「春の気分」…おすすめ帖vol.75

『ナチュリラ』本誌でも、季節ごとのリアルクローズとそのおしゃれな着こなし方を提案してくださっている人気セレクトショップ「アナベル」。店主の伊佐さんによる「季節のおすすめ帖」連載コラムです。季節ごとのおすすめの品を月に２回、ご紹介しています。

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photo：川本浩太　text：伊佐洋平　model：伊佐奈々

春は新年以上に気持ちの切り替えにふさわしい季節かもしれませんね。保育園、幼稚園、学校や会社、社会の大きな組織が一斉に始まる季節ですから。ファッションは気分だと以前から申し上げていますが、季節が変わるこの時期のアナベルの気分は、まだまだワイドなパンツの気分でした。

「NO CONTROL AIR（ノーコントロールエアー）」の見た目にも想像がつきやすいほどに大胆なカーブを描いたパンツは、その名もスーパーワイドバルーンパンツ。実にわかりやすい。

バックスタイル。

後ろのポケットはフラップタイプですが、ボタンを納める比翼布が特徴的で愛らしい。

しかもポケット布は、お得意のメッシュで洗濯の渇きもよく、履き心地も春らしく軽い。生地は中空糸と言われ、中心にトンネル状の穴の空いたポリエステル糸を用いて高密度で軽く、丈夫に織り上げている。だから素材名がマカロニポリエステルという。なんだか色々と愛嬌のあるパンツなのです。

前回も読んでいただいている方はお気づきかもしれません。このパンツ、現在“式典”でご提案しているマカロニポリエステルシリーズのパンツなのです。ボリュームのある可愛らしいバルーンシルエットは、見た瞬間から大好きで。今シーズンは展示会にはなかったため、アナベル用に別注で作っていただいたほど。今回は、そのマカロニスーパーワイドバルーンパンツを日常着として春らしくスタイリングしてみました。

まずはホワイト。こちらは先週も少し登場したスタイリングですね。ゆったりしたカットソーにゆったりとしたインディゴリネンの羽織物。春のコートを上手に使っていただければ、３月下旬からちょうど良いコーディネートではないでしょうか。もちろん、一番下のアンダーウェアはまだ温かいものを。

こちらはエクリュをスタイリング。華やかなベージュ系は、明るめのライトグレーのサマーニットで爽やかにスタイリングをしてみました。トップスのセーターは、「FACTORY（ファクトリー）」の春バージョンでコットンのもの。サマーニットは体にまとわりつくなど、マイナスのイメージを持つお客様もいらっしゃいますが、こちらは全くそれがない。理由は糸にあるそうです。糸からオリジナルで開発する彼らの成果が出たサマーニットではないでしょうか。

顔まわりを明るく彩るのは、昨年からお取り扱いを開始した「muni（ムニ）」のシルクカンタのストールです。昨年秋、こちらの「週末市」でご紹介したコットンカンタのミニショルダーバッグは記憶にある方もいらっしゃるのではないでしょうか。この春は、全て一点ものとなるセンスのいいストールをご紹介しています。

ブラックはシンプルにモノトーンでかっこよくスタイリングをしてみました。足元のパンプスから覗かせる「ayame（アヤメ）」のカバーソックスはご愛嬌です。ちょうどいいアクセントになったのではないでしょうか。

式典などを迎えて、気持ちを新たにする春に何を自分が選ぶのか？　さまざまな情報から何に自分の心が動くのか。そんな思いを巡らせるにも楽しい季節、新しいものを取り入れるにも良い季節です。思い切ってスーパーワイドバルーン、いかがでしょう。履き慣れたら、可愛くて仕方ないですよ。

パンツ：NO CONTROL AIR　￥24,200（税込）

カットソー：TRAVAIL MANUEL　￥9,900（税込）

サマーニット：FACTORY　￥12,100（税込）

カンタストール：muni　￥9,900（税込）

チビ襟シャツ：NO CONTROL AIR　￥17,050（税込）

発売中の『ナチュリラ』冬号vol.56では伊佐さんが提案する移動手段別のコートの着こなしをご紹介しています。本誌もぜひご覧になってみてくださいね！

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