【DAY_2】今こそちょっとのきらめきを
島根の人気セレクトショップ「Daja(ダジャ)」ディレクター・板倉直子さんの新刊『明日、ちょっといい私に出会えたら』の7日間特集、2日目です。今日は本の表紙にもなっているジュエリーのお話。お気に入りのリングをした手元が目に入るたびに嬉しくなってしまうという板倉さん。「わかるわかる~」という方も多いのではないでしょうか?
今こそちょっとの
きらめきを
新型コロナウイルスの感染拡大によって、買いつけのための出張や全国の百貨店イベントに出かけられなくなったことをきっかけに、これまでずっとできなかった〝働き方改革〟を思い切って進めてみることにしました。長年忙しさを理由に犠牲にしてきた「自分や家族のために暮らしを整える」こと、つまり料理や掃除に向き合う時間を確保し、文化的かつ健康的に日々を過ごすことがいちばんの目的です。
〝改革〟というぐらいですから、中途半端なものではありません。残業は極力減らし、コロナ禍が続く今の就業時間は朝9時~夜6時で、土日はお休みという洋服屋らしからぬ勤務体制にしたことで、ついに憧れだった〝普通の暮らし〟を手に入れることができました。
それまでは帰宅時間も遅く、夕食は家事代行サービスや外食に頼るしかありませんでした。休日くらいにしか料理をすることができなかったけれど、今ではお弁当も含めて毎日3食作っています。
そんな日々を送る中、仕事中にパソコンのキーボードを打ちながらふと手を見ると、なんだか節が太くなりシワも増えてきた感じ……。毎日家事をこなしているからこその「働く手」に変わってきたような気がしました。それはこの数年、真面目に暮らしに向き合ってきた証しのようにも思えます。
毎朝私の職場では掃除が終わったあと、事務所で朝礼をします。ある日、ノートを開くスタッフの手元に輝くリングやブレスレットがとても素敵で、自然と目がいくように。毎日仕事だけではなく家事にも向き合っている今だからこそ、私も日常で身につけられる自分らしいジュエリーが欲しいと思うようになりました。華美なものではなく、働く手に勲章のように小さく輝くきらめきが。
ひと目で恋に落ちたのは、うるうるとした輝きを放つローズカットのダイヤモンドリングでした。「アオ ジュエリー」の小林マユさんの作るそれは、ジュエリーだけが目立ちすぎるのではなく、身につける人やまとっている服が調和し、ひとつひとつが呼応するようなシンプルで美しいデザイン。仕事が立て込んでいて余裕がないときでも、手元が視界に入るたびに嬉しい気持ちになるジュエリーのパワーに日々助けられています。
薬指にはローズカットのダイヤモンドがぐるりと1周取り巻くエタニティリングを。小指にはゴールドのシンプルなリングを連ねて、洗いざらしのシャツとのコーディネートを楽しむ。
『明日、ちょっといい私に出会えたら』より
Amazon / 楽天ブックス
photo:伊東昌信
Profile
板倉直子
島根県松江市のセレクトショップ「ダジャ」のディレクター。『大人になったら、着たい服』でトラッドを基本にした私服コーディネートが紹介されると、マニッシュな中に大人の女性らしさがあると大評判に。日々の着こなしや暮らしぶりを紹介したインスタグラムも人気。現在は、ファッションブランド「ハンドルームウィメンズ」のディレクションも手がける。著書に『大人のための かしこい衣服計画』『頑張らないおしゃれ』(ともに主婦と生活社)がある。
Instagram @itakuranaoko
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