【大人のおしゃれアーカイブ】勝屋まゆみさん 「how to live」主宰 Vol.1
あるがままの自分と
向き合うことから
おしゃれが始まった
サイコロのようなキューブ型の“ダイスバッグ”、ショルダーストラップを折って、好きな長さに調節できる“折り紙バッグ”。今から15年ほど前、初めて「ハウ トゥ リヴ」のキャンバスバッグを見た人は、そのかっこよさに驚いたはずです。帆布といえばトートバッグしかなかった時代に、遊び心いっぱいで、大人も持てるようピリッと辛口で……。勝屋さんがこの「ハウ トゥ リヴ」を立ち上げたのは、48歳になったころでした。
初期に、第1号として作ったのは、大きなハトメでハンドルをつけかえることができる“リングバッグ”シリーズでした。
「持ち手をいかにバッグにきれいにつけるかということから生まれたデザインなんです」と勝屋さん。
ご自身の身長が170cmと大きいので、若いころポシェットが流行っても、斜めがけすると「幼稚園の子どもみたいになって」と笑います。
「初めて海外に行ったとき、バッグを手にさっそうと歩く人たちを見て、持ち手の長さが体に合っているから格好いいんだ、と知ったんです。体型や荷物の量によって、変えられる持ち手がいいなあと思って」
ハトメという道具をデザインに取り入れる……。機能と美しさを両立させるのも、勝屋さんのものづくりの特徴かもしれません。
新卒で入社した会社を
3日で辞めた!
3人姉妹の真ん中で育ち、幼いころから洋服が好きだったそう。
「夏になると大好きな黄色の水着を着るのが楽しみだったなあ」
美術大学でテキスタイルデザインを学びアパレル会社に就職。ところが、大学で学んだことが生かせないと3日で辞めてしまったのだとか!
「私って喧嘩っ早いんです。イヤなことはイヤ。我慢できなくて」と笑います。その後、洋服を学ぼうと「伊東衣服研究所」に入学し、テキスタイルの会社で働き始めました。
「当時流行り始めた『コム デ ギャルソン』風の小さなドット柄ばかりを描かされていました。そんなとき、たまたま会社の帰りに、見たこともない大胆な柄物のスカートをはいている人がいたんです。いったい誰が作っているんだろうと思っていたら、『ヨーガンレール』のショップで、同じ柄の生地を見つけて。友達にその話をしたら『新聞にテキスタイルデザイナーを募集しているって出ていたわよ』と教えてくれたんですよね」
こうして「ヨーガンレール」で働き始めます。
Vol.2に続きます
photo:和田直美 text:一田憲子
『大人になったら、着たい服 2016春夏』より抜粋
Profile
勝屋まゆみ
武蔵野美術大学テキスタイルデザイン専攻。「ヨーガンレール」勤務後「伊勢丹研究所」でファッションコーディネーターを務める。アクセサリーと布雑貨ブランド「アンジンクチン」を経て2000年より布雑貨と洋服のブランド「ハウ トゥ リヴ」を主宰。
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。