【Midoriさんのコーデレッスン④】自分をご機嫌にするためのおしゃれ

現在発売中の『自分をご機嫌にする大人のカジュアルコーデ150』から一部抜粋してお届けしています。第４回目は、本誌の著者でもあるパーソナルスタイリスト Midoriさんについてご紹介します。

はじめまして。福岡を拠点にパーソナルスタイリストとして活動しているMidori（みどり）です。インスタグラムやユーチューブを通して、40代以上の女性に“無理なくこなれる大人カジュアル”を発信しています。ほかにも、オリジナルブランド「COMMＥ（コム）」の洋服を作ったり、オンラインセレクトショップ「M STYLE」を運営したり。あれこれ挑戦しているうちに今年で48歳になり、50歳を前に著書を出版することになりました。ここでは、本題に入る前に少しだけ、私のことをお話ししたいと思います。

高校を卒業するまで、私はおしゃれとは無縁の暮らしをしていました。バスケットボール一色の毎日で、週末はいつもジャージ姿。ファッションに興味を持ったのは大学に入ってからでした。おしゃれな友人から刺激を受けたのをきっかけに、アルバイト代を全部服につぎ込み、雑誌で見たカリスマ販売員に会いに、日帰りで大阪や東京へ通ったことも。素敵な服を見つけて、それを上手に着られたとき、自然と笑顔になれる。前向きになれる。「ファッションって、自分をご機嫌にするためのものなんだ！」。そう感じた瞬間が、私の原点です。

大学卒業後、憧れだったアパレルメーカーの販売員に。たくさんのお客様を接客するなかで、似合う服がわからなかった方が「これが、本当の私かも！」と微笑む瞬間に立ち会うたび、やりがいを感じていました。ところが、30代になってしばらくして転機が訪れました。最愛の夫を突然亡くし、すべてが真っ暗になったのです。

明日は当たり前に来るものではない――。そんな現実を突きつけられ、「自分の人生を生きよう」と、独立を決めました。泣いて、立ち止まって、それでも前へ……。そんなときも、服を選ぶ時間だけは楽しくて。そうして少しずつ、自分を取り戻してきたような気がします。

この本をどんな内容にしようかと考えたとき、頭に浮かんだのがフォロワーさんから寄せられた、「何を着たらいいかわからない」「数年前まで似合っていた服がしっくりこない」という声でした。そこには、「まだおしゃれをあきらめたくない」という思いが込められていました。この本は、そんなみなさんに届けたい、「大人がカジュアルを上手に着こなすためのアイデア集」です。私のワードローブで、春夏秋冬150のコーディネートを組み立て、その中に“着こなしのヒント”を盛り込みました。ページをめくりながら「これ、好きかも」と思えるコーデを見つけてもらえたら嬉しいです。

検索すれば何でも答えが出てくる時代。「正解のファッション」に縛られがちだけど、本当はもっと自由でいい。おしゃれは、誰かの評価ではなく自分のご機嫌をつくるためのものだから。

何を着るかで、一日が変わる。それは誰にでも起こる小さな奇跡。今日という日を、少しでもご機嫌に過ごせますように。

撮影／亀山ののこ

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