日常をほんのり煌めかせてくれる「アオ ジュエリー」のエタニティリング
名作と呼ばれる映画には、必ずといっていいほど実力派の脇役が存在するもの。それは、おしゃれも一緒です。一見何げないのに、実は丹念にこだわって作られたアイテムたちは、主役を引き立てるための十分な腕前を持ち合わせています。この連載では、そんな“おしゃれの名脇役”にスポットライトを当て、王道のものから隠れた逸品まで、幅広くリポートしていきます。
おなじみのブランド「リゼッタ」で、テキスタイルやDMなどを担当するグラフィックデザイナーだった小林マユさんが、5年前に立ち上げたのが「アオ ジュエリー」。「それまでは平面の世界で手を動かしていたのですが、立体物を作りたい気持ちが高まって。陶芸にも興味がありましたが、ジュエリーを選びました」と小林さん。ホームページやインスタグラムには、色とりどりの天然石や海岸で拾い集めた石を使ったアクセサリーが目に留まります。
「指先に舞い降りた雪、お風呂でリラックスしている時に目についた泡など、日常生活や自然からインスピレーションを受けています。新作は、花や羽といったモチーフにもチャレンジしましたが、基本的には有機的、抽象的なデザインがメインです。ダイヤモンドは、透明度が高く、その世界観が表現しやすい石のひとつです」
「アオ ジュエリー」チャームリング17_K10ローズカット¥143,000
※商品の価格は2023年1月現在のもので、表示は税込みです。
こちらは、お守りを意味する“チャームリング”と名づけられたエタニティリング。ブランド創設時から作り続けられている定番のひとつです。
「紀元前に発見され、その硬さからお守りや魔除けとして人々に寄り添ってきたダイヤモンドには、あらがえない美しさがあり、ロマンを感じます」
使用しているのは、ローズカットを施した直径2㎜のダイヤモンド。
「光を生み出している様に輝くブリリアントカットに比べ、ローズカットはカット面ひとつが広いぶん、ピュアな透明感が特徴。まわりの光によってさまざまな表情が見られるおもしろさもあります。ローズカットの“チャームリング”は、白シャツを着た女性の手元でさりげなく煌めくイメージで作リました」
留め方は、石のまわりの地金の縁を倒してセットする覆輪留めを採用。
「棒状のタガネという道具を地金にあて、金槌で叩いてダイヤモンドをセットしていきます」
「こうすることで、ダイヤモンドと地金に一体感が生まれ、モヘアトップスのようなふわふわ素材でも引っかかりにくくなります」
石と石の間隔がランダムなのは、どこかやわらかさを持たせたかったから。「持ち主様にしかわからないほどの違いですが、それが親密さにもなったらいいなと思ってデザインしました。規則正しくカッチリと仕上げるジュエリーのセオリーからは、少し外れてしまうのですが(笑)」
シンプルなデザインだから、重ねづけもおすすめ。
「ゴールドとシルバーをミックスしたり、幅違いのものを合わせてみたり。私のお気に入りは、おもちゃの積み木のように自由に重ねづけできる“ブロックリング”シリーズとの組み合わせです」
「アオ ジュエリー」ブロックリングL_K10¥50,600、チャームリング17_K10ローズカット¥143,000、ブロックリングM_SVPt(シルバー90%、プラチナ10%) ¥19,800
「最近、とても嬉しい出来事があって」と笑顔の小林さん。
「セレクトショップ『ダジャ』ディレクターの板倉直子さんが、年末に出版された著書で『アオ ジュエリー』を愛用品として取り上げてくださいました。それだけでも感激したのですが、ご着用の写真が表紙に採用されていて。イノセントな空気をまとう板倉さんが、“チャームリング”を自分基準で選び、楽しんでくださっている様子がとても素敵です。中ページも物語を読んだようなしっかりとした読後感で、これからの自分を想像できてそれが楽しみになる、そんなさわやかな気持ちが残りました」
『明日、ちょっといい私に出会えたら』板倉直子著 主婦と生活社 ¥1540
オリジナリティが発揮できるカラーダイヤモンドをあしらった“ティアドロップ”や“シーナリー”シリーズも魅力的。世界にひとつだけ、という運命的な出合いに惹かれます。
左から:「アオ ジュエリー」ティアドロップ ダイヤモンドリング_K10 グレーカラーダイヤモンド0.22ct ¥83,600、ティアドロップ ダイヤモンドリング_K10 ブラウンカラーダイヤモンド 0.20ct¥83,600、シーナリーリング_K18 ソルト&ペッパー 0.74ct ブリリアントカット ダイヤモンド 18p 0.07ct ¥242,000
現在は、セレクトショップや百貨店で開催されるポップアップストアでの受注販売が中心。『アオ ジュエリー』の“チャームリング”は、ダイヤモンドを日常に取り入れるのにちょうどいいデザインで、ふだんジュエリーを身につけない方にもおすすめ。
「装いや日常をほんのりキラキラさせることができるものになれたら嬉しいです」
photo:花田 梢 text:三宅桃子
公式サイト:https://aaoo.blue
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