‟ギフト”がテーマのセレクトショップ 「berkarte(ベルカルテ)」
この冬は都内でも積もるほどの雪が降ったり、例年以上の大雪となった地域もあったりと、寒~い冬となりましたね。暖かい春の訪れを、今か今かと待ちわびている方も多いのではないでしょうか。そんな3月の「今日のひとしな」に彩りを添えてくれるのは、“ギフト”がテーマのセレクトショップ「berkarte(ベルカルテ)」です。
(まるで森の中にあるお店のよう! 壁面のグリーンは、最初は10㎝くらいの苗木から始めてここまでに成長しました)
住宅街のマンションの一階にあるとは思えないほど、とても雰囲気のあるお店! オーナーの片山一弥さんをはじめ、chieさん(写真中)、sakuさん(写真右)の2名のスタッフが温かく迎えてくれます。
店内には、欧州を中心に国内外で出会ったお洋服やアンティークの装飾雑貨、日々頼りになるテーブルウエアや生活小物まで幅広いラインナップがズラリ。「世界中にある沢山の‟いいもの”。そのひとつひとつのよさを伝えられる場を福井に作りたかったんです」
2013年にオープンした「berkarte」。店名は、べルリン(Berlin)とドイツ語の地図(Landkarte)を組み合わせた、‟ベルリンの地図”という意味の造語で、「地図を一枚持って、ベルリンの街を歩き回ったのがこの店の原点なんです」と片山さん。
福井県で生まれ育ち、古着を扱う会社に勤めていた片山さん。初めてのヨーロッパ出張でドイツ・ベルリンへ行ったことが、のちの「berkarte」へとつながります。「それまではアメリカや国内を中心に仕事をする機会が多かったのですが、ドイツでの歴史を感じる街並みやその雰囲気が何とも言えない心地よさで」。偶然入った小さな路地を抜けた先にあったカフェや民家の素敵なお庭に心ひかれたこと、たまたま入った路地裏のセレクトショップのアンティークジュエリーに目を奪われたこと。また、その時の出会いやお店の人とのやり取りで感じた温かさ。「表通りにはない、知る人ぞ知る世界感にもすごく感動したんです」。そして、「漠然といつかお店をやりたいなという想いはあったのですが、その時に『直接お客様とやり取りできる‟お店”をやりたいな』と決意を新たにしました」。お店を始めるために会社を辞めた後もヨーロッパの様々な場所を巡りましたが、「自分のお店も、訪れてくれる人にとってあの時自分がベルリンで感じたような温かな場所になってくれたら……」という初心の願いも込めて、「berkarte」と名づけました。
「よく驚かれるのですが、実は『パン屋さんの隣がいい!』とこだわって物件を探したんです。それは、パン屋さんという”日常”の延長でお店に寄ってもらうことで、‟非日常”を味わってもらえたらいいなという願いもあったから。せわしない毎日の中で、ホッとしてもらえる場所にしたかったんです」
そんな「berkarte」には幅広い年代の方が訪れます。流行りに左右されないベーシックなアイテムや、おしゃれに個性や独特の雰囲気をもたらしてくれるアンティークの世界感が心地よい空間。「開店当初の願い通りに、『パンを買いに来ただけなのに、思わぬいい出会いがあって楽しい時間が過ごせた』と、ふとした出会いを喜んでくれるお客様も多いんです」と笑います。
「berkarte」のテーマは、‟ギフト”。なぜ、お店のテーマに‟ギフト”を選んだのでしょうか……?
「お店は作り手と使い手を繋げる場所だと考えています。ギフトという言葉はとてもシンプルですが、そこには相手のことを思いやる温かい気持ちだったり、自分へのご褒美という特別な想いもあったり……。商品が使い手に渡った、その先まで見えます。何より笑顔がありますよね。そんな大切な場面で、ずっと使っていきたいと思えるもの、使ってきてよかったといつか思ってもらえるものをお届けできたら。お客様と会話をしながら、その商品の良さをお伝えしたいなと思って」
(二ケ月に一度、「ドライフラワー市」などの企画展やイベントも開催されています。過去には夏の夜、「ナイトベルカルテ」と称して、夜時間に営業をしたことも!)
「口コミで来てもらえるようなお店を目指していた」と片山さんが言うように、お客様との会話をとても大切にしてきた「berkarte」ですが、最近、新たにオンラインストアをスタートさせました。新型コロナウィルスの影響もありお店に来ることがなかなか難しい状況や、ブログやインスタグラムを見た方が全国から問い合わせを下さることが増えてきたことがきっかけです。また、福井から引っ越したお客様からの「またお店でお買い物がしたい」という嬉しい声もあったのだとか。
「実際に商品を手に取っていただけないことのもどかしさもあったのですが、オンラインで商品のよさをなんとか伝えられないかと考えた結果もあり、今ではオンラインストアは商品をひとつひとつ見つめ直す場所にもなっています。まだまだお店の商品の一割ほどのご紹介となっているのですが、ここもお店の新たな入り口のひとつとして、大切に育てていきたいです」
‟ギフト″という言葉は、特別な響きを持ちます。もちろん頂くのも嬉しいですが、「いいな」と思う物に出会ったとき、その時の楽しい・嬉しい気持ちまで贈り物の相手に届いていると感じると何だか自分まで嬉しくなります。直接会うことが難しくなっている昨今だからこそ、そんな想いまで大切な誰かに伝えられたらいいですよね。明日から始まる連載では、そんな‟ギフト″にぴったりな「ひとしな」を届けてくれますよ! 実は、贈り物といえばの‟ラッピング″にもこだわりがある「berkarte」。こちらも、連載の中でご紹介する予定なので、その記事もぜひ楽しみにしていてくださいね。
文/門谷 優
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福井県福井市開発2-105
開発ガーデンスクウェア103
TEL:0776-53-2344
営業時間:10:00~18:00
水曜・第二火曜定休日
https://www.berkarte.com/
Instagram「@berkarte103」「@katayama_berkarte」
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