腕元にシックな大人の華やかさ 「プティローブノアー」のレザーバングル
名作と呼ばれる映画には、必ずといっていいほど実力派の脇役が存在するもの。それは、おしゃれも一緒です。一見何げないのに、実は丹念にこだわって作られたアイテムたちは、主役を引き立てるための十分な腕前を持ち合わせています。この連載では、そんな“おしゃれの名脇役”にスポットライトを当て、王道のものから隠れた逸品まで、幅広くリポートしていきます。
photo : 花田 梢 text : 三宅桃子
華やいだアクセサリーが気になっていた2年前の12月、こちらにロックオンされて以来、インパクトのあるバングルに目覚めた取材班。いろんなブランドがひしめく某デパートの中で異彩を放っていたのが、デザイナー・阿部好世さんが手がける「プティローブノアー」のレザーバングルでした。
「プティローブノアー」レザーバングル各¥24,000
※商品の価格は2016年12月現在のもので、表示は税抜きです。
「プティローブノアー」といえばコットンパールのネックレスが真っ先に思い浮かびますが、取材班が愛用しているのは、そんなブランドの代名詞といえるコットンパールを、ゴールドのパイプにあしらった幅広タイプのレザーバングル。ぱっと見で美しいのはもちろんなのですが、サイドから見ると……。
レザーに沿って、立体感たっぷりにパーツが重なって乗っています! スワロフスキーも同じく
ビジューがきれいに見える角度や高さが計算されているのがわかります。
レザーのバングルといえばバックルなどが主流ですが、こんなにも大きなパーツが立体的にセッティングされたものは、なかなか見たことがありませんでした。
「阿部は画を描かず、作業場にさまざまなパーツを並べて、それらと対話をしながらデザインを進めていくので、斬新な発想が生まれるのだと思います。コレクションをスタートさせた2009年当時は、阿部が考えるデザインを具現化することが難しく、職人さんにお願いをする日々でした」
と笑いながら語ってくれたのは、セールスマネージャーの橋本知実さん。この立体感を実現するうえで欠かせないのは、各パーツをろう付けやハンダ付けによって溶接する“寄せもの”という技術。
「凹凸や角度をつけたり、パールを浮いているように接着するなんていうデザインがそれまでなかったので、職人さんたちと相談しながら一から作り上げていきました。数ミリ単位で表情が変わってしまうため、やり直しも多かったのですが、阿部のこだわりがお客様の心に伝わり、反響が大きくなるにつれ、職人さんとの信頼関係もより強くなっていったように思います」
唯一無二のアクセサリーは、アイデアと技術力の結晶なのですね。
このデコラティブなパーツを受け止めるレザーも、存在感たっぷり!
二枚重ねにしたレザーの厚みは、約3.5㎜。
「モチーフ負けしないように、また長く使っていただきたいという気持ちもあって、丈夫で重厚なレザーにしています」
「私たちは、あえて2、3個を重ねづけするのが好きなんです」と話すプレスの中森靖子さんと橋本さんの手元がこちら。
「プティローブノア―」(左:中森さん)右手のレザーバングル¥24,000、左手の細バングル¥28,000、左手の太バングル¥38,000 (右:橋本さん)太バングル¥28,000.細バングル¥24,000、リボンブレスレット¥11,000
見ているこちらもテンションが上がる格好よさ! シンプルなシャツやニットの手元にキラリとつけて日常使いするのはもちろん、シックなワンピースに合わせればパーティシーンでも映えそうです。
現在、「PORTER」でおなじみの「吉田カバン」の直営店「クラチカ ヨシダ 表参道」にて、今回ご紹介したバングルのほか秋冬コレクションが購入できるイベント“petite robe noire in the PORTER Gallery”が開催中。
中には、ポーターとコラボレーションしたレザーバングルも!
「petite robe noire×PORTER」細バングル各¥13,000、太バングル各¥18,000
(クラチカ ヨシダ 表参道 東京都渋谷区神宮前5-6-8 TEL 03-5464-1766)
イベントは12月25日(日)までなので、お見逃しなく。
日本の技術に惚れ込み、それが途絶えないよう“メイドインジャパン”にこだわっているというスピリットも魅力的。コーディネートにひとつ加えるだけで、気分まで上がるレザーバングル、自分へのクリスマスプレゼントとしておひとついかが?
TEL 03-6662-5436
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。