内田彩仍さん 「夏 ~梅雨の楽しみ~」

特集「季節の暮しと服支度」
2016.11.08

久しぶりに着こなしと日々の暮らしをテーマにした新刊『季節の暮らしと服支度』を出版した内田彩仍さん。発売後すぐに重版が決まったこの本には、「こんなふうに季節を感じたい!」「自分を見つめるきっかけになりました」など、読者の方からたくさんの反響をいただいています。そこで、「まだ読んでなかった!」という方のために、今週はこの本を大特集。春・夏・秋・冬のお話を少しずつお見せしますね。

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「梅雨の楽しみ」

雨がいいと思うようになったのは、
大人になってからだと思います。

大雨の中、長崎へ旅に出かけたり、
梅雨の季節の由布院を散歩したり。

最近は、洋服の買い物も、
雨の日に出かけるようになりました。
人の少ない雨の日は、
私にとって出かけ日和。

雨に濡れた街路樹もしっとりとして、
緑の多いカフェに立ち寄りたくなります。
葉に落ちる雨がとてもきれいで、
窓の外をただ眺めている、
そんな時間も好きなのです。

ただ、雨の日に悩むのが、
着て行くもの。
特にバッグは革のものだと、
しみが気になって。
手入れをしても消えないことが多いから、
以前はかごを選んでいました。

でも、服によっては、
雰囲気が合わないこともあり、
最近になって合皮のバッグを
取り入れるようになりました。

手入れの方法を調べてみると、
するべきことは拭くことだけのよう。
手入れ好きの私も、
余計な気を遣わなくて済むから、
気楽に持って出かけられます。


_MG_5261
薄手のコートをレインコート代わりにして、大きめの傘で出かけて。雨の日には、鮮やかな色の服が映えます。

家の中でのんびり過ごすのも、
雨の日ならではの楽しみ。

好きな音楽をかけて、
普段より少し丁寧に掃除をしたり、
いつもより長めにお茶を味わったり。

特別なことはしなくても、
ひとりの時間が充実する感じがします。

私がCDを買い求めることが多いのも、この季節。
「雨が好き」と言いつつも、
やはり時折、青い空が恋しくて、
なんとなく心が沈むこともあります。
そんなときは、聴くとほんのり
幸せになる音楽に、助けられるのです。

時間のあるときに、インターネットで
一曲一曲試聴しながら、
雨雲の暗さを感じさせないような、
やさしい雰囲気のものを選びます。

音楽の好みも少しずつ変わってきたようで、
最近は穏やかなジャズを流すことが
多くなりました。その心地よい響きは、
しっとりとした雨の季節にぴったりで、
何かをしながら過ごしていても、
心が凪ぐようです。


_MG_6039
雨の日には、ステイシー・ケントさんのような女性の穏やかなボーカルや、ピアノとベースの静かなジャズを。

 

<雨の日に準備するもの>

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三色の合皮を組み合わせたバッグは、
「トリコ・コム デ ギャルソン」のもの。
軽くて、A4サイズの書類も入るから、
仕事のときも重宝。

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濡れた服やバッグを拭くため、
吸水性のよいタオルハンカチを
二、三枚用意します。
ぴったりサイズのミニバッグに入れて。

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普通の防水スプレーよりも強力だからと、
すすめられて購入した「ドライバリア365」。
吹きつけたあと、よく乾かしてから使います。

_MG_6011
伸縮性がないラバー製のレインシューズは、
かかとに中敷きを入れて履き心地よく。
外出先で脱ぎ履きする日は、
靴べらも携帯して。

 

photo: 大森今日子

 

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Profile

内田彩仍

Ayano Uchida

福岡県に、夫と愛猫クリムと暮らす。丁寧な暮らしぶり、センスある着こなしや手作りが雑誌やイベントで人気を集める。著書に『季節の暮しと服支度』(主婦と生活社)、『重ねる、暮らし』(マイナビ出版)などがある。

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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