「木枯らしが吹くころは」~おしゃれ暦vol.19~霜月
『ナチュリラ』本誌でも、季節ごとのリアルクローズとそのおしゃれな着こなし方を提案してくださっている人気セレクトショップ「アナベル」。店主の伊佐さんによる、季節のおしゃれエッセイ、第19回目です。11月に入って立冬も過ぎると急に寒くなりました。
気温のアップダウンについていけなかった秋も終わり、冬の始まりは寒いけれどちょっとおしゃれが楽しい時季でもあります。これからの季節を迎えるワードローブには、どんな“メンバー”が控えていますか?
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photo:川本浩太 text:伊佐洋平 model:伊佐奈々
「冬って寒かったな」って思い出す季節。
立冬はそういう季節。
木枯らしが舞って、枯れ葉が楽しそうに踊る季節。
でも、やっと衣替えをして、まだ気持ちは秋のまま。
今はそういうとき。
秋から履いてきたズボンに、ようやく出してきた
ウールのセーターを着ようと思う季節。
アンダーウェアーも冬仕様に変えて、
暖かいウールにありがたみを感じる季節。
ちょっと前まで、お店で見かけてもさわる気にもならなかったのに。
季節は進んでいる。
自然を前にすると気がつくことがある。
便利な都会では感じない季節の移り変わり。
ちゃんと10月中旬から紅葉は始まって、
山の気温は確実に下がっていたし、朝方には
吐く息も白かった。
およそ2週間単位で、徐々に季節は進んでいる。
立冬を過ぎて寒くなってきたが、
日中の最高気温だけとってみると、
まだ20℃近い日もあったりする。
まだ冬の装いには早いと感じる人は意外と多い。
お店でも、コートまでいかない、
まさに今の時期に日中に着るのにちょうどいい、
そういう中間衣料を探す人もいる。
巻物を先に手にする人もたくさんいる。
ウールのセーターに重ねられて、
ワンピースとしても活躍する、
コートの下に着てもいい。
前を開けたらはおりとして活躍するウールのワンピース。
大判のストールと合わせて使えば、
今時分の日中はちょうどいい。
ウール100%の薄手のワンピースは、
前が開くと、意外と便利に着られるかもしれない。
ボタンを半分開けると、
下のズボンが姿を見せて、
レイヤー感もあっておしゃれにも見える。
木枯らしに首まわりを抑えて歩く姿も、
季節感があって素敵なワンシーンだ。
立冬は、冬の始まりで秋の終わり。
今から立春までを冬と呼ぶ。
コットンからウールに変わり、
ウールにもいろいろな段階があり、
立冬と大寒では、着るウールの種類や厚さも変わる。
コートだって、1種類では賄えない。
2週間単位で移り行く季節を感じるように心がけると、
もっと着ることが楽しくなるかもしれません。
お洋服一つ一つは、あなたが選んだ自身のチームの
選手のような存在です。
一つ一つに役割があって、出番も決まってくる。
どんな役割も果たす選手はいないので、チーム力が必要です。
次にどんな選手を加入させるか、それを考えるのも楽しみの一つ。
立冬を節目に、考えてみてはいかがでしょう。
ワンピース:maison de soil ¥38,000+tax
パンツ:FIRMUM ¥22,000+tax
セーター:FACTORY ¥19,000+tax
靴:R.U. ¥39,000+tax
鞄:Teha‘amana ¥23,000+tax
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