Daja【DAY_5】夏のおしゃれ・避暑地編「涼しげワンピース」
こんにちは、「Daja(ダジャ)」の板倉直子です。今週は月曜から金曜まで5日間連続で「夏のおしゃれ・避暑地編」をお届けしております。
絲原家の居宅の奥には「洗心の路」という散策道が続いています。約2,000坪のエリアに山野草や茶花、樹木約350種が植栽され、名前の通り散策していると自然と心が洗われていくような気がします。
この日着ているのは「カディアンドコー」のギャザーワンピース。パープルの美しい色合いに惹かれ、このワンピースに合う撮影場所を探していたときに、この大きな馬酔木(あせび)の木と出会いました。家でも店でもよく生けるこの枝には馴染みがあるけれど、こんなに大きな木を見たのは初めて。
お気に入りのワンピースを着て植物をゆっくりと観察しながら、緑豊かな散策道を進んでいきます。
「カディアンドコー」はインドの職人による繊細なものづくりと、パリ在住デンマーク人デザイナーであるベス・ニールセンのセンスが融合したブランド。私もそのセンスに惹かれ、少しずつ集めている大好きなブランドです。
カディは、気の遠くなるような時間をかけながらインドで手紡ぎ、手織りされている生地。一度着るともう他のものは着られなくなる、というくらいの素晴らしい着心地です。美しいパープルがひときわ目を惹く、新型のワンピース“カディッツプラス”は、ロング丈でゆったりとしたデザイン。首元と袖口の細かなタックに美しい手仕事が感じられる一枚です。デコルテのボタンを開けて、深さをアレンジして着ることができます。
ワンピースに合わせて選んだバッグは「メゾンドソイル」のフラワーブロックプリントエコバッグ。こちらもインドのグジャラート州AJRAK村で昔から継承されている伝統技法の一つで、手彫りの木版を使い手押しで生地にプリントを施す“ブロックプリント”によって花柄が表現されています。
A4サイズが収まる大きめサイズのエコバッグは軽いので、旅先ではメインバッグとして重宝します。シンプルな夏のコーディネートのアクセントに、こんな花柄のバッグはいかがでしょうか。
歩いていたら、遠くから水の音が。それを頼りに進んでみると、敷地内に川が流れていました。
裸足になって足をつけると、とても冷たくてひんやり。山から流れ出る綺麗な水に、子供のころ遊んだ川遊びを思い出して、童心に返ったひと時でした。
次は気分を変えて、シックな雰囲気に。暑い日のお出かけにぴったりな「アーメン」のノースリーブワンピースを着てみました。涼しげなリネン素材と落ち着いたブラックは、伝統的な日本家屋にもしっくりと馴染みます。少しおしゃれ感が欲しい会食やランチにもおすすめの一枚です。
この場所は、正客を迎える時に使用するため作られた、畳部屋と板敷が付いた格式の高い絲原家主屋の式台玄関。板敷に座らせていただき、屏風の前でパチリ。
こちらは絲原家の貴賓応接室。昭和10年の近衛文麿公来遊に際し、畳敷きの客間を洋間に改装されたそうです。こちらのお部屋は普段は公開されていないのですが、今回の撮影のために特別に使わせていただきました。
実は撮影中に横溝正史のミステリードラマが似合うなと頭の中でずっと思いを巡らせて楽しんでいました(笑)。ダークブルーのワンピースの落ち着いた色味が似合います。
部屋で涼んだ後は再び外に出て、主屋から黒門までの長い通路を散歩しました。黒門から中に入るとまるで別世界。通路のわきに流れる川やそびえたつ木々、様々な山野草などが出迎えてくれます。絲原家の中で一番好きな場所でもあります。
ダークブルーのワンピースに映える、イエローのエコバッグ。先に紹介したフラワープリントのバッグの色違いです。小物で色や柄を取り入れると、ワンピースがさらに引き立つような気がします。
こちらのワンピースは、身長165センチの私が今回着た長い丈のものと、10センチ短い丈のものもあるので、小柄さんも安心です。
今回撮影にご協力いただいた絲原家16代の絲原丈嗣さんとゆうこさんご夫妻。終始笑顔で見守ってくださり、本当にありがとうございました。梅雨の真っ只中でしたが、この日はカラリと晴れ上がり、絶好の撮影日和となりました。山から吹いてくる涼しい風に癒されながら、まるで夏休みを過ごしたような楽しい一日となりました。
絲原家の主屋の中には奥様のゆうこさんが営むカフェ「茶房十五代」があります。見どころも多い広大な絲原家の敷地内を散策する際に一息つける場所を作ろうと、15代現当主が発起人となり数年前にオープンされたそうです。大正時代の雰囲気を感じる落ち着いた空間で、ゆっくりと庭を眺めながら過ごすのもおすすめです。
島根県奥出雲町は私の育った町でもあります。今回、奥出雲にある絲原家を「おしゃれさんコーディネート」でご紹介させていただき、この素晴らしさをお伝えできたことを心から嬉しく思っています。
約400年の歴史を持つ絲原家は、松江藩内の9鉄師の一人として鉄師頭取も勤めたそうです。その昔、松江藩の鉄供給率は全国で一時は7割もあったと言われています。たたら製鉄で栄えた歴史は奥出雲の町の中に美しい棚田を作り上げました。鉄づくりの原料となる砂鉄を得るため、山を切り崩して水流を利用し選り分けて採取する「鉄穴(かんな)流し」がこの地で行われていました。その跡地はそのまま広大な棚田として再生され、美しい景観を生み出しています。
もし奥出雲に訪れる機会があれば、その景色と共に鉄で栄えた歴史を感じてもらえたら、と思っています。
photo:村上伸明
※紹介アイテムは、Dajaオンラインストアにて7/7(金)18時より発売開始
ギャザーワンピース〈CADIZ PLUS〉
「Khadi and Co」
¥59,400 ( tax in )
リネンボートネックノースリーブワンピース
「ARMEN」
¥29,700 ( tax in )
フラワーブロックプリント エコバッグ
「maison de soil」
¥5,500 ( tax in )
他、私物
日々おしゃれのことはもちろん、季節ごとの暮らしの楽しみ方、体や心の整え方などを綴った書籍も好評発売中です。ぜひご覧くださいね。
『明日、ちょっといい私に出会えたら』より
Amazon / 楽天ブックス
Profile
板倉直子
島根県松江市のセレクトショップ「ダジャ」のディレクター。『大人になったら、着たい服』でトラッドを基本にした私服コーディネートが紹介されると、マニッシュな中に大人の女性らしさがあると大評判に。日々の着こなしや暮らしぶりを紹介したインスタグラムも人気。現在は、ファッションブランド「ハンドルームウィメンズ」のディレクションも手がける。著書に『明日、ちょっといい私に出会えたら』『大人のための かしこい衣服計画』『頑張らないおしゃれ』(主婦と生活社)がある。
Instagram @itakuranaoko
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。