【自分を知った大人服】山下りかさん スタイリスト vol.1
ベーシックなアイテムも
かわいらしいレースも
私の中に普遍的にあるもの
山下さんが、麻の白いブラウスの上に重ねたのは「エリカ タノヴ」の黒のドレスでした。
「これは、サンフランシスコに住んでいたころ、バークレーの店で買ったもの。だから、もう20年以上の付き合いになります。デニムにでも何にでも、1枚はおるだけでさまになる、魔法の服なんです」
80年代後半、雑誌『オリーブ』でスタイリストとして濃密な時間を過ごした後、山下さんはアメリカへと旅立ちます。ニューヨーク、そしてサンフランシスコへ。結婚をし、子どもに恵まれたものの、その後離婚。いくたびの転機を経験した、激動の時代でもありました。
「おしゃれのベースができたのは、間違いなく『オリーブ』時代です。デニムやチノパン、ボーダーのシャツといったスタンダードなアイテムが、もともと好きだったかわいいものと一緒になって、私のスタイルを形作っていったのだと思います。その後、子育てが中心になり子どもが小さかったころ、“お母さんらしい”イメージの服装を心がけるようになって。それまでやってきた自分のファッションとは、また違うものが加わったのが、アメリカ時代でした」
vol.2へ続きます
photo:和田直美 text:河合映江
『大人になったら、着たい服 2017春夏』より抜粋
Profile
山下りか
雑誌『オリーブ』でスタイリストとして活躍した後、1990年渡米。98年に帰国。現在は「広尾 高輪シュタイナーこども園」などで手仕事の講師を務め、ライアーの演奏家としても活動。また、オンラインストア「alice daisy rose」では、ホームページの写真とスタイリングを担当。
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