毎日着る贅沢 ユリ・パークのニット vol.3

大人になったら、着たい服
2016.01.22

今でも、自分で編み機を使っている

時間がいちばん楽しい

 

初めての糸を扱う時は、今でも自らが手動式横編機でサンプルを編むそうです。そうすることで、どのくらい糸に負担がかかり、どのくらいのスピードで編めば理想的な仕上がりになるのかがわかってくるのだそう。

「編み上がったばかりの状態は、実はまだ糸が開ききっていないというか、糸本来の良さが出ている状態ではないんです」とも。着ていくことで風合いが増し、糸の持ち味が引き出されていく。そこがニットの奥深さなのだと教えてくれました。

「水を通すことで繊維が喜ぶので、私はドライクリーニングよりも、自宅でお手入れするのが好きなんです。温度と洗い方さえ気をつければ大丈夫」

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そう話すユリさん自身が着ているカシミアニットも、もう4~5年、自宅の洗濯機で洗って着続けているものなのだとか。そのやわらかな風合いといったら! 「素材が喜ぶ」という表現そのままに、とてもいきいきとした表情に見えました。

「上質なニットを、もっと日常着として着てほしい」とユリさん。「実は、今でも自分で手動式横編機を操作している時間に、いちばん一番喜びを感じるんですよ」という言葉に、ブランドに貫かれる“職人の手によるニット”の原点を見た気がします。

 

『大人になったら、着たい服 '15-'16秋冬』より

photo:和田直美 text:坂本祥子

 

 

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