デザイナー・礒田けい子さんに聞く ワードローブの揃え方
“軸”は変えずにマイナーチェンジ
シンプルな中にも女性らしさを
「marie-therese of india」デザイナー 礒田けい子さん
好きなものは変わらないけど、数年に一度、必ずワードローブの見直しをするという礒田さん。
「上質でベーシックなデザインを揃えていても、ふと気づくと、形が“今”じゃなくなっていることがあるんです。王道のアイテムを着続けるには、どこかに新しい要素をプラスしていくことが大切なのかもしれませんね」
たとえば、ずっと基本にしているコットンレースのブラウスでも、数年ごとに身幅や丈感などを見直し、マイナーチェンジをしながら取り入れているのだそう。
「昔は、ブランドものに傾倒して、全身を高価なもので固めていたこともありました……。いま思えば恥ずかしい(笑)」という礒田さんですが、現在はハイブランドから、ファストファッションまで、バランスよく取り入れています。
「毎日の基本になるアイテムは、素材などへの“信頼感”が大事だと思うから、ブランド名ではなく、どれも同じ目線で選んでいます」
礒田さんの着こなしのルールに“旬のアイテムを1点”というものがあります。
「流行物を1点取り入れて、その時々の気分を楽しみます。いきすぎたトレンドには抵抗がありますが、自分になじむアイテムだけを厳選してワードローブに加えるようにしています」
今季新たに追加したのは、ガウチョパンツ。
「背が高くないので、あまりワイドすぎず、バランスよく着られるものを探しに探しました」
シンプルで、今年らしさを取り入れつつ、どこか女性らしさが薫る礒田さんの着こなし。
「私の洋服は地味な色のものが多いので、少し寂しく感じることも。だから、バッグや靴で色を差す、遊ぶようにしています」
赤やシルバーなどの小物をアクセント使いすることで、定番色の着こなしが一気に華やぎます。
『ナチュリラ 2015-2016冬号』より
photo: 枦木 功(nomadica) text: 日野晴未
Profile
礒田けい子
インド綿の手織り生地「カディ」を使用した着心地のいいウェアを展開する「マリーテレーズ オブ インディア」のデザイナー。女性らしさが漂う大人カジュアルが人気。
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。