冬本番！　凍える寒さも美しいアランセーターで暖かく、心地よく

みなさま、明けましておめでとうございます。一弥
「berkarte（ベルカルテ）」の片山一弥と申します。以前「今日のひとしな」のコーナーにて、2022年３月に一か月間執筆いたしました。

今回あらためまして、2025年１月、４月、７月、10月の週末に「おしゃれさんコーディネート」を担当させて頂きます。北陸の地から冬春夏秋の４つの季節に分けてコーディネートのお話を。どうぞこの一年お付き合いくださいませ。

今日はまず、お店のことを少しお話しします。

「berkarte」は福井県福井市の住宅街の中、マンションの一階にひっそりとあります。隣はパン屋さん、その先には子供服のお店とサンドウィッチのカフェが並び、いつも美味しそうないい香りが軒先に漂ってきます。森を彷徨い疲れているときにポッと明かりが見えて、入った瞬間に安堵を覚えるように、そして普段の生活からちょっと離れて非日常を感じてもらえるように……と緑に覆われた森のような外観のお店となりました。


ユニセックスのベーシックなお洋服をメインに、季節に合わせて欧州から届いた雑貨小物たち、それから唯一無二のアンティーク、ブロカントが共存する場所です。

今回の連載でモデルとなる二人は、私のパートナー・身長159㎝のチエさん（写真右）、そして153㎝と小柄なユカさん（写真左）。もしかすると身長174㎝の男性の私もたまに登場するかもしれません。

それぞれ身長を生かしたコーディネート、それから、ユニセックスで家族で楽しめるようなアイテムを使ったスタイリング、どちらも楽しんでいただけたらと思っています。

今週のアイテム
アラン編みセーター

冬の吐息が目立つ１月の始まり。冬本番が始まるこれからを暖かく過ごすために、今日はアイルランドの軽いアラン編みセーターに袖を通します。


Knit / 「McConnell」Ireland ￥30,800(税込)

アランと言えば、美しい立体的な編み模様が特徴的なセーターですね。もともと海の仕事をする時に、寒さと強風雨から守るために愛用されてきた独特な模様。

アイルランド・アラン諸島から始まったアランセーターですが、実にいろんな伝統的な編み方があります。

私はここ10年、毎年アイルランドまで素敵なニット製品を求めて通っているのですが、100年以上ずっと変わらない手法の編み地で作り続けられている品物や、現代的な要素を取り入れた形など、現地にはたくさんのデザインが溢れています。アラン諸島で編まれている"本物”を作ることができる職人は年々減っていっているものの、伝統を受け継いで今のファッションに合わせられるように作る編み手さんたちも多く、いろんな変化を楽しまれています。

「McConnell（マコネル）」のデザイナー・アンは、そんな編み物に囲まれて育った一人。伝統的な編み物に没頭して得た彼女の技術と、独自のモダンな要素を取り入れた品物はなんとも素敵。毎年彼女に会って、「berkarte」のためのセーターを作っていただいているのです。

そんな「McConnell」のセーターは、ややショート気味の少し幅の広い形。

それに対してアームはすっきり目。ドロップショルダーから手首まで程よい太さで、アウターを快適に羽織れるような作りをしています。これ、結構大切なポイントなんですよね。

首の立ち上がりは短めのモックネック。窮屈にならないように締まりすぎていない形ですが、ロングリブのおかげでとてもすっきりとした印象に映ります。


裾はあえてリブ仕立てではないので、動きと共に開いてくれるバランス。全体を軽快にも見せてくれます。

チャコールグレーに合わせるパンツは、白いウールフェルトのワイドタイプ。

ショートトップスには相性の良い、ボリュームある形です。

今回はアランの柄を楽しみたいから、邪魔しないようにできるだけシンプルなワイドパンツを選びました。何もかも見せすぎないように、抜き差し加減をバランスよく。足元には甲が低くすっきり見えるローファーを。相性が抜群に良いと思います。

それから色違いにはこんなオートミール色も。あえて暖色のベージュのボトムスと合わせて、柔らかな印象を楽しみます。

暖色同士、そしてこんなボリュームプリーツスカートを合わせると膨張して見えそうですが、足元にはガラスレザーのレザーシューズをひとつ。全体を締めてくれる役割になってくれます。

フロントを少し短めにロールインするのもポイント。ほんの少しのアレンジが、“着せられる”から“着こなす”に変わっていくものです。

そしてさらに色違いの、ライトグレーも。

合わせるボトムスは、ヴィンテージのウールトラウザーパンツ。落ち着いたライトグレーには、メンズ的な格好良さをプラスします。

足元にはプレーントゥのガラスレザーサイドゴア。ウールの静かな様相の着こなしに、ひとつだけ光を足し算します。

羽織にはヤーモのラボコート。冬の白って素敵ですよね。

コットンコートと見せかけて、内側キルトの暖か仕立て。ものすごく軽い上に保温力高めなところも、お出かけ向きの一枚。

厚手のニットを着込んだとしても、肩まわりに余裕があるので窮屈感なし。「McConnell」アランのすっきりとした腕まわりと合わせると、さらに快適なスタイリングになると思います。

冬の寒さに縮こまりそうな日々。着ている本人はもちろん、見ている周りも暖かく感じるような、そんなスタイリングを楽しみたいですね。

そんな私は、今月再びアイルランドをはじめ欧州各国へ買い付けの旅に向かいます。

素敵な品を皆様へ。お楽しみに。

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