年ののち、「nagi」は現在の場所へと移りました。元の面影はそのままに、現在の「nagi」さんです。
「nagibotan」清子さんの作るもの。隅々まで気配りされた清々しい服や布小物。
洋服にはすべて番号入りの布袋がつきます。これは493枚目の服。こういう細やかな心遣いが嬉しい。私は旅行の際などの小分け袋として使っています。
色使いは、白、黒、ネイビー、生成り 、時々ブルー。リネンや綿麻などの自然素材を使っています。沢山洗って働く顔になったエプロンや洋服もまた、とてもよい風合いとなります。
リネンタオルは、何度も洗いをかけた風合いのあるラミーリネンで織られたもの。なべつかみもリネンタオルも、チクチク部分が手縫いと分かると感動されるお客様。一枚一枚、とても丁寧な作りです。友人宅で、毎日使って焦げ目の沢山ついた鍋つかみを見た時は、その姿がとても愛しく思えました。
もう何年も「nagibotan」の作品をお取り扱いさせていただいていますが、届くたびに毎回、同じ感度で「やっぱりいいな」と思える清子さんのつくるもの。作品と一緒にそっと添えられる言葉にもいつも励まされ、ふっと気持ちがやわらぐのです。
2006年、お祖母様の暮らしていた一軒家を改装してオープン。器、道具、服など衣食住にまつわるものや、暮らしになじむオブジェなどが並ぶ。連載「今日のひとしな」の執筆は、店主の河村奈穂さん。
静岡県静岡市清水区堂林2-9-5
TEL:054-353-1155
営業時間:13:00~17:00
不定休
http://www4.tokai.or.jp/sahanji-plus/
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