自然由来のもので、自分だけの「緑のお薬箱」をつくる vol.1

からだ修行
2017.06.21

今月の先生「マヒナ・ファーマシー」中山晶子さん

頭痛や腹痛、発熱やちょっとしたケガなど、日々のちょっとした不調をゆるめる常備薬を収めた「薬箱」。みなさんはどんなものを用意しているでしょうか。今回は自分だけの、あたらしい薬箱づくりを提案している方に、お話を伺ってきました。

photo:砂原 文 text:田中のり子

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「薬箱」といえば、薬局で市販されている頭痛薬や風邪薬、胃薬などが収まったものを家に常備している人も多いはず。けれどもそれらの中身を、植物由来のものだけ、しかも自分のためだけのオリジナルな「薬箱」を作ってみてはどうか……そんなことを提案しているのが、今回訪れた東京・下北沢にある「マヒナ・ファーマシー」の中山晶子さんです。

実は私、市販の化学合成された薬が年々苦手になり、風邪薬を飲むとろれつがまわらなくなってフラフラになったり、頭痛薬を飲むと肌に湿疹が出たり。漢方薬は大丈夫なのですが、数年前から一般的な薬とは疎遠になっており、さりとて不調がないわけではないから、中山さんの「緑のお薬箱」というコンセプトには、ものすごーーーく興味が引かれたのでありました。

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店名の「マヒナ」とは、ハワイ語で「月」という意味。中山さんは「月=女性」としてとらえていて、ショップでは女性の身体をケアしていくための、五感を生かしたセルフケアアイテムを取り揃えています。中山さんは自らも「ロミロミ」(ハワイに古くから伝わる、マッサージを中心とした伝統的なヒーリング療法)のセラピストとして多くの女性の身体を癒しながらこちらのショップを営み、なおかつ女性の身体のためのさまざまなワークショップなども開催されています。

20代から30代頭までの頃は音楽業界で働き、ハードな日々を送る会社員だったという中山さん。不規則な生活が積み重なり、体調を崩したことをきっかけに退社。身体のメンテナンスをするうちに「ロミロミ」と出会い、やがて自分自身もセラピストとしての道へ。自宅でサロンを開くようになって、自然療法全般についても学ぶようになっていきました。

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「初潮を迎えたころから生理痛に悩まされたり、過去に不妊治療を経験していたり、女性ならではの身体の問題について考えざるを得ない人生でした。『痛みを取るにはどうしたらいいんだろう』『身体が健やかになるには何がいいんだろう』といろいろ試してきたところ、私にとっていちばんしっくり来て、相性がいいと思えたのがハーブという存在でした」

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日本でハーブというと、どちらかというと「料理に香りづけをするもの」「何となく身体によさそうなもの」といった漠然としたイメージですが、海外では日本における漢方のように、医療の一環をになう存在として認識されています。日本では薬事法・医師法などの関係で、ハーブを「薬」として販売することは許可されていませんが、心と身体を整えるためにハーブを取り入れる人も増えているそう。

中山さんはハーブのサプリメントを飲んだり、アロマオイル(精油)やフラワーレメディを使ったり、コーディアル(ハーブをシロップに漬け込んだ濃縮ドリンク)を飲むうちに、ご自身の身体にも、さまざまな変化があったと言います。そしてハーブ療法を学ぶうちに「緑のお薬箱」という考え方にもふれ、大いに感銘を受けたのでした。

→vol.2へ続きます

マヒナ・ファーマシー

東京都世田谷区代沢5-29-17
TEL:03-6805-4545
営業時間:13:00~19:00
定休日:不定休(施術中は店舗を一時閉めているので、確実にご来店されたい場合は、事前に電話かメールにてお問い合わせを)
http://www.mahinapharmacy.com/

Profile

中山晶子

Akiko Nakayama

音楽業界でアーティストマネージメントやCD宣伝・制作の仕事を経て、2003年にハワイアンヒーリング「ロミロミ」と出会い、オアフ島のニエラニ・ベネット、ハワイ島のスーザン・パイニウ・フロイドに師事後、セラピストに。「ニールズヤード」にてメディカルハーブJAMHA認定ハーバルセラピストコース受講・メディカルハーブコーディネーター。2011年4月にメールマガジン「マヒナ・ファーマシー」をスタートし、2015年3月実店舗を東京・下北沢にオープン。

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