30代になって見えてきた“本当に自分がしたいスタイル”~「APT#207」船寄真利さん
神奈川県横浜市で器と雑貨のお店を営む船寄さん。結婚と同時に関西から引っ越してきたのが2年前、お店は昨年から始めました。それまでは、百貨店のバイヤーとして忙しい日々を送っていたのだそう。
「もともと洋服が好きだったので、新卒で百貨店に入社しました。靴など売り場業務を経たのちブランド担当のバイヤーを経験しました」
けれど、シーズンごとに大量生産されては消費されていくだけの洋服や、同じような流行りのデザインが“売れるから作られる”のを目の当たりにするうちに、いつしか流行を追うことに興味がなくなってしまったそうです。
高価なものから安価なもの、有名ブランドのもの・無名のもの、さまざまな洋服を見るうちに、洋服に貼りつけられた“タグ”ではなく「自分が好きなものを選べばいい」と思うようになりました。
そして次第に、自分が好きなのは「身の丈にあった暮らし、それに長く寄り添ってくれるていねいに作られたもの」だと気づきます。
そんな船寄さんの現在のスタイル、二例をご紹介。
ひとつめは、「メンズものを自分らしく」。
秋のはおりとして重宝している「サイ」のステンカラーコートは、ご主人と共用。少年のような雰囲気にしたいとき着ることが多いそう。メンズサイズなので袖をくるくるまくってバランスを取るのがお約束なのだとか。
一枚目の写真と同じ「サイ」のコートは、ショップコート的にお店の中ではおることも。タートルネックニットに古着のチェック柄パンツを合わせ、メガネをかけて。どこかクラシックなボーイズスタイルに。
ふたつめは、「アクセサリーは華奢なものを重ねづけする」。
アクセサリーは、ほとんどが白、透明、ゴールドの、小ぶりで上品な雰囲気のものを。そのかわり重ねづけしてもトゥーマッチにはならない。
華奢なアクセサリーは「アトリエ エル」「ストール グラス ジュエリー」など小さなブランドや作家ものが中心。
そんな、船寄さんの“好き”を再確認させてくれたのは、ひとつの器だったとか。
手仕事やていねいに作られているものが好きだったことを思い出させてくれた吉村和美さんの青い器。「大阪から日帰りで東京の個展へ。これだけ抱えて帰りました(笑)」。用途の決まっていないカップは、飲み物もお惣菜もデザートもすべて受け止めてくれる懐の深さが。
30代になって、暮らしとともに装いが変わった船寄さん。そのヒストリーと着こなしの続きは、現在発売中の『ナチュリラ』2016秋号vol.35でぜひチェックしてみてください。
『ナチュリラ』2016秋号vol.35より抜粋。
photo:枦木 功(ノマディカ)
Profile
船寄真利(ふなよせ・まり)
神奈川県横浜市で器と雑貨、古本の店「APT#207」を営む。小さいながらもこだわりが随所に感じられるお店には足繁く通うファンも。http://apt207.theshop.jp/
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