もうオケージョンスタイルに迷わない！ 頼もしいセットアップ＆小物

ポイントは、ライトウールというところ。柔らかな素材感が、かっちりとした雰囲気を和らげて、程よくリラックス感のあるスタイルを作ってくれます。

見た目の美しさだけでなく、実際まだまだ肌寒い季節の式典では、暖かくて頼もしい素材も嬉しいところ。しっかり防寒しながら、スッキリ整えることができるので、意外にもそこが一番嬉しいポイントかもしれません。

タイトなメリハリスタイルではなく、少しゆとりのあるシルエットもいいですね。中にしっかり重ねることもできて、防寒対策の面でもさらに安心。

実は、パンツはひもで締めるイージー仕様。きちんとスタイルなのに、ラクに決まるなんて、もう言うことなし。

ジャケットは裏地付き。ウール特有のチクチク感もなく、胴裏はコットン混なのでひんやりともしません。

袖裏はポリエステルでつるりと羽織りやすい仕様（前回の記事でもそうでしたが、こちらもストライプ柄という抜かりの無さ！）。

それでは、着こなしを改めてご紹介。まずは、大切なイベントだからこその"王道のスタイル”。

近年は、オケージョンシーンでの装いも多様化していますが、やはり基本のジャケットとパンツは、式典という場に最適なスタイル。一着持っていると、いざという時もあれこれ悩まずに頼りになります。

そんな"ハレの日”には少し華やかさをプラスしたいところ。

インナーは明るいナチュラルカラーのメリノウール、襟元にはシードパールとゴールドのアンティークブローチを。

直線と曲線の対比が美しいこのブローチ、特別な日をグレードアップしてくれる密かな主役アイテムでもあります。

ブローチは個人的にも大好きなのですが、装いを華やかにするだけでなく、目線を上に持っていく効果があるので、低身長の方にもオススメのアイテムです。

今回のモデルは執筆者の私、身長153cm。ワンサイズの洋服を着ると、どうしても少し大きめのサイズ感になってしまいます。実はこのセットアップも、普通に着るとなんだか着られているような印象になってしまうのです。

そこで、ほんの少し工夫を。「手首を見せてスッキリしたポイントを作る」、「ヘアスタイルをタイトにする」、「ブローチやスカーフで目線を高く持ってくる」……などなど。少しのアレンジで印象が変わるので、バランスを見て、足し算や引き算をすると、スタイリングの幅が広がります。

耳元は、少し引き算。肌馴染みの良いカメオのピアス。

バッグはホワイトで全体を明るくまとめます。小物はアンティークを選ぶことで、ベーシックながらも自分らしさを取り入れた魅力的なコーディネートに。

続いては、ジャケットをアレンジしたスタイル。

シャンブレーワンピースにさらりと羽織って、少しカジュアルダウンした装いへ。

こちらでは、ボタンのようにブローチをつけて。胸元が深く開いたブラウスを調整するときにも活躍するアレンジです。小ぶりなダイヤ型のマイクロモザイクは、どんな装いにも合わせやすく、デザインもサイズも使いやすさが光るアイテム。

ピアスは少し華やかに揺れるタイプを。アンティークのゴールドとシードパールにアメジスト。花のモチーフですが、甘くなりすぎず美しい佇まい。

上品なボックス型のレザーバッグは、「Teha'amana（テハマナ）」。ショルダーにも手持ちにも使える優れものです。

足元はパランコのストラップシューズを。バレエシューズほど甘くなく、ローファーほどカッコ良すぎず。靴下遊びを楽しむときはもちろん、スマートで抜け感のある雰囲気を出したいときは、いつもこの靴一択。足元でも、印象がガラリと変わりますよ。

ジャケットなら、手に持っている姿もスマート。いつものワンピースも、スカートも、ジャケット一枚でよそゆきな雰囲気に。

さて、最後はパンツのアレンジ。もともとイージー仕様なので、普段使いにもむしろ大活躍なパンツなのです。

合わせるのは、「Honnete（オネット）」のウールビッグシルエットのシャツと、ヴィンテージのパーティーバッグに「SANDERS（サンダース）」のチェルシーブーツ。

上下ともにワイドなときは、小物でしっかり引き締めます。

ロイヤルブルーのウールベレー帽とグリーンガラスのクローバーピアスで差し色遊び。

カラーやモチーフで季節をほんの少し先取り、なんて。自分なりのポイントを楽しむのも、飽きなく着回していく秘訣。

こうやって見ると、「このパンツを式典で着るの？」と不安になってしまいそうなくらい、普段からラフに着られる雰囲気があります。コーディネート一つで印象がこんなにも変わるなんて不思議！

洋服も小物も、"頼りになるような基本"と"遊び心溢れるアイテム"を使い分けながら選んでいくと、どちらもアレンジ次第で着回し力のあるアイテムに大変身。「次は何と合わせようかな？」と考えるのも楽しく、組み合わせで新たな魅力を発見！　なんてことも。

さぁ、新しい季節の始まり。あれこれ試して、特別な日も日常も、自分らしいスタイルを楽しく組み立てていきましょう！今回登場したアンティークアイテム、実は現在も欧州各国で買付中です。新たなアンティーク小物も、これからお楽しみに。

今年担当させていただく週末連載。初月、とても楽しく書かせていただきました。嬉しい反響もたくさんいただいております。ご覧いただいた皆様、ありがとうございました！　次は４月にお目にかかります。またどうぞ、うららかな季節に。